21世紀の日本型カイゼン運動に向けて(序章)



(1)日本型カイゼン運動

 日本が敗戦の荒野の中から豊かな社会を実現したのは、さまざまな要素がありますが、なによりも、企業組織の中で、ひとりひとりが会社全体の発展を願って努力したことの成果だと思います。それはシンポリックにはトヨタ自動車が推進した「カイゼン運動」になります。

 現場の人間が、工程管理や機械の機能まで、日々カイゼンの提案を行い、生産効率を高めたというものです。20年ぐらい前に、トヨタに納品している、ある大手企業の工場をトヨタの役員が見学に訪問したあとに「君の会社の工作機械は、中古になったら売れるからなよいなあ。うちの機械なんて、カイゼンカイゼンで最初の姿の影も形もなくなったから、中古に出しても、他の企業では扱えないものになっている」と言われたと、納品企業の役員が言っていたことを思い出します。

 それが何故、可能だったのか。そして、今は、なぜ機能しなくなったのか。
 その答えは、早急に出すべきではないと思いますが、仮説として提示したいと思います。

ここから先は

715字

橘川幸夫の深呼吸学部の定期購読者の皆様へ こちらの購読者は、いつでも『イコール』の活動に参加出来ます。 参加したい方は、以下、イコール編集部までご連絡ください。 イコール編集部 <info@equal-mag.jp>

橘川幸夫の深呼吸学部

¥1,000 / 月 初月無料

橘川幸夫の活動報告、思考報告などを行います。 ★since 2016/04 2024年度から、こちらが『イコール』拡大編集部になります。…

参加型社会を模索するための、企業・法人・個人会員向けの情報を提供します。

参加型社会学会

¥1,000 / 月 初月無料

参加型社会を目指す人のための情報共有の場です。

参加型メディア開発一筋の橘川幸夫と未来について語り合いましょう。

『イコール』大人倶楽部 『イコール』を使って、新しい社会の仕組みやビジネスモデルを考えたい人の集まりです。『イコール』の刊行をご支援して…

橘川幸夫の無料・毎日配信メルマガやってます。https://note.com/metakit/n/n2678a57161c4