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わくわくが止まらない。雑誌創刊、準備開始。

深呼吸学部の皆様へ


1.世紀末からはじめる。


 YAMI大学・深呼吸学部は、17回目の講義を終了しました。
 コロナが支配した地球環境の中で、Zoomでのオンライン教育とコミュニケーションの実験は、橘川としては、満足しています。そして、いよいよ、2021年の展望が見えてきました。

 2020年は、人類にとって世紀末でした。それは18世紀・19世紀からはじまった、近代という時代の世紀末です。いよいよ、新しい時代がはじまります。わくわくがとまりません。

 先日、僕のメディアの胎内ともいうべき、子ども調査研究所の事務をずっとやっていた富岡千恵子さんと、久しぶりにお話ししました。彼女は、84歳。故・高山英男所長のサポートをしてきた人です。もともとものすごい読書家で懐の広い人で、僕が20代の頃から、何かあるといつも話し相手になってくれていた人です。

 彼女は、会うやいなや開口一番「橘川くん、いまは、本が発明された時代と同じ衝撃の時代よね」といった。彼女は、メールもSNSもやってはいない。その彼女の口から、この認識が発せられたので、驚いた。そして「橘川くんが、ずっとやってきたことが正しかったのね」と言われて、涙でそうになった。

 まあ、それはいい(笑)。2021年の向けて、行動を開始します。僕は、1950年生まれで、2000年になった時に、自分の人生に区切りをつけて、生前葬を行いました。若い連中を集めて、それまで考えてきたこと思ったことを数日かけて話し、すっきりしました。

 ところで、生前葬やってから、いろいろ新しいことをはじめたりして、参加者からは「生前葬は詐欺でねぇ?」とも言われましたが、どうにも止まらない。そして、70歳になって、ようやく分かった。50歳で最初の人生は完結して、そこから第二の人生がはじまったことを。そうすると、50代は、幼児期。好奇心のまま、いろんな体験を重ねた。60代は、第2の思春期で、新しい自我に目覚める。そして、70歳。うん? これは第二の成人式ではないか(笑)。

 2020年、コロナ状況で20歳を迎えた橘川が次にやることは分かっている。あの時と同じように、「ロッキング・オン」の創刊に向かうのである。

 しかも、あの時代と違って、ロックは、自分の外側から突き動かすものではない。たっぷりと、自分の内部に渦巻いている。すでに創刊に向けて、多くの新しい仲間たちの出会いも、果たしている。

 ということで、深呼吸学部は、新しいステージを進みます。


2.メッセージ

 1972年創刊のロッキングオンは、1970年から71年ぐらいに、渋谷陽一、岩谷宏、松村雄策、橘川幸夫たちの、まったくバラバラの他人が出会ったことから始まった。共通することは、ロック音楽が好きで、ロックの可能性を感じていた、ということだけである。

 僕は、ロックというものを音楽史の単なる一ジャンルとしてではなく、時代の大きな変換期において、叫ばずにはいられない衝動に心が震えていた。技術や音楽性を評論したり、アイドルとして追いかけるだけのものではなく、彼らの叫びを、自分の内面のものとし、内面を探るための雑誌が必要だと思った。岩谷宏の言葉を借りれば、「HELP!」という切実な叫びは、彼らのものだけではなく、世界に、それを他人事としてではなく受け止めた者たちが無数にいたのであり、その一人として、僕も叫びたかった。

 そして、2020年。世界は、新たな叫びを発している。それは、コロナウイルスという異物が具現化したが、それ以前に、僕たちの社会や歴史のゆがみから発生している叫びである。

 あれから50年。人類がほんのすこしでも成長していたとしたら、叫びは、ただ、音楽の上では収まらないだろう。地域にも、家庭にも、企業にも、学校にも、生産地にも、街にも、メディアにも、人間関係にも、あらゆるところで、「現実はおかしい、納得出来る未来を創ろう!」という叫びが聞こえてくる。そして、叫びを、具体的方法で提示しようとしている人たちの顔がうっすらと見えてきている。

 新しい雑誌は、叫びに耳をそばたせながら、未来の可能性を探る雑誌です。
 あなたの叫びを聞かせて欲しい。

3.運営体制

 雑誌の名前はまだない。とりあえずプロジェクト名は「キツ」としておこう。

(1)編集体制

 編集部は、深呼吸学部の受講生になる。この受講生たちは、コロナ状況の中で、Zoomを介して出会った火たちが大半だ。僕にとって、Zoom状況は、1970年の新宿や神保町(カルチェラタン)の空気そのものであった。あちこちから、新しい時代の気配を感じて、町に人が出てきた。神保町のウニタ書舗は、全国のミニコミ誌が集まっていて、そこで買った「リボルーション」というロックのミニコミ誌の読者投稿コーナーに、渋谷陽一と岩谷宏が並んで掲載されて、それを読んだ僕も投稿をした。それが機会で、渋谷がバイトのDJやっていた新宿のソウルーイートというロック喫茶て、僕は渋谷と初対面した。そこからロッキングオンがスタートするのである。

「Zoom環境という街」で出会った人たちと、新しい現実を創っていきたい。古くからの友人たちは、僕の個人的なサポートや、アドバイスをもらいたい。

 受講生の中から、とりあえず、平野友康くんを、編集長に指名した。対外的には編集長だが、実務的には、受講生たちの可能性と成長を促す「旅芸人一座の座長」である。橘川は、「座付き作家」である。

 ということで、この雑誌は、表向きは普通のマガジンであるが、内実は人が育つための学校である。生徒募集中。

(2)編集方針

 1970年に、僕たちがロッキングオンの創刊準備をはじめたのは、全世界の若い世代の中から発せられたシャウトに、魂を揺さぶられたからである。同質のシャウトを、僕たちは言葉で呼応していたつもりだ。2020年、あらゆる領域から、新しい時代への渇望のシャウトが聞こえる。それを受け取り、呼応し、つなげていきたいと思う。

 雑誌とは本来、状況の新しい芽吹きを感知し、いち早く伝えていくものである。しかし、インターネットの普及により、編集者の感知力よりも、無数の素人たちの集合知の感知力の方が圧倒的に優れ、既存のメディアの編集者やディレクターは、インターネットに掲載された情報を後追いするものばかりになった。何よりも、新しい芽吹きの当事者がインターネットによって情報の発信が出来るようになったので、代理人として編集者の意味は、どんどん薄れた。スクープ報道と言われているものも、多くは、取材対象と敵対する勢力や、恨みを持つ者からの内部告発によるものであり、密告者と出版社の利益が一致することによってのみ成立する、バーター取引だと思う。

 こうした状況の中で、インターネット上にも、露出していない情報をキャッチするのはどうすればよいのか。それは、あらゆるシーンにおいて、新しい時代を模索している人間とのリアルな関係性の中でしか発見できないし、そうしたセンサー的な人間とのネットワークの中でしか成立しない。まだ露出していない情報、氷山の一角しか露出していない、未来を形づくる動きを察知して、とりあげていきたい。

 一番の情報の宝庫は、一人ひとりの心の奥にある、未来への希望と意思である。僕たちは、取材しつつ、呼応していく。

(3)構成案

続く。

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