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10年めを目前にして、やっぱりエンジニアとして生きていこうと思った

エンジニアと人生 #1 Advent Calendar 2023 15日めの記事です。

3年前、占い師になろうとした


「占い師になります」

今からちょうど3年前。そう言って会社を辞めました。ITエンジニアとしては6年めを終える頃でした。ふりかえるとエンジニアの仕事がしんどかったんだと思います。

会社員時代は、キャリア面談などで「美大を卒業してます。同じものづくりであるエンジニアの仕事は楽しいです。」なんてことをよく話していました。「エンジニアノ仕事ハ楽シイ」「エンジニアノ仕事ハ楽シイ」と、口では繰り返し言ってましたが、本心では楽しめなくなってたんですね。

もっとも大きな理由として思い当たるのは、残業です。開発スケジュールを厳守することへの強いプレッシャーがありました。(自社開発のサービスでも感じていました)新しい技術にチャレンジすることにも、恐怖心を抱いていました。チャレンジした結果、スケジュールに遅れてしまうのが怖かったのです。

同じチームなのに、ディレクターやデザイナーの女性の先輩たちがさっさと退勤していく後ろ姿を見て、羨ましかった記憶があります。「あーあ、エンジニアになんかならなきゃよかった」そんなふうに思ったことも、正直あります。

いま思えば、単に働き方の問題なのですが、それが見えなくなっていました。自分の視野が狭かったんだと思います。心にも余裕がなかった。

その結果疲れちゃって、勝手にエンジニアの仕事に懲りて、占いとかそっち方面に逃げようと思ったのかもしれません。プロの占い師さんにとっては失礼な話です。占いで自分自身が癒されたかったのかもしれない。とにかく、なんかもう救いを求めていたのかもしれません。

会社を辞めた後は、フリーランスエンジニアとしてご飯代を稼ぐかたわら、現役占い師さんの元で占いの勉強をしました。対人で占いの練習もしました。

占いの利用者には、悩み事を、それもかなり込み入った重いものをお持ちの方も多いです。そして気づいたのですが「ITエンジニアしかやってこなかったわたしに何が言えるんだろう」と思うと、何の言葉もかけられないんですよね。元気付けたいけど、薄っぺらい言葉しかかけてあげられない。そして共感しすぎると他人の負の感情に引っ張られてしまいそうで。

結局、いまの自分には全く向いてませんでした。もっと人生に深みを得た年齢になったらまたチャレンジして、占いおばあとしてデビュー目指します。

結局のところのエンジニア

「占い師になります退職」をしてから、3年が経ちました。

いまはね、エンジニアがめっちゃ楽しいです

新しい技術やツールを触ることがぜんぜん怖くなくなりました。仕事で新しいことを取り入れることにはすごく前向きで「やったろかい」って感じで取り組めます。個人開発や発信も最近はめちゃくちゃ楽しいです。

どうしてエンジニアがまた楽しくなったのか

ふりかえると、ひとつめは働き方でした。これは楽しくなったと言うより、辛くなくなった理由です。フリーランスになって以降、週5日働くのをやめました。仕事の契約では、1ヶ月間の稼働上限時間を設定してもらっています。そしてフルリモートです。仕事中は、だいたいいつも隣に犬がいます(よく寝ています)。

ふたつめは、一緒に働く人。何よりこの人の存在が大きかったように思います。わたしが一緒に働いたことのあるエンジニアの中で「この人は間違いなくスーパーエンジニアだ」と思える人なんですが、仕事はつねに効率がよく、同時にいくつものプロジェクトを動かして、全て成功に導く。困っているメンバーには惜しみなくアドバイスを与える。なのに驕らず、誰かの失敗を責めないし怒らない。そして、何より「楽しんで開発すること」を推奨している。フリーランスになってからその人と働けるようになって、新しいことを学ぶための十分な時間を与えられるようになりました。

余談ですが、最近話題の牛尾剛さんの「世界一流エンジニアの思考法」を読んでみて、その内容が前述したエンジニアの方の思考そのもので驚きました。思わず、本人に「マイクロソフトで働いてました?」と聞いてしまうほど。優秀なエンジニアの思考は、ある程度最適化されて、似てくるものなのでしょうか。なんか不思議でした。

会社員時代は、ほとんどiOSエンジニアしかやってきませんでした。使う言語はほとんど Swift か Objective-C。自分にはそれしかできないし、やりたくないと思っていたんです。でも、フリーランスになって3年間、さらに5つの言語でサービスを作れるようになりました。あの頃怖がっていた自分の姿を思うと、大きな進歩でした。学んで・身につけて・アウトプットする。それが自分にできるという成功体験を得られたんだと思います。そしてこの経験を経て、これからもエンジニアとして生きていく自信と希望を持つことができました。

今やりたいこと

コンピューターサイエンスの学位がほしいです。わたしは文系エンジニア(というかもはや大学では好きな映画観て好きなもの作っていただけ)なので、エンジニアとして生きていくには足りないと思っているものがいくつもあります。それをきちんと学びたい。また、学生時代に留学をしていたのですが、そのときの英語力を取り戻したいので、理想は海外大学のオンラインで学べたらと思いつつ、少しずつ調べています。来年から、具体的な行動に移したい!


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