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蜃気楼大学が何をしたか?        2023年02月18日

蜃気楼大学が何をしたか?
2023年02月18日

1.コロナ襲来

 2019年の冬に世界的なコロナ・パンデミックがはじまり、翌年から日本も本格的なコロナ・ロックダウン状況に入りました。私は長年、参加型メディアの開発を進め、来るべき参加型社会を夢想しておりました。しかし、新しい社会を実現するためには、旧来の錆びついて身動き出来ない古い社会構造を乗り越えていかなければなりません。そして、この古い構造がなんとも頑固に存在していて、多くの人はそれを変える気がないように思えました。

 私の生きている間には参加型社会が一端でも見ることは出来ないな、と諦めていました。次世代以降の人たちに期待するしかないと思っていました。

 しかしコロナ状況が、古い社会構造を強制的に遮断しました。私は、世間様には申し訳ないが、チャンス到来と感じました。社会構造が遮断されている間に、未来のコミュニケーション、未来の教育が出来るのではないかと思いました。それまで続けていた私塾を、「深呼吸学部」と名称を変えて、Zoom主体の講義に変えました。古い友人である田口ランディから紹介された田原真人、同じく古い友人である浅田一憲から紹介された平野友康の二人を軸にメンバーを集め、毎週土曜日、4時間から5時間をかけて100回の講義を行いました。それはそれは密度の濃いい関係性をつなげてきました。

 そこから、いくつものプロジェクトがスタートしています。

「蜃気楼大学をやろう」と声をかけたのは、実施日の三ヶ月前でした。客観的にみら、三ヶ月で出来る企画ではありません。しかし、テーマの実現を先行させて走り出しました。

 今回の「蜃気楼大学」は三ヶ月という期間で、30の素晴らしい講義とオンライン含めて200人の受講者を集めて実現出来たのは、八王子大学セミナーハウスという素晴らしい施設に出会えたこと、「俺の遺産を相続しろ」と言ってきた田原真人の暴走エネルギー、そして、なによりも、中心的スタッフとして活動してくれた深呼吸学部の塾生の関係性の深さによるものだと思っています。

 来年は2月4日に予定しています。その日は橘川の誕生日なので、「参加型社会の日」と認定して、私がいなくなっても、なんとなく気配の残る参加型のお祭りになってくれたら嬉しいと思います。八王子大学セミナーを全館、借り切ったらいくらなんですか、と事務局の人に聞いたら「そんなこと言う人はこれまでなかったので計算してない」と言われました。借りましょう(笑)

2.蜃気楼大学。開会のご挨拶。 

 20年前の2003年、平凡社から、暇つぶしの時代という本を書きました。
サブタイトルは、さよなら競争社会。その本で、モノづくりの時代からコト作りの時代へ、という言葉を使てました。

 近代とは、生産量と市場占有率の争いだったから、苛烈な競争社会になった。しかし、教育と医療だけは、競争原理によるビジネスにしては、いけないと思う。人の心と身体は、それぞれの人、固有のものだから、量の争いには似合わないと思うからである。

 にもかかわらず、教育と医療は、ビッグビジネスである。私は、近代を超えていく道は、教育と医療の領域を近代ビジネスとは違う方法を見つけていくことではないかとおもう。

 本日お集まりいただいた皆様は、それぞれ独自の思いと方法で未来を模索している人たちだと思います。ビジネス原理とは違う思いで集まっていただいたと思っています。

 直感と好奇心だけで、身体を動かしてくださいました皆様に、感謝と尊敬をします。本日からはじまる流れが、バラバラだけど、近代を超える新しく、良い社会を目指すものだと思っています。

 本日は、素人の手作業による運営ですので、ご不便、ご迷惑をおかけすると思いますが、よろしくお願いします。

3.蜃気楼大学・終わりました。

 蜃気楼大学に参加していただきありがとうございました。おかげさまで、美しいカオスが誕生しました^_^。当日は、たくさんの良く知らない若い人と企画の打ち合わせをしました。やりましょう。ここからの流れを作るので、よろしく。

 80年代に客分みたいな感じで付き合っていた元UPUの人が3人、元ニフティの細川くんとか、懐かしい再会もありました。また仕掛けるので、よろしく。関西からも何人も来てくれた。こういう集まりにわざわざ来てくれる人は信じられる^_^。

 出会いと再会がよきイベントの肝。

 橘川は、夜帰りましたが、宿泊組はまたもりあがったことでしょう。
終わりの挨拶で言いましたが、コロナの時は、隙あればたくさんの人と、zoomで時間を同期させました。次は、時間と空間の同期です。

 火曜日は、博多で、しらすし会、水曜日は、やす本やのイベントと、夜は、アクロス福岡で、イベントです。九州方面の、良く知らない人、会いましょう。

4.そして、蜃気楼専門学校

 蜃気楼大学は、ハレのお祭りです。それに対して、蜃気楼専門学校は、ケの日常です。

 宿泊型の教育の可能性については、以前から思っていましたが、今回の蜃気楼大学で確信しました。2年も4年も大学や専門学校に高いお金払って、企業へのパスポートを買うよりも、短期に学びたいことだけを集中的に学んだ方がよいと思う。その方法は、教える側と学ぶ側の交流も深まるし、学び合う人たちの関係性も深まる。

 深呼吸学部をやって私は確信を深めました。「学校」という空間の役割は、豊かなクラスメートを創ることだと。学習は個人でも出来るが、関係は、時間と空間の共有の中でしか育たない。

 深呼吸専門学校は、さまざまな講師がさまざまなテーマと手法で独自のカリキュラムを組みます。やがて、そこの修了生が、蜃気楼大学で講義を担当することもあります。

 学ぶことの楽しさと、つながることの豊かさを、多くの人が感じとってもらうことが、参加型社会の本当のスタートラインになると思います。

 今後とも、よろしくお願いします。


▼蜃気楼専門学校のご案内


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