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若者の格差とか

これを見て、自分が就職活動をしていた若者だったときに、世の中でいわれていたことを思い出した。

2000年を少し経ったころ、世の中では「グローバリゼーション」という言葉がはやっていて、中国の脅威と中国でのビジネスチャンスが注目され始めていた時期だった。

なので、自分が就職する際に気を付けることは、
「自分のレベル」と「アメリカや中国の若者のレベル」と、
どちらがスゴいのかということが、平等に比較されるだろうということであった。

なので、自分がいまスキルを磨いている間に比較対象としてのアメリカ人や中国人はもっとスキルを磨いているに違いない、と思ったものだった。

結果的には日本で働いている間は、参入障壁もあるしある程度十分な市場が身近にあるために、スキルが磨かれたアメリカ人と中国人と一緒に働いたり競合したりすることはそれほどなかった。

あるにはあったけど、同僚であって競争相手という立場ではなかった気もするし、競争相手になったとしても会社対会社であって、個人対個人ではなかった。

意外とぬるい環境が続いているなと思っていたが、実はそうでもなかったということであって。冒頭に戻ると、ぬるい環境と思っていた間に、国対国のレベルでは、日本以外の先進国は経済成長をちゃんとしてきた。日本はしてこなかった。格差ができた。

技術レベルも人の能力も、先進国は上がってきたが、
日本は相対的にはそれほど上がってこなかった気がする。

結果的にこれに不満を持つ日本の人は多いと思う。賃金が上がっていないのに物価が上がっているとかね。

確かにアメリカでは5年前と物価が約2倍になり、給料も2倍になっている。
日本はほとんど変わっていない。輸入品は周辺国が高くなっているんだから当然少し値上がりしている(それでもアメリカの製品をアメリカで買うより日本で買ったほうがまだ安い気がする)。

で、言いたいこととしては。
日本の人間側としては成長する努力をしてきたかといえば、それほどしていなくて、周辺国の人間のほうが成長する努力をしたのではないかということである。

自分が努力していないのに、人のせいにしてもなあということだ。

成長は経済成長で見る。稼ぐ力(財サービスを生み出して売る力と消費する力)が周辺国より相対的に上回っているかということだが、それをするには①早い資金回転(売った回数と消費する回数を増やす)か、②日本以外での需要をちゃんと確保するか、③外に投資をするかである。

ところで、多くのアメリカ人が努力しているようには見えない
一部のスーパー優秀な人がバリバリ稼いでくれるおかげで国力が何とか保たれている。そんな人を育てるために学歴社会は厳しいし、ほかの国から奨学金やら特待研究生やらで引き抜いてくることもある。多様性がある。
そしてグローバル販売できるプロダクトやサービスを作る(→②)。グローバル展開で各国に支社をつくる(→③)。

なので、それ以外の普通の人は、そんなに能力もないしまじめに働く集中力も丁寧さもないけど、ちゃんとアメリカという国が成り立っている。格差社会ではあるけれども、悪くないよね。たとえば企業への問い合わせフォームにリクエスト入れても返信に1週間くらいかかるし、コールセンターに電話をしても途中で通話が切れたり、英語が通じなかったりする。イシューを解決できずに終わることもある。モノは1年の保証期間内に壊れることが多いけど、修理なんかできる力もないから新品に交換してくれる。いまだにインターネットの回線速度は早くないのに値段は高い。でも、逆にそんなレベルでしかみんな働けていないと思ったら、楽しく暮らせる。そして、いろいろ壊れるからかもしれないが、貯蓄より消費が好きだ(→①)。

一方日本では、
農耕民族でよくあることだが、貯蓄が好きだ。
将来の不安があるからという説もあるが、高齢者が遣い道なく貯めている
(→①)。孫に使う部分があるにしても少ししかない、医療費か相続に回っていくだろう。その間はその分の資金が滞留するので経済活動が行われない資金となる。モノは壊れないし、丁寧に使い続ける。もったいない精神がちゃんとあるから無駄遣いをしない。

また日本はアメリカと違って、学歴にもそれほど差がなく、比較的平等な社会であるので、ほとんどの人が平凡である。仮に何かの能力に突出していても、学校で能力矯正をしたり、みんなでいじめたり足を引っ張ったりして成功の芽を摘むのが好きである。なので、平等な社会ができているから、大きな問題も起こらなくて、相対的に犯罪が少なく平和である。相対的に他国より自殺する人が多いけれども。多様性を受け入れていないから、安定はしている。

昔は留学してスキルを身につけて、バリバリ働くという人は一定数いたようだが、ここ数年は日本人留学生は減り、中国・インド・その他アジアが伸び続けているようだ。

これは日本が物価についていけなくなって、資金難のため留学先を欧米でなく途上国に変えているだけかもしれないが、それにしても留学者総数で減っているようだ。

国内でちゃんと頑張るという人も増えているとは思うので、
何とかいい未来が作れるといいなと思いつつ、
アプリ課金額Topの国は日本でした、というニュースをみると、
ゲームをしているだけで時間を浪費しているだけかもと思ったりもする。

でもそれだけゲームの製作・消費スキルがあがっている(→①)のだから、
外需も獲得できるかもしれない(→②)し投資スキルもあがっているかも(→③)しれないなとも思う。

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2110/28/news111.html

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