【米国市場】ダウ平均は反落、企業決算の嫌気と追加刺激策の期待が交錯

米国株式市場は反落。新型コロナウイルス禍を背景とした消費者信頼感の低下や失望を誘う企業決算、与党共和党が発表したコロナ追加対策法案が予想を下回る内容だったことを受け、市場心理が悪化した。

企業決算に嫌気も追加刺激策に期待が集まる

企業決算が嫌気され、複合企業スリーエム(3M)(MMM.N)は4.8%、マクドナルド(MCD.N)は2.5%それぞれ下落。
3Mの第2・四半期決算は、新型コロナ感染拡大で業務全般が影響を受け、利益と売上高が市場予想を下回った。
マクドナルドも第2・四半期の世界既存店売上高が23.9%減少した。

朝方発表された7月の米CB消費者信頼感指数は92.6と、前月の98.3(上方改定)から低下。米全土で新型コロナ感染者が急増していることを受け、米経済の回復が脅かされている。
米上院共和党は前日、総額1兆ドル規模コロナ追加対策法案を発表。7月末で期限が切れる失業保険の特例加算については、上積み額を現行の週600ドルから400ドル減額し、200ドルとする。

企業決算やコロナ経済対策に加え、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果も注目される。ウェルズ・ファーゴのシニア世界市場ストラテジスト、サミール・サマナ氏は「これら3イベントのいずれかをきっかけにボラティリティーが高まる可能性があるため、利益を確定するには悪い時期ではないだろう」と述べた。その上で、FRBが「プラスのサブライズをもたらすことは極めて難しい」との見方を示した。

S&P主要11セクター中、下げが目立ったのは素材(.SPLRCM)、エネルギー(.SPNY)、一般消費財(.SPLRCD)。一方、ディフェンシブ銘柄とされる不動産(.SPLRCR)や公益(.SPLRCU)、主要消費財(.SPLRCS)は上昇した。
製薬ファイザー(PFE.N)は3.9%高で終了。通期利益見通し引き上げが材料視された。前日には独ビオンテックと開発を進める新型コロナワクチン候補の大規模な後期臨床試験を開始したと発表している。
また、週内に発表されるアップル(AAPL.O)、アマゾン・ドット・コム(AMZN.O)、アルファベット(GOOGL.O)、フェイスブック(FB.O)の決算にも注目が集まっている。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.25対1の比率で上回った。ナスダックでも1.97対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は92億8000万株。直近20営業日の平均は105億6000万株。

今日の私見

第2四半期の決算こそが新型コロナが業績にどのように影響したかがわかる決算である。
市場は決算をみて、これまでの期待による加熱感から冷めてしまうのか、良い決算の企業は更にヒートアップするのか。

これまでの決算内容を見ていると、デリバリーやテイクアウトに強い米マクドナルドが売上高減ということは、飲食業界は全体的に売上高は減っていると予想する。
また、3Mや日本の日産の決算を見るに、製造業もダメージを受けていることがわかる。

前回の決算は何が発表されようと株価は上昇したが、今回は違う。
まだボラリティが高くなりそうだか、ポジション調整を検討しても良いタイミングと考える。

出展

ロイター 7/29 米株反落、コロナ禍受けた消費者心理や企業業績の悪化で

ロイター 7/29 日産、今期も6700億円の最終赤字予想 国内外で販売不振