書評・堕ちたバンカー/児玉博 ISBN-13 : 978-4093887625
堕ちたバンカー/児玉博
目が悪くなって、もともと、遅読な私だが、児玉さんから新刊が届いたので、寝る前に読み始めたら、面白い。報道と言うより、これは人間を描いた文学だな。児玉さんは、かつて、取材者に対しては容赦ないことで知られる堤清二のインタビューで、堤さんのガードを破り、涙ながらに父・堤康次郎への想いを語らせ、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した。取材対象者と、仕事の後でも、個人的な関係を結べる、稀有なジャーナリストである。もちろん、筆致は容赦ないので、敵対関係になること