#4【制作体制を見直すなら】制作会社の手を借りる、という選択肢も
■簡単じゃない社内報制作。内製もいいけれど…
こんにちは。社内報にちょっと詳しい編集・ライターのしばいぬです。
近ごろは、社内報制作に特化したWebサービスやスマホアプリが充実していますよね。社内報と言えば紙の冊子を配布する方法一択だった時代に比べれば、「社内報を作る」ことの敷居はずいぶん低くなったように思います。Webサービスやアプリを使うと、画像や文章さえ用意できれば、編集やデザインの経験が特になくとも記事の体裁に仕立てることができるからです。また、複数のページを並行して制作する必要がなく、記事1本から好きなタイミングで公開できることも、紙の社内報にはないWeb社内報の特徴です。何と言っても、Webの場合は印刷物よりも記事の修正や取り下げが容易であるため、「まずは発信してみよう」というスタンスによくマッチします。
…と、Web社内報のPR記事のような書き出しになりましたが、この記事の目的は、Web社内報をプッシュすることではありません。笑
立ち上げが容易なWeb社内報ではありますが、本連載で繰り返し述べているように、はじめにコンセプトを確立することが大切(※)なのは紙の社内報と変わりません。また、読者の目を惹くデザインを施したり、より読者に“伝わる”文章を書きあげたりといった制作業務を社内報の制作担当者が自ら行うのは、労力の面でも経験値の面でも大変なことです。
つまり、発進(←あえて「発信」ではなく)が容易なWeb社内報ではあるけれど、良質な発信を続けるためには、紙の社内報と同様に、それ相応の“コスト”を覚悟する必要があるといえるでしょう。
前置きが長くなりましたが、ここで強調したいことは以下に尽きます。
良い社内報を作るのは大変だ~!(紙も!Webも!)
ジャンルを問わず、何かを生み出す営みには大きな労力がかかるもの。社内報制作も例外ではありません。
しかも、社内報の制作担当者の方々の多くは、他の業務との兼務なのではないでしょうか。だとすれば尚のこと、企画から発行(発信)に至る制作プロセスをすべて自社内で対応し、しかも継続して質の高いアウトプットを目指す大変さは並大抵ではありません。
※コンセプトの大切さについては以下の記事で詳しく述べています。よろしければ併せてご覧ください。
#1 【社内報の役割とは】 企業はなぜ、社内報を発行するのでしょう?|株式会社メッセ|動画・編集・デザイン (note.com)
#2【ゼロから作るなら?】社内報創刊の考え方・進め方 | 記事編集 | note
■制作会社と言う名の“餅屋集団”と手を組むメリット
社内報制作業務のハードルをこれでもか!!と上げに上げたところで、ここからが本題。
それは、社内報制作のプロ(制作会社)を頼ってみてほしい、ということです。以下は、既に制作会社を起用している場合は、言わずもがなの情報ばかりです。創刊にあたり何をどこまで内製するかで悩んでいる方や、自力でWeb社内報の発信を続けてきたもののテコ入れの必要を感じている担当者の方に、ぜひお読みいただければと思います。
まず、社内の制作プロセスはいくつかのフェーズに分けて考えることができます。ここでは、5つに分けてみました。
【社内報制作の5つのフェーズ】
このうち、どのフェーズを制作会社に依頼するのが望ましいかは、社内の制作体制や制作上の課題によって異なります。たとえば、社内報制作に関するノウハウが社内にまったくない状態で創刊するのであれば、①~⑤のすべてのフェーズで制作会社の助力を得た方が、確実にゴール(創刊)に辿りつけます。その上で、内製の範囲をなるべく増やしたいという意向があるならば、制作会社と協働する中で得た知見やノウハウを編集チーム内に蓄積していけば良いのです。
あるいは、内製で社内報を発行してきた実績がある中で、「写真や原稿のクオリティを高めてより魅力的な記事を作りたい」「企画検討や取材の負荷を軽減したい」といった意向が編集チーム内に存在する場合も、制作会社の起用を検討する良い機会だと思います。
制作会社が何を・どこまで担うのかは、編集チームの要望次第でいかようにもなります。実際、しばいぬがこれまで経験した中では、「紙面デザインをブラッシュアップしたい」というご要望を受けて、まずはデザインのみを請け負い(原稿や画像は全て編集チームから支給されるスタイル)、その後、新しい企画の提案と原稿作成をご依頼いただくようになったケースや、Web社内報記事のうち取材の難易度が高いもののみ取材・原稿作成・トップ画面用の画像制作をご依頼いただいていたケースなど、さまざまな関わり方がありました。
制作会社は、たとえ川上(フェーズ①のコンセプト検討)には直接関わっていない場合でも、社内報のコンセプトや企画のねらいをしっかりと把握した上で、取材撮影やデザイン制作に臨むのが通例です。
一方で、コンセプトや企画の検討段階から制作会社が編集チームに伴走できると、当然ながらその分だけ、制作会社から提案を受けるチャンスは多くなります。つまり、社内報をより良いものにするためのヒントを得る機会が増えるということ。社内の編集チームにはない視点でアイデアを出すことができるのは、さまざまな事例を経験している制作会社の大きな強みです。また何と言っても、撮影、原稿作成、デザインといった専門的なスキルが必要な領域は、制作会社のアウトプットを一度目にしてみていただきたいです。
各分野のプロたちが持つノウハウと、自社をもっともよく知る編集チームの思いがしっかりと組み合わさった時、読者の目を引き、心を打つ記事が生まれます。
しばいぬは、制作会社の中に身を置く一人ですが、撮影やデザインといった自身の専門領域外のプロの仕事に触れると、未だに感動を覚えます。使い古された言葉ではありますが、やはり餅は餅屋。制作会社の起用を迷っている皆さんにも、一度、本気の“餅屋”の仕事に触れていただきたいなぁと思って止まないしばいぬです。
社内報制作に関するお悩みや、お困りごとのご相談をいつでも受け付けております。
もちろん、創刊のご相談も大歓迎です。
株式会社メッセ(東京都中央区京橋)
https://www.j-messe.co.jp/contact/
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