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相手目線か自分目線かテスト

場の空気を読んだり、人の顔色を読んだりするには高度な共感力が必要です。英語で言うところの「Put yourself in someone's shoes」です。文字通りに訳すと「自分の足を相手の靴に入れなさい」ですが、そうするに「相手の立場になって考えなさい」です。

というわけで、共感力を計れるテストをご紹介します。まず誰かと向かい合います。その状態で自分の額に「」の文字を書きます。これで終わりです。

こんな簡単なテストで何が計れるかというと、相手目線で考えることができるか、自分目線で考えてしまうかです(Daniel H. Pink, To Sell is Human: Surprising Truth About Moving Others, London: Penguin Books 2021 )。

みなさん「し」という文字をどっち向きに書きましたか?自分から見て「し」になるように書いたのか、それとも相手から見て「し」に見えるように書いたのか?例えば、ボクが自然に「し」を書いたら、自分から見て「し」に見えるように書きます。逆に相手がわかるように「し」を書くとしたら、逆に書かなきゃいけません。つまり鏡に映った時の「し」を書かないといけません。

相手目線の人は、自分が書く「し」が相手にどう見えるのか相手の視点を想像して「し」を書きますが、相手の立場を意識的に考えない自分目線の人は自分が書きやすい「し」を書きます。

もう1つやってみませんか?想像して見て下さい。花子が友だちとレストランに行きました。花子の彼氏の太郎が激賞していたお勧めのレストランです。ところが接客も味も最悪でした。花子は太郎にメールしました。「お薦めのレストラン、信じられないぐらい素晴らしかった。ありがとう」。

さて問題です。太郎はメールを読んでどう感じたでしょうか?嫌みや皮肉と感じたでしょうか?それとも文字通り受け止めて素直に喜んだでしょうか?

皮肉と受け止めたと想像した人は自分目線です。相手目線の人は「太郎は素直に喜んだ」と答えました。自分目線の人は花子と友達が嫌な経験をしたことを知っています。だから自分目線の人は太郎も皮肉と感じたに違いないと想像します。相手目線の人は「太郎は花子の経験を知らない。だから素直に喜ぶだろう」と想像します。

ちなみに自分に自信のある人ほど自分目線になりました。実験では自分に自信のある人と自信がない人に分けて答えてもらいました。自信のある人は「太郎は皮肉と感じた」と答えました。自分に自信のない人は「太郎は素直に喜んだ」と答えました。

自分に自信のある人は自分目線で見がちなので、どうしても上から目線になる傾向があるようです。共感力は謙虚さから生まれるようです。

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