探しつくせ!山陰古書店巡り その①
田舎の良いところってたくさんありますね。
個人的激推ポイントは「掘り出し物がある」ところ。チェーン店が相場の共有をしてなかったであろう頃は、激レアCDが100円で売られておりました。
個人店がネットで在庫を公開する今も、管理しきれない本の山の中にレア本が眠っているハズ!
てわけで、今回はおらが地方の古書店を紹介します。教えたくないけど無くなりそうな古書店多数なのでめちゃくちゃ焦っています。
応援になることを願って・・・
島根県
我らが島根。過疎化の星。
その中でもダントツにオススメな店がここ。
國美喜書店(出雲市今市町)
島根・・・いや、山陰の個人店では蔵書数ナンバーワンであろう老舗。出雲市駅前のアーケード『サンロードなかまち』西入口すぐにあるのでアクセスも激良。
文庫・郷土史・漫画・雑誌・パンフレットなどなど幅広く取り扱いがある。特に年代物の本を探しているのであれば1度は訪れていただきたい。
『太陽』や『Newton』などの雑誌は多すぎて並べない店舗が多いが、ここは広さを活かして見られるようにしてくれている。
奥の平積みコーナーは下の本が取り出せないレベル。見るのに半日はかかるので、時間とお金に余裕を持って訪れていただきたい。手持ちが足りなくてATMを尋ねる客を何度も見たことがある(多分一番近いのは商店街東口出てすぐのコンビニ)
私がここで購入した本は数知れないが、お気に入りは師範読本セットと1985年9月の太陽。太陽の方はネットでも見つからないので絶対に無くせない逸品となった。
最近は店主の老夫婦に代わって娘さんがお店をしているので、不定期になってきた。歴史資料の保存のためにも閉店させたくないので、ぜひ来店をお願いします🙇常連として必死です
だんだん書房(出雲市稲岡町)
島根県立大学出雲キャンパスの近く、踏切そばにあるこじんまりとした店。
ポイントは郷土史特化。
特に出雲・松江の歴史本を探しているのであればここへGO!なぜか、ほんの少しビデオもある。
戦時中の本や、アジア史関連の本も多い。
『日本の古本屋』というサイトで全て在庫を公開しているので、他県からの客も多いようだ。
値段は全て本の裏かビニールの上に書いてある。ここまでしっかり管理している個人店も珍しい。
なお、出張買取で開店が少し遅くなることもあるのでその時は近くのコンビニで時間を潰そう。
句読点(出雲市今市町)
古書店の中では比較的新しいお店(2023年10月で2年目)サンロードを東に抜けた本町商店街にある。
小さいようで中は広く、古書から新しい本まで蔵書数もなかなかある。入口付近に集められた店主セレクトも個人的に好みだ。
特に嬉しいポイントは、夜までやっているということ。仕事帰りに寄れる古書店など中々ないのだから。
駐車場は本町のパーキングがあるが、個人的には駅や市役所から歩いて行ける距離だと思う。
高齢化が進んで先行きが不安な古書店界だが、まだお若そうな店主さんなので続いていってほしい。
ブックオフ出雲渡橋店(出雲市渡橋町)
言わずと知れた古本チェーン店。
昔は先程のだんだん書房近くにもう1店舗あったのだが、コンビニになったので出雲市内のブックオフはここだけになった。
漫画メインで、ゲーム・CD多め。一般書籍はやや印象が薄めかも。土日の昼間や平日の放課後は多くの立ち読み客で賑わっている。
店が悪いわけではないので申し訳ないが・・・人が多い日は店内の空気が悪いので平日か夜に行くのがおすすめ。
冬營舎(松江市殿町)
見よ、この外観。カラコロ工房裏にひっそりあるので探すのに苦労した。
蔵書は少ないが貸出もできてビールも飲めるので、意外にも客がチラホラやってくる。古書店というよりは、古書を核としたコミュニティスペースといった感じなのかもしれない。
