【米国市場】ダウ平均は続落も金融・経済対策期待が下支え

米国株式市場は、S&P総合500とナスダック総合が反発。新型コロナウイルス感染再拡大による企業への影響を巡る懸念は根強いものの、政府による刺激策への期待が投資家心理を下支えた。

企業決算よりも金融・経済対策期待が上回る?

ダウ平均株価は続落。金融大手ゴールドマン・サックス(GS.N)が1.5%下落し、全体を圧迫した。
ネットフリックス(NFLX.O)は6.5%安。第3・四半期に契約者数の伸びが予想以上に鈍化するとの見通しが嫌気された。
ネットフリックスの下げに押され、S&P通信サービス(.SPLRCL)は0.4%下落した。
一方、公益(.SPLRCU)、不動産(.SPLRCR)、ヘルスケア(.SPXHC)は上昇した。
投資家の不安心理を映すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX、恐怖指数)(.VIX)は25.68と、終値ベースで6月5日以来の低水準となった。
週間ベースでは、新型コロナワクチンや景気回復への期待を追い風にS&Pが1.2%、ダウが2.3%それぞれ値上がり。一方、マイクロソフト(MSFT.O)やアマゾン・ドット・コム(AMZN.O)が売られたことで、ナスダックは1.1%値下がりした。
第2・四半期の企業決算発表は来週本格化し、マイクロソフトのほか、テスラ(TSLA.O)やインテル(INTC.O)、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ.N)などが決算を発表する。
今年の企業業績がコロナ禍の影響を被る見通しとなる中、投資家は回復の時期や規模を巡る手掛かりを得ようと、企業の見通しを注視している。USバンク・ウェルス・マネジメントのトム・ハインリン氏は「2021、22年がどのような状況になるかが問題だ」と述べた。
また、政府による追加失業給付の特別措置終了が月末に迫る中、追加支援策が打ち出されるとの期待も高まっている。議会は週明け20日に新たなコロナ経済対策を巡り審議を始める。
この日決算を発表した資産運用大手ブラックロック(BLK.N)は3.7%高。第2・四半期決算は、予想を上回る21%の増益となった。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.43対1の比率で上回った。ナスダックでも1.5対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は95億株。直近20営業日の平均は116億株。

今日の私見

新型コロナの感染拡大で下げ、金融・経済対策で上げるというトレンドは変わっていない。
加えて、新型コロナの治療薬、ワクチン開発のニュースが多くなってきている。
この状況下で治療薬やワクチンが完成したら、一気にリスクオンとなる。
逆に治療薬やワクチンの開発に失敗すると一気にリスクオフとなるだろう。

新型コロナは働き方や金融システムに変革を与えている。
この波に乗っている企業は今年2月時点より株価が上昇している。
しかし、株価は循環するもの。自動車や機械といったまだまだ低水準の業界や企業にもいつかは巡ってくると予想する。
夏枯れ相場は目前。資金と現物のバランスを改めて考えたい。

出典

ロイター 6/18 米株はS&P・ナスダック反発、コロナ懸念も根強く