うつ病とマズロー2

マズローの心理学について、前回の著者が書いた本である「マズロー心理学と欲求階層~自分の本音を思い出す~(著:北岡たちき)を読みました。

まず、マズローは人間そのものを肯定的に捉えておりました。

また、社会、文化は人間の欲求を抑制する方向ではなく、欲求を満たすものとしても捉えておりました。
同時に自分自身の欲求に基づきそれらを作り上げるべきとも述べてあります。

愛情についても健全な発達には必要であり、大切さを認識していました。

そして科学に対しても疑念を抱き、芸術やアートといったものを取り入れてもいます。

マズローは特に欲求について注目をしています。
そもそも何故欲求について注目したのか、それは人の本質を知るためにあります。

欲求は悪いものではなく、良い側面を持っています。
しかし、文化や教育、学習により、弱まってしまいます。
これに関しては「うつの効用(著:泉谷閑示)でも社会化する中で"すべきこと"、"してはならないこと"を学習してしまい、"したいこと"、"したくないこと"を抑え込んでしまうと書いてありました。
欲求の特性として、それぞれの欲求に一致するものを得る必要があります。
また、その欲求が満たされてもモチベーションにはなりえないのです。
欲求を満たそうと努力しているときに能力が最大発揮されるも、結果的に怠惰や虚無感に陥ることもあります。

こういった負の側面がありますが人間は絶えず欲望が現れるため、永遠に満足状態にはなりづらいのです。

欲求と向き合うにあたって注意しなければならないことがあります。
それは前向きな欲求ではなく消極的な、不安を伴う欲求の方が強く表れるということです。

そして、欲求の満足には前提条件があり、それを満たせていないと欲求は満たされず脅威を感じてしまいます。
その前提条件は以下のようにあります。
・言論の自由
・他人に危害を加えない限りしたいことをする自由
・自己表現の自由
・情報収集する自由
・自己防衛の自由
・規律を守られること
これらは人間の生きる目的ともいえるものであり、前提条件が不安定になると生命の危機に直結してしまい、守ることにエネルギーを割いて、欲求満足を求めなくなってしまいます。

基本的欲求には五つの種類に分かれており、それぞれ以下のようにあります。
・生理的欲求
・安全の欲求
・所属と愛の欲求
・承認の欲求
・自己実現の欲求
この五つの欲求は必ずしも人間全てに当てはまるものではないが、人に共通する特質に最も近づくことができるものであります。
ようするに表面的な願望や目に見える行動よりも、人間に共通するものであります。

これらの欲求について詳しくは次回に行おうと思います。

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