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ワクワク臨床の第一歩 Vol.1

臨床の場で、患者さんや選手を診察するのは「とにかく、楽しい。」
「なぜ楽しいのか」を考えてみた。

40年以上も整形外科医をしてきて、数えきれないくらいの患者さんを診てきて、いまだに人間の不思議に出くわす。


臨床の場では、悩みを持った人が訪れる。

我々はその悩みの原因を探り、それを解決するための方法を見つけ、様々な方法・手段で悩みの解決をサポートする。

悩みを解決してあげるのではない。

「悩みを解決する方法を患者さんの身体・精神に伝える」のだ。 

そのためには、患者さんの身体・精神とのコミュニケーションが必要で、それが診察の第一歩になる。

「おはよう」「こんにちは」「どんな具合?」始める言葉は何でも良いが、相手の目を見て話し始めないと、患者さんは心を開いてくれない。

第一歩が動き始めたら、とにかく症状・困っていることを話してもらう。「どうしたらどこが痛い」「どのような事がしにくい」「どうしてもうまくいかない」などを聞きながら、ちょっとだけ自分の頭の中で整理をしつつ追加の質問をする。

「こうしても痛い?」「こんな事もしにくい?」「こんな事をしたら、うまく出来る?」

こんなやり取りをしながら、患者さんの立ち振る舞いをじっくりと観察する。

患者さんの体は、身体にとって不都合な状態が起きると、良い状態に戻そうとして「痛み」や「動かしにくい」等の様々な症状をとても素直に出す。

だから我々も、素直に患者さんから症状を聞き、素直に患者さんの立ち振る舞いを観察する。
そこから、患者さんが困っていること、症状を出す原因あるいは解決策を導き出すことが出来る。
「肩が痛い」「膝が痛い」などと一口に言っても、「どんな時のどこに」「どんな感じの痛みが出るのか」を聞かないと、患者さんの痛みを理解することが出来ない。

その際、自分の知識の枠に当てはめるのはずっと簡単。うまく当たれば、速やかに改善の方向に向かってくれるが、そう上手くはなかなかいかない事の方が多い。

Vol.02に続く…

(筒井廣明)


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