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探し物とは、思いがけない場所から出てくる

こんな所に、という場所から探し物が出てくることがある。

昨日から娘は夏休み。早速夏休みの宿題が入っていたA4ファイルがなくなった。本人に聞いてもどこにやったか思い出せず、昨日まではここにあったという場所にないのだ。娘の部屋からリビングまでありそうな場所は隈なく探した。しかし、ない。

でも私は心得ている。慌てることはない。探し物というのは、思いがけない場所から出てくるものである。
家族総出で探した結果、カーペットの下からそれは出てきた。

そういえば、私が大学生の頃。友人A子宅でその日も酒を飲んでへべれけになり、なぜかその勢いで(なんの勢い)A子の財布を隠したことがある。

翌朝、私は財布を隠したことをすっかり忘れて帰路に着いた。この日A子は大事な就職試験を控えており、準備をしている時に財布がないことに気づいた。昨夜自宅で財布を見た記憶があったA子は、外出先で落とした可能性は低いと判断し、まだA子宅に残っていた友人Bと慌てて家中を探した。しかし、ない。
Bは言った。「これだけ探したのに出てこないってことは、めちこの仕業じゃないか。そうに違いない」「いや、さすがにめちこでもそこまでアホなことは絶対にしない」A子はBに食ってかかった。結局Bからお金を借り、A子は試験会場に向かったのである。

で、数日後。A子はいつもより早く生理が来て、サニタリーボックスを開けた。するとびっくり。中から自分の財布が出てきたのである。A子は思った。やっぱりBの言う通りだったか。

後日談として私はこの話をA子とBから聞かされ、うな垂れ、平謝りするのだが、これがほんとに隠した記憶がまったくないからびっくり。いや、犯人は100%私なんですが。記憶ないの私だけなんで。
A子はこんな私という人間と、未だ友だちをやってくれている広い心の持ち主なのだ。
で、つくづく思った。
酒は飲んでも飲まれてはいけない。
持つべきものは、いついかなるときも私を信じ続けてくれる友。
そして、探し物というのは、思いがけない場所から出てくるものである。

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