穏やかな女性がおひとりでやっている。
数人の友達とゆったりしたい場所。
本町堂(松江市白潟本町)
ごうぎんビル裏の商店街にある古書店。
店主のお姉様とおしゃべり目的で来るご近所さんが多いようだ。
蔵書数は少なめ。コミュニティスペースとしての役割が大きいらしいので古書漁りに行く場所ではないかも。
非常に児童書が多いので、お子様を連れて行くのには良い場所だと思います。
冬營舎とここには駐車場が無いので近くのパーキングに止めることになるが、土日であれば県庁から頑張って歩くのも不可能ではない(松江市は土日のみ県庁裏の駐車場を一般開放している)
ブックオフ松江浜乃木店(松江市浜乃木)
店の前にある謎の像が目印のブックオフ。
蔵書はしっかりあるものの、歴史系だと目当てのものがあった試しがあまりない。
新書やCDには掘り出し物があるかも。
隣にオフハウスがあるのでハシゴするのには便利だが、裏の駐車場が超斜めってる上、非常に狭いので注意。
ブックオフ/オフハウス 松江黒田店(松江市黒田町)
アベイルの斜向かい。パチンコに挟まれたオフハウス併設の店舗。
オフハウスの商品が半分以上陣取っているので、本は多くないがバランスよく取り揃えている印象。
本の状態もよく、店内も広々としている。友達と時間つぶしにワイワイくるのも楽しそうだ。
いかんせん前の城山西通りの交通量が多いので、駐車場から出る時は人情を願うことになる(みんな優しいよ)
万代書店松江店(松江市学園)
江頭2:50氏のCMでおなじみ万代書店。残念ながらコミックと少々の雑誌しか無い。
ゲームあり、服あり、アミューズメントあり、酒あり、その上農耕器具あり・・・見てるとちょっと楽しくなってくる。
UFOキャッチャーで粘ってとれなかった客にでかいお菓子をサービスで渡していた。あったけぇ店なんだなぁ・・・。
ブックオフ松江店(松江市西川津町)
万代書店から少し東へ行ったところにある店舗。個人的には松江市内では一番好みのブックオフ。
広さは出雲渡橋店の1.25倍程度。
バランスの良い取り揃えで、他店舗より古い本もちゃんと(?)並んでいる。
チェーン店はやはり立地で在庫の調整を行っているのだろうか??住宅地に近いこの店舗は児童書もそこそこあったように思う。
駐車場が表裏どちらの道路からも入れるので安心。
書架 青と緑(2023年10月開店 松江市大正町)
今この記事を書いている最中にSNSで存在を知った店舗。金土日祝営業で、日によっては夜の19時までやっているらしい。
近日中に訪れて追記したい!
鳥取県
鳥取というより島根にほど近い米子市の紹介。
コツコツとではあるがいつか東側もレポを増やしていきたい。
古書の店ギャラリー(米子市法勝寺町)
漫画なら蔵書山陰数トップの古書店。
米子駅近くの元町通りに佇んでいる。
急遽夕方からの営業になっており町をぶらぶら。その予告時間から40分外で待機することになった。待っている間に近所の人が教えてくれたが、店主さんは1人で通いでやっているので時間通りの営業が難しいらしい。
そうでもして誰かが継がなければ蔵書がすべてなくなるのだから、深刻な問題である。そうしている間に店主さんが小走りでやってきた。
開店した店内は崩れそうな程に本がみっちり。私の探求本は無かったが、特別探しているものがあれば店主さんが場所を教えてくれる。価格も他店に比べるとお手頃だと感じた。
漫画もいいが、新書の方も掘り出し物がありそうな感じだ。整頓中らしいので、また倉庫からいいお宝が出てくるのを楽しみに再訪したい。
専用の駐車場は無いので、近辺のコインパーキングへ停められたし。
坂道の古本屋 キイ本ター(米子旗ヶ崎)
2023年2月に始めたばかりだという小さめの古書店。
