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誰か私を叱ってください

息子の大事なところが腫れてしまった。
「かゆいし、いたいし、気になる」と言い出したのでかかりつけの小児科へ行ったら亀頭包皮炎だった。

いつも気さくに話しかけてくれる看護師さん(女性)と「私たちにはわからない苦しみだよね。へへへ」なんてちょっと笑ったのが悪かった。別に馬鹿にしたわけじゃなくてね、自分の身体でさえわからない部分がたくさんあるのに、なんと言っても自分の身体にないものだから。未知に遭遇したときの自然発生的な笑いだったのだけれども。へへへがいけなかった。もっと真剣な面持ちで言わねばならなかった。
それを聞いていた医師(男性)から、「お母さん、甘くみてはいけません!将来精管がうんぬんかんぬん」こっ酷く叱られた。首を垂れて「はい」としか言えない状態がしばし続いた。隣の看護師さんを盗み見ると、私とまったく同じ姿勢で立っていてちょっと笑いそうになり必死に堪えて無事診察を終えた。

その後スーパーへ行ったら、野菜売り場でふとミョウガが目に入った。
一応書く前に謝っておきますが、いつも以上にしようもない内容で大変かたじけないのですが。
ミョウガね、なんかこう、腫れた息子の状態に酷似しておりまして。いや酷似は言いすぎか。「あ、これは」と思ったというただそれだけの話なんですが。こんなことを考えているから年齢的には立派な大人なのに、怒られるのだなと思ったという話なんですが。いい加減節度ある大人になりたいと切望しながらも、私はこうも思ったのです。

ミョウガを見ただけで「あ、これは」と新たな発見をしたような気持ちになれるなんて、こんな幸せなことはあるだろうか。全然反省していないけれど、こんなに平和なことはないとも思う。

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