見出し画像

社会人 大学院修士課程 教師を続けながら 大学院受験 履修スタート!

 大学院からテキストが届き、いよいよ科目履修がスタートした。文学専攻と言うことも有り、最初は志賀直哉の「城の崎にて」であった。日本文学の領域である。小説や論文を数点読破し、尾道市にある文学の館を訪ねて聞き取り調査も行った。資料集めや調査はいわゆるリサーチと呼ばれるもので研究をしている実感が沸いてくる。リポートを提出し、科目最終試験を受けた。およそ2週間後にはネット上で合否が知らされる。合格だ!幸先がいい。

画像2

(写真はジョージ・レイコフ。アメリカの認知言語学者。マーク・ジョンソンとの共著"Metaphors we live by"が世界のメタファー研究の礎となった。)

その後、英語学、英語教育、アメリカ文学の領域の科目をこなしつつも、修士論文の研究計画書を提出した。テーマは「through の多義記述に関する認知的アプローチ。」 指導教員は、その領域での重鎮。知らない者が居ないほどの人である。入学式後のオリエンテーションで「研究計画を綿密に立てて研究するように」との指導を頂いた。父親が急逝したことも有り、家族は動揺を隠し切れず、また母は時に狼狽したが、自分はとにかく2年間で修了して次のステップへと舵を取った。

画像3

地元の県立高校に勤務していたが、校長をはじめ、好奇心旺盛な先輩や同僚に恵まれたことも有り、履修は大変スムーズだった。通信教育の大学院でもっとも修士論文と並んで、大変で楽しくもあるのは、京都での夏期スクーリングである。京都タワー近くのカプセルホテルに滞在し、あらかじめ予約しておいた科目を10日間ほどかけて同期生や先生とテーブルを囲むのである。この年でまた大学生ができることにまずは感謝していた。4日キャンパスに通い、中休みが2日ほど。最初の数日は学業に腐心した。授業以外の時間は教員の研究室や大学図書館などでリサーチを行スクーリング科目はスムーズであったが、意外と手強かったのが「修士論文中間発表会」である。実はこの時まであまり準備をせず、向かったのであまりいい出来とは言えなかったが、参加してくれた同期生や教員の皆さんから質問やアドバイスを頂き、大変実りあるものとなった。

画像2

研究室で指導教員から具体的な話がされた。それは、時間をかけて緻密なデータを収集し、主張と論証を行うこと。先行研究については、敬意を示すことも大事だが、「こんなんじゃだめだ!!」という勢いで書くことを示唆された。いずれもその時の自分に足りていないことだった。相手は一流の言語学者。この2年間で全てを吸収する決意をその時、僕は誓ったのである。

よろしければサポートお願いします。