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疾患名に囚われず患者さんを「診よう」!

その症状は、どんな原因で生じているのでしょうか?

「症状があること(有症状)」というのは、患者さんや利用者さん 選手等の我々が診る相手(※注 以下、「患者さん」と総称する。)の「問題として捉えられる情報」の内、ほんのわずかな一部分でしかありません。
つまり、「症状」は私たちが治療にあたる上で必要な情報の氷山の一角にしか過ぎないのです。

そのため、「その症状に関わるバックグラウンドの情報を得ることは、根源の治療に繋がることである」という事を念頭に置いて対応する事が肝要です。

「疾患名」という思い込みで診察、評価、治療をしていませんか?

病態診断を疾患名だけで行っていませんか?
「『〇〇〇症』は、△△△の症状があるのだから、評価と治療は□□□を行いましょう。」と…


ちょっと待ってください!!
目の前にいる患者さんは、教科書と全く同じような症状でしょうか?

疾患名を聞き、病態評価を予測して治療の準備を行うことはとても大切なことです。
しかし、それだけで全てを決めつけてしまっていませんか?
身体機能は一人一人で違います。

まずは、患者さんとしっかりとコミュニケーションを取りながら動きを見て機能診断をしてみてください。


病態評価から得られるものはどんな情報でしょうか?

患者さんを「対面する前」に、疾患名から予測と評価の準備が出来ますよね。
・疾患名から予想できる症状
・どんな検査や評価をすべきか 等々

でも、まだ直接患者さんと対面していない内に、全ては評価できるわけではありません。
ここで患者さんの症状を予測から決めつけてしまうことはとても危険です!!

機能評価から得られるものはどんな情報でしょうか?

患者さんと初めて「対面する」時に、患者さんは歩いて来られますか?
それとも座って待たれているでしょうか?

対面した瞬間から、患者さんの病態や機能評価を得るための観察が始まります。

例えば、
「どのような服を着ているか?」
身なりから性格を把握する情報として、コミュニケーションの取り方に役立てることが出来ます。

「どのような靴を履いているか?」
靴のへたり具合やすり減り方は、運動や身体の使い方の癖や性格が表れると思っています。

「どんな姿勢か?」
姿勢が症状に影響しているものを予測していきます。

「筋肉の付き方、プロポーションはどうか?」
使いやすい筋肉の発達や運動パターン、使いづらい筋肉の萎縮や運動パターンなどを見ていきます。

他にも、患者さんは動かずとも多くの情報を無意識に発信してくれています。
私たちはそれをちゃんとキャッチしなければなりません。


次に、患者さんとしっかり「コミュニケーション」を取り、患者さんの訴えを引き出してください。

答えを目の前にいらっしゃる患者さんが持っています。
決して病態評価だけに捉われないでください。

臨床を楽しむためのエッセンス Vol.02へ続く

(野々山 真樹)


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