メッシュウィングが世に出るきっかけ
メッシュウィングをつくったきっかけ。
私が2番目に開発したボクサーパンツ、「メッシュウィング」はそもそも、スポーツ関係の取引先の依頼でつくったものでした。
というのも、最初に開発したボクサーパンツ「ホールドアップボクサー」のわかりにくさ。
そのわかりにくさを改善するために、作ったのが「メッシュウィング」。
特長としては、製品の内側にサポーター状のウィング。ブレ、蒸れを防ぎ、着用感が向上する仕組み。
それが震災の余波が冷めやらぬ、2011年の春でした。震災でさまざまな営業が滞り、開発に専念していました。
しかし私の期待と裏腹に、それから2、3年、メッシュウィングの売れ行きは大きく伸び悩みます。
雑誌社からの連絡、ただし、、、
発売から3年が経過したある時、雑誌社から電話がありました。
メンズのボクサーパンツの大型特集を組むとのことでした。
ただし、
「今回は、ボクサーパンツの各メーカーさんに協力してもらう形です。しかし、掲載されるとは限りません。」
さらに、
「サンプルも返却できません。その理由は、実際に試着し、良いものだけを厳選して掲載する」という内容でした。
本来、雑誌社の取材は、掲載が前提(のハズ)です。
誌面で、〇〇特集があり、製品を掲載したいので、協力してください。みたいな。
掲載されるかどうかは、はき心地次第、みたいな取材は初めてでした。
「メッシュウィング」は、展示会に出品はしているものの、取材はゼロ。
今まで、取材を受けてきた製品は、すべて「ホールドアップボクサー」という最初に開発したボクサーパンツ。
私は、営業のために、雑誌社に製品を送り付けるようなことはしていませんでした。
なので、おそらく雑誌社の方は「ホールドアップボクサー」の存在しか知りません。
当然、雑誌社の方から連絡があった理由は、「ホールドアップボクサー」を取材対象にと考えていたと思います。
ズルい考え。。。
雑誌に何度か掲載をいただいていたので、雑誌のスケジューリングはある程度は理解していました。
そのため、ズルい考えが浮かんだのです。
『雑誌社からは、掲載対象アイテムの指定はない。だったら「メッシュウィング」を送ろう』
かくして私が雑誌社に送ったのは、雑誌社になじみのある「ホールドアップボクサー」ではなく、「メッシュウィング」でした。
「メッシュウィング」は、秘密兵器として開発したものの、このままでは秘密のまま終わってしまう懸念がありました。
私としては、初めて取材される製品で、なおかつインパクトあるモノ。
しかもはき心地にはいろんな方にお墨付きをもらっていたので「メッシュウィング」には絶対の自信がありました。
ただしかし、1つだけ不安がありました。それは、「日常ばき」ではなく「スポーツ向け」に作ったモノ。。。
サンプルを送付した後の1、2日は、『ホールドアップボクサーを持ってこいって言われないかな』とか、
『真っ黒で誌面映えしないスポーツアイテムでも取材されるかなあ』などなど、不安でいっぱいでした。
しかし、いつの間にか日々に追われ、雑誌掲載の事は、忘れていました。
一通のメールが届く
そして数日後、一通のメールが届きました。原稿チェック(校正)の依頼でした。
メールが来た時の本音は、雑誌の掲載=実際に履いて評価してもらえたという安堵感と嬉しさがありました。
ただ、雑誌によっては、「タイアップ広告=買える記事」があります。なので少し心配でした。
掲載の決まった号は、10ページ程度のボクサーパンツ特集があると聞いていたので、どこかには入れてくれるだろうと思いつつも、
10ページの中には、上記のようにどこかが枠を買ってんのかな?みたいなことも頭をよぎります。
そして、校正用の原稿をプリントアウトした時に気づきます。
「掲載記事、でっか!!」
メッシュウィングの出来からすれば、公平に評価されたら、掲載されるとは思っていました。
しかし、掲載の大きさは、特集記事のほぼ、まるまる1ページ!
正確にいうと、たぶんでっかそう。
なぜかというと、添付ファイルはウチのパンツ記事のみの校正。でかいだろうと推測されるものの、実際にはど発売されてみないとわからないからでした。
結果、発売日にコンビニに行き真っ先に雑誌を買うと、やっぱり上のようなデッカい記事!
掲載翌日から電話が鳴りやまない感じになったのです。
と言っても、電話の半分以上は、広告を出さないかという営業電話でしたが。。。
メッシュウィングが、開発3年目にやっと日の目を見たのは、雑誌の力をお借りしてのものでした。
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