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相談に乗る時の禁句①

相談に乗る時の禁句は何か?言っちゃいけない言葉があるらしいんです。ボクも言っちゃてましたし、みなさんも言ってたかも。答えは相手をカテゴリーで括る言葉です。カテゴリーで括る言葉?

解説するために心理学者アブラハム・マズローが1960年に発表した研究を紹介します(Abraham H. Maslow and Diaz-Guerrero, R. Juvenile delinquency as a value disturbance, in Peatman, J., and Hartley, E. (eds.). Festschrift for Gardner Murphy. Harper, 1960)。

マズローはメキシコに住んだアメリカ人女性を調査しました。アメリカ人女性がメキシコに移り住むと楽しくなるそうです。ラテンの血が騒ぐメキシコ人男性は女性を見ると放っておかないそうです。見つめる、ほめちぎる、デートに誘う。

路上でも、お店でも、会社でも女性として熱く扱われるので、アメリカ人女性は自分を女性として強く意識するようになります。そして実際、女性らしく振る舞うようになったそうです。

「アメリカではこんな風に扱われたことはなかった…」。女性であることの喜びをメキシコで感じるようになります。

ところがしばらくすると何かに気づき冷めていくそうです。アレアレ?その驚愕の発見とは何なのか?以下の通りだったそうです。

①メキシコ人男性は全ての女性に優しい。特別扱いされているのは自分だけじゃない。メキシコ人男性は、老いも若きも女性なら誰でもチヤホヤする。

②デートに誘われて断っても、メキシコ人男性はヘラヘラしている。つまりショックを感じていない。アメリカ人男性はなかなか誘ってこないけど、意を決して誘ったのに断られたら落ち込む。

③メキシコ人男性は断られたら、サッサと次の女性にアタックする。

つまりメキシコ人男性が好きなのは「女性」であって、「私」ではないという発見です。

プレイボーイが好きなのは「女性」というカテゴリーであって、「あなたという個人」ではありません。つまり女性なら誰でもいいのです。

身体目当て、遊び目当てで近づいてくる男性に接するとき感じる違和感の正体はこれです。「この男は『女性』に価値を置いているけど、『私』には価値を見ない。むしろ『私』の価値が軽んじられている」。

さて、こんな研究が相談に乗る時の禁句に何の関係があるのか?続きは次回に解説します。

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