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イコール「書評の書店」

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深呼吸書店は雑誌「イコール」の書評頁と連動しています。編集部に参加した人たちは自分で読んだ本の書評をアーカイブしてください。
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#橘川幸夫

イコール「書評の書店」使い方ガイド

Noteに書評のマガジンを作りました。 書評を書いている、書きたい人は「書評の書店に登録希望」とイコール編集部 equal-info@demeken.netまで連絡ください。その際にあなたのNoteアカウントを教えてください。登録されると、確認のメールが届きますので、許諾をしてください。 なお、登録は、当面、深呼吸学部関係者に限定させていただきます。 書評の登録の進め方は以下です。 1.まず、自分のNoteアカウントが必要です。 2.自分のNote頁で書評を書いてください

『イコール』創刊0号の支援者の皆様へ。リターンを追加します。

『イコール』創刊0号の支援者の皆様へ 12月20日に『イコール』創刊0号の版下データを無事、入稿しました。 当初、雑誌の定価が未定でしたので、クラファンの支援のリターンは雑誌1冊を送料、税込み含みで2000円を想定して設計しましたが、市販の定価は1200円(+税120円)となりました。 ということで、書店やAmazonで購入するより支援してくれた方の負担が大きいので、いろいろ考えたのですが、橘川は今回の『イコール』創刊の準備をしながら「21世紀雑誌の構造」をずっと追求して

イコール創刊宣言ver.1

メディア情報誌「イコール」を創刊したい。クラファン実施中。

「起業の天才!―江副浩正」Zoom読書会 ISBN-13 : 978-4492062166

 巷で話題の「起業の天才!―江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男大西 康之・著」のZoom読書会を行いました。2021年02月11日。  当日は、深呼吸学部の学生を中心に、著者の大西康之さん、編集者の加藤晴之さんも参加していただきました。  更に、元リクルートで「ガテン」や「アントレ」などの創刊編集長だった、大野誠一さんや、「江副浩正」(日経BP社 2017年)の著者である土屋洋さんなど、江副さん本人を知る人たちも参加していただき、大変豪華な読書会となりました。 ●

「真に」子どもにやさしい国を目指して。塩崎恭久(元厚生労働大臣)著。ISBN-13 : 978-4905239581

「真に」子どもにやさしい国を目指して。 「真に」子どもにやさしい国をめざして---児童福祉法等改正をめぐる実記 著者は、元厚生労働大臣の塩崎恭久さんです。  私は塩崎さんに頼まれて編集作業チームを組んだだけで、実作業は担っていませんが、著者とスタッフは、大変な苦労と時間をかけて完成しました。  私は、塩崎さんから、児童福祉法や児童養護施設の現状をお聞きして衝撃を受けました。現在の児童施設は、敗戦後の混乱の中で戦争孤児を引き受けるために設置されました。それは世界各国も同じ

書評「まっ直ぐに本を売る」(石橋毅史・著) ISBN-13 : 978-4908087042

 石橋毅史くんから、「ロッキング・オンの時代」を読んだという手紙と、彼が今年出した「まっ直ぐに本を売る」(苦楽社)が送られてきた。「トランスビュー」という、直販で運営してきた、小さな出版社についての本である。トランスビューの社内の風景が、遠隔カメラで中継されても分からないだろうくらいに、細かく確かに描写されている。いつもの石橋くんの取材記事だ。  「本を出したい」という人は増えてこそすれ減ってはいないだろう。「本を売りたい」という人も増えてこそすれ減ってはいないだろう。印刷

書評●石塚 しのぶ (著)アメリカで「小さいのに偉大だ! 」といわれる企業の、シンプルで強い戦略 ISBN-13 : 978-4569830100

アメリカで「小さいのに偉大だ! 」といわれる企業の、シンプルで強い戦略 単行本(ソフトカバー) 2016/4/8 石塚 しのぶ (著) PHP研究所(発行)  昨年末、尾原和啓くん(橘川の孫弟子w)の忘年会に呼ばれて紹介された石塚しのぶさんと、新年に目黒の喫茶店で情報交換。著作をいただいた。石塚さんは、1980年の初期からアメリカを拠点にアメリカの企業動向を調査し、日本の企業の向けにコンサルする仕事をしてきた。ザッポスという10年間で1000億円の売上を実現した靴のネット

書評・明治商売往来 ISBN-13 : 978-4480088055

 先日、神保町のランチョンで菊地くんたちとランチをする前に、古本屋を覗いてみた。神田の古本屋街は古本を探しに高校生の頃からよく行った。生まれ故郷の四谷から都電11番で市ヶ谷抜けて神保町はすぐだった。高校生の時に天ぷら屋の「いもや」が出来た。中学・高校生の頃は、「人生劇場」「あいうえお」といったパチンコ屋にもよく行った。すずらん通りにあった「ポニー」もよく玉の出る店で有名だった。昔の東京の下町家族は、パチンコや、花札などのギャンブルが好きだった。家で、よく親戚が集まって花札大会

書評「経営者」(永野健二・著 新潮社・刊) ISBN-13 : 978-4103505228

1.批評の復権  永野健二さんから新刊「経営者」を送っていただいた。永野さんが「日経ビジネス」の編集長時代に知り合い、本誌に連載させていただいたこともある。永野門下の日経の編集者たちとも親しく交流させていただいている。僕とほぼ同じ年代の団塊世代であるが、永野さんは日本の政治・経済のど真ん中を生きたのに対し、僕は、草の根のサブカル領域やソーシャル領域で動いてきたので、共通の体験はあまりない。しかし、なぜか、お会いすると心に通じるものがあり、それは何なのだろうかな、と思っていた

人生の勝率の高め方/土井英司・著/KADOKAWA ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4480088055

1.出版とは何か 出版ってなんだろう、と思う。特に、複製技術が急速に発展した近代以後の出版ってなんだろうと思う。簡単にまとめると「時代の共通体験を個人が凝縮した言葉にまとめたもの」と思ってみる。明治の近代文学は、それまでの農業を基盤とした封建社会から、明治維新による工業を基盤とした近代国家に社会の根本が変化したという時代の共通体験を、繊細な作家たちが言葉にまとめたものだろう。夏目漱石をはじめとして私が好きだった近代作家は、一様に近代をただ賛美したのではなく、近代に圧迫されてい

書評・堕ちたバンカー/児玉博 ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4093887625

堕ちたバンカー/児玉博  目が悪くなって、もともと、遅読な私だが、児玉さんから新刊が届いたので、寝る前に読み始めたら、面白い。報道と言うより、これは人間を描いた文学だな。児玉さんは、かつて、取材者に対しては容赦ないことで知られる堤清二のインタビューで、堤さんのガードを破り、涙ながらに父・堤康次郎への想いを語らせ、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した。取材対象者と、仕事の後でも、個人的な関係を結べる、稀有なジャーナリストである。もちろん、筆致は容赦ないので、敵対関係になること

京大的文化事典(自由とカオスの生態系)杉本恭子・著 フィルムアート社・刊 ISBN-13 : 978-4845918232

京大的文化事典(自由とカオスの生態系) 1.伝説の人と京大西部講堂 僕は東京新宿で生まれて育ち、大学入学は1968年なので、まさに大学キャンパスは激動の時代であった。激動の時代というのは、学生ひとりひとりが魂を揺さぶられ、その無名の学生の中から話題を集める、「ここだけ」のスターが生まれ、伝説の空間が生まれた。  関西の方はまるで縁がなかったので、時代のリアリティは薄いが、それでも京都大学の吉田寮、熊野寮、西部講堂の名前は東京にも伝えられてきた。  京都府学連の委員長だっ