客の来訪をとても喜んでくれる店主さんは、おそらく将棋と麻雀・格闘技が好きなのだろう。蔵書の半分はそのジャンルだ。
しかし、それ以外の郷土史・文学のコーナーも見逃せない。個人店だからって、この本をこの値段で・・・!?と思うこともしばしば。
駐車場は店の前の2台分。
まだまだ出せていない本もあるらしいので今後も楽しみ。穏やかなご主人のささやかなお店、ぜひ続いてほしいので行ってみて頂きたい。
古書と珈琲の店 小吉文庫(米子市三旗町)
キイ本ターの店主さんの紹介で訪れたお店。まるごう上後藤店の前にひっそりとある(Googleのナビだとたどり着けないのでまるごうを目指すのが吉)
古書と珈琲の店というより、コーヒーとセレクト古本の店といえようか・・・。なんというか、コーヒーブレイクのおともになりそうなセンスのいい本が集められている。
私はコーヒーが苦手なのでヘッセの本だけ買ってお暇したが、好きな人にはコーヒーも楽しんでいただきたい。
料理の本屋、詩集を探している方にオススメ。
ブックオフ米子卸団地店(米子市両三柳)
もうこれ古本屋じゃなくない?って思うほど新しい本が多い。どちらかというと、新しい本を安く買う店である。
古本屋にしては値段が張るもののの、美術関連の図録やハウトゥ本。絵本を探すならもってこいのラインナップだ。意外に入口近くの郷土史コーナーも胸が熱くなる本がある。
掘り出し物にはあまり期待できないが、立ち寄ってみると楽しいかもしれない。
大通り側の駐車場は危険。回ってでも広い方に停められたし。
ブックオフ皆生店(米子市皆生)
駐車場に入り、窓側に本が無造作に積まれているのを見て「ここはいいぞ」と直感した。
予想通り、掘り出し物をたくさん見つけられた。蔵書数は他の店舗と変わらないが、雑誌や海外の本もたくさん並んでいるので、時間がある時にじっくり行きたいブックオフ。
ただし、本があまり整頓されていないのでシリーズものが別の棚にあることもしばしば。ラジオの電波が悪くてずっとノイズが入っているのがちょっと怖かった。
なお、店舗のある労災病院入口交差点にはレストランやショップ、ネカフェがあるのでついでに見てみるのもよい休日の過ごし方かもしれない。
存続が難しくなってきた古書店たち
個人古書店は高齢化の波が押し寄せている。店主の体調が思わしくない日は息子さん・娘さんが店頭に・・・なんてことも。
「これからも続けられそうですか・・・?」なんてデリカシーのないこと聞けるはずもない。そうやってまごまごしているうちに、いつの間にか閉店のお知らせの張り紙が貼られてしまう。
【閉業】ダルマ堂書店(松江市母衣町)
かつて殿町にあったとてつもない蔵書数の書店。平成18年にカラコロ工房近くで再開し、一時はインターネットのみで営業していたものの・・・今は全く営業しておらず、閉業したと見て間違いなさそうである(平成16年時点で店主さん76歳、Google上では閉業となっている)
店の前で足をとめ、カーテンの隙間から中を覗くと多くの本棚が寂しそうに佇んでいる。
この本の居場所がなくなるくらいならいっそ、肩代わりしたいと思う日もある。今ある古書店様方におかれましてはそんな日が訪れないよう願っております。
まだまだ訪れていない店もあるので、今後もレポートを増やしていきたいところ。皆さんのオススメ店舗情報もおまちしております。
番外編
杉山書店(米子市万能町)
古書店で検索したら出てきたので、行ってみたらカフェ併設の普通の書店であった。
古書店のつもりで行ったので肩透かしだったものの、Wi-Fi完備でお手頃価格の軽食が楽しめる店はなかなか無いのでは?
米子駅前すぐで少し北西に駐車場あり。
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