21世紀の日本型カイゼン運動に向けて(序章)
(1)日本型カイゼン運動
日本が敗戦の荒野の中から豊かな社会を実現したのは、さまざまな要素がありますが、なによりも、企業組織の中で、ひとりひとりが会社全体の発展を願って努力したことの成果だと思います。それはシンポリックにはトヨタ自動車が推進した「カイゼン運動」になります。
現場の人間が、工程管理や機械の機能まで、日々カイゼンの提案を行い、生産効率を高めたというものです。20年ぐらい前に、トヨタに納品している、ある大手企業の工場をトヨタの役員が見学に訪問したあとに「君の会社の工作機械は、中古になったら売れるからなよいなあ。うちの機械なんて、カイゼンカイゼンで最初の姿の影も形もなくなったから、中古に出しても、他の企業では扱えないものになっている」と言われたと、納品企業の役員が言っていたことを思い出します。
それが何故、可能だったのか。そして、今は、なぜ機能しなくなったのか。
その答えは、早急に出すべきではないと思いますが、仮説として提示したいと思います。
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