【米国市場】ダウ平均は続伸、経済指標と企業買収を好感

米国株式市場は、ナスダック総合が終値ベースの最高値を更新した。米議会で新型コロナウイルス追加対策を巡る協議が再開する中、米マイクロソフト(MSFT.O)による短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」買収交渉などを受け市場心理が改善した。

好調な経済指標と企業買収を好感

ナスダック総合(.IXIC)は1.47%高の1万0902.80で終了。7月20日に付けた終値ベースでの過去最高値を更新した。
マイクロソフト(MSFT.O)は5.6%高で終了。中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)傘下のティックトックの米事業買収に向け協議を進めるとしたことが買い材料となった。トランプ米大統領はこの日、ティックトックの米事業の買収合意が成立しなければ9月15日付で運営を禁止すると表明した。
警備会社ADT(ADT.N)は56%急騰。米アルファベット(GOOGL.O)傘下のグーグルが同社の株式約7%を約4億5000万ドルで取得すると発表した。
放射線治療機器大手のバリアン・メディカル・システムズ(VAR.N)は22%高。独シーメンス(SHLG.DE)の医療機器部門、シーメンス・ヘルシニアーズによる160億ドルでの買収が材料視された。
ロングボウ・アセット・マネジメント(オクラホマ州)の最高経営責任者(CEO)、ジェイク・ダラーハイド氏はこの日の相場について、「企業の合併・買収(M&A)を中心に動いている」と指摘。「経営トップは将来について確信を深めている。そうでなければ多額の出資は行わない」と述べた。
アップル(AAPL.O)に対する買いは継続し、2.5%高で取引を終了。時価総額は2兆ドルまであと約1400億ドルのところまで迫っている。
S&P500情報通信株指数(.SPLRCT)は2.5%上昇。他のセクターを大きくアウトパフォームした。
市場では7日に労働省が発表する7月の雇用統計が注目されている。

ニューヨーク証券取引所では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.94対1の比率で上回った。ナスダックでも2.74対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は98億株。直近20営業日の平均は105億株。

米ISM 7月は高水準

米供給管理協会(ISM)が3日公表した7月の製造業景気指数は54.2となり、昨年3月以来の水準に上昇した。上昇は2カ月連続。新型コロナウイルス感染が再拡大する中でも受注が伸びたが、回復の継続性を巡り不安は高まっている。

予想の53.6を上回った。前月は52.6だった。
指数は50が景気拡大・縮小の節目となる。製造業は米経済の11%を占める。
ISMは「製造業部門の回復は継続している。センチメントは全般的に楽観的だった」とした。

新型コロナ感染が急増する中でも製造業景気指数の改善が継続しているのは明るい話題と言える。感染は特に人口が多い南部や西部で広がっており、事業の再停止や経済再開を停止する動きが出ている。
失業保険申請などの高頻度データによると、事業再開に伴い5月に始まった経済の回復は停滞しているもようだ。新規失業保険申請は2週連続で増加しており、7月初め時点で3020万人が何らかの失業給付を受けていた。

7月の内訳は先行指標である新規受注指数が61.5と、18年9月以来の高水準。6月は56.4だった。受注残指数と輸出受注も上昇した。
雇用指数は44.3と前月の42.1から改善したが、引き続き縮小傾向にある。製造業部門の雇用は米中貿易戦争で新型ウイルス感染拡大前から減少していた。

今日の私見

出来高は98億と少し少なめだった。
例年8月は出来高が少なくなり、閑散相場と言われるが今年はどうか。
閑散相場の理由は、諸説あるが、最も有力なのが夏休みがあるからである。

出来高が少ないと株価のボラリティが高くなり、乱高下しやすくなる。
昨年の8月は、米中貿易戦争が最もホットな時期で、強い売りが連日続いた記憶がある。
特にメジャーSQは酷かった。

今年は旅行などが消極的になるので、例年のように出来高が少なくならないかもしれない。
メジャーSQも今年は9月だ。

9次は米大統領選に注目され、そのニュースにより市場が一喜一憂しそう。
8月はその前の休憩となるか。

出展

ロイター 8/4 ナスダック最高値、TikTok買収交渉やコロナ対策期待で

ロイター 8/4 米ISM製造業景気指数、7月は1年半ぶり高水準 2カ月連続上昇