【現代表記】福沢諭吉「西洋事情」(1787年議定せる合衆国の律例 第3条 第2類)

底本には小泉信三監修『福澤諭吉全集』第一巻(再版)所収の「西洋事情󠄁」を使用した。


第二類

裁判局の権の達する所は左の件々なり。

此律令に定めたる規則、其他合衆国の諸法を論駁し、又外国の条約に関わることを審判す。

外国へ遣差する使節「ミニストル」「コンシュル」に関わることを審判す。

海軍の法則に関わることを審判す。

各州の間に起る争論、一州中の人々の間に起る争論、及び州人と外国人との間に起る争論を審判す。

外国へ遣差する使節「ミニストル」「コンシュル」に関係せる事、並に一州、党を結て起たる争は、上局にて其裁判の主役を司るべし。其他の裁判は議事院の規則に従い、上局は立合と為て越訴を聴くべし。
”訴訟する者、先ず下局の裁判を受けて、次に心服せざるときは、等を越て上局に訴うべし。之を越訴と云う。”

罪人を裁判するは其罪を犯したる土地に於てすべし。外国にて罪を犯したる者は議事院にて法に従い其裁判の場処を定むべし。


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