バナナは太るのか・太らないのか
どうも。
たまにはこういう話題も良いかなと思いまして、今日はバナナを
食べると太るのか太らないのか、についてお話したいと思います。
無粋ですがいきなり結論から言いますと
「どっちでもあるし、どっちでもない」
なんか煮え切らない答えですが、これが真実だと私は思っています。
まず、一概に太る・太らないで決めつけられる食品はほぼありません。
溶けたマーガリンやラードを一気飲みすればそりゃ太るかもしれませんが
そんなこと出来るのは浦鉄のフグオくらいでしょう。
なのでバナナについても一概に「太る:太らない」の2分法では
決めつける事は出来ません。
けどですね。
太る可能性のある食べ方と太らない可能性のある食べ方はあります。
ただ、この仮説・推察は機器で血糖値の上昇を計測したわけでは無く
バナナを食べた時の私の体感覚と体重の変化による考察なので
あくまでも一意見として聞いて頂ければと思います。
「空腹時に熟したバナナだけを食べた場合、太る可能性がある」
これはあんまり知られていない話だと思うのですが
バナナのGI値は低く、血糖値が上がりづらいと言われていますが
熟している場合は話がまるで別です。
バナナがある程度熟している場合、消化も吸収もあっという間に
行われてしまうので血糖値は一気に急上昇します。
これは機器で計測するまでもなく、自身の体を通してすぐ分かります。
試しに空腹の時にシュガースポットが出ている熟したバナナを
食べてみてください。
1~2時間後には空腹を感じるはずです。
これは血糖値が上下してインスリンの反応による空腹感です。
「熟していないバナナを食べた場合は太らない可能性が高い」
情報の出どころは失念してしまったのですが
熟していないバナナは消化が悪く、食べた後も4時間ほど
胃に残存していた、というデータがあるそうです。
確かに、熟していない青みがかったバナナって繊維質で全然甘くないですよね。
実際に調べてみたら、この追熟における糖質の変化を調べた
論文が弘前大学から発表されており、それによると
やはり追熟によって血糖値に影響を与えづらいスクラロースは減少し
グルコースやフルクトースなどの血糖値に影響を与える糖質は増えるそうです。
確かに追熟によってオリゴ糖も同時に増えるそうなのですが、同時に
糖質も増えてしまっては・・・というのが否めないところですね。
オリゴ糖は確かに腸内細菌のえさになりますが、それ言ったら
熟す前のバナナに多く含まれる水溶性食物繊維のペクチンも
腸内細菌のえさになりますし、青い状態のバナナに含まれている
レジスタント・スターチは腸内細菌が短鎖脂肪酸を産生する際に
もっとも効率よく分解される発酵分解される成分の一つですから
わざわざオリゴ糖を目当てでバナナを熟してから食べる必要性は無いと思います。
唯一考えられるとすれば、消化が早くエネルギーになりやすいという観点で
解糖系エネルギーに頼らざるを得ないスポーツの前や
極端に脳を使う大事な会議の前に食べるなら話は分かりますよ。
砂糖などよりも断然安全ですし、適度な消化速度で持続的に
エネルギーを供給してくれるのであればこれは願っても
無い効果ですからそういう場合のみ摂取する分には
太りづらいのではないか、と考えられます。
ただ、何もない普通の日にコンビニやスーパーで売ってるバナナを
食べるような行為は体重増加を招く可能性が高いと言えます。
「加熱した場合でも成分が異なる」
加熱した場合、蒸した場合と焼いた場合でも各糖質の量が変化することが
分かっているのですが、データを見たところ規則性が見つけられず
なんとも言えないデータだったので詳しく知りたい方は最後にリンク貼って
おきますのでそちらをご確認ください。
「追熟における糖質の変化は血糖値へも影響する」
熟す前や加熱する前では炭水化物にあたる糖質と食物繊維が複雑に絡み合っており
その構造が消化を妨げて、GI値が低くなる性質をもっているのでしょう。
この性質は穀物や豆類でも同じでして、普通に茹でた場合よりもより加熱能力の高い
圧力鍋で炊いた時の方が血糖値の上がり方は著しくなる可能性があります。
(炭水化物が分解されてより糖質の状態に近くなるから)
これがお米なら、「炊飯する前と炊飯する前ではGI値が異なる」
と言うものなら食べても米が硬いのですぐに消化出来ないだろうって分かるんですけど
バナナの場合、熟してなくても熟してても食べれちゃうから分かりづらいんですよね。
ちなみにスイーティオバナナとレギュラーバナナとでも加熱においては
変化が異なり、先の論文では規則性は見いだせませんでした。
単純に糖質だけを含んでいる食べ物なら話は早いんですが
バナナの場合、オリゴ糖も含まれているからメリットとして
どちらを選択するか、で良し悪しの結論が変わるのですごく分かりづらいですね。
多くの情報サイトでは
「バナナは加熱するとオリゴ糖が増えてお腹に良いよ!」
と公表していますが、短鎖脂肪酸の産生源になるものは
①レジスタントスターチ(でん粉性の食物繊維)
②非でん粉性の食物繊維
③オリゴ糖
の順番でオリゴ糖は下位ですからね。
それなのに高糖質の焼きバナナを食べて血糖値スパイク起こしてたら
今度はレプチン抵抗性が高まってそれこそ体重増加や肥満、糖尿病などの
原因になり兼ねません。
少し複雑な話になってきましたが、私が考えるに
「バナナは太りやすい・太りづらいの両方の性質を持ち合わせている」
と言うのが結論です。
という訳で、バナナの太る・太らない問題について考察してみました。
こうして様々な要素をしっかりと踏まえて考えると、どんな食べ物でも
一概に「良い・悪い」という風には言えないことがお分かり頂けると思います。
なので、「〇〇はダイエットに良い!」なんて直球過ぎる触れ込みの
サイトには十分な注意が必要です。
情報が有象無象に散らばっているネット社会においては、
その情報を鵜呑みにするのではなく
結局は自分で考える力が重要になるのではないかと思います。
もちろん、この記事の内容も果たして本当なのかそうでないのかは
十分に疑って頂き、ご自身でも熟考して頂きたいとも思います。
※この記事を書くにあたって色々調べていた際に見たサイトの中には、先に挙げたバナナの論文内容を曲解して公表しているサイトがいくつもありました。
という訳で今日のところはここまで。
ご精読、ありがとうございました。
引用論文:
弘前大学教育学部紀要 (110), 93-100, 2013-10
バナナの追熟および加熱調理による糖組成の変化