【米国市場】ダウ平均続伸、新型コロナ追加経済刺激策に期待も雇用統計に注目

米国株式市場は続伸して取引を終えた。序盤の下げから持ち直し、ナスダック総合(.IXIC)は終値で初めて1万1000台に乗せた。市場では新型コロナウイルス追加対策に期待が高まっている。

追加経済刺激策に期待

ダウ工業株30種(.DJI)とS&P総合500種(.SPX)は5営業日続伸。ナスダックは7営業日続伸となった。
アップル(AAPL.O)やフェイスブック(FB.O)などの大型テクノロジー株が指数を押し上げた。ハイテク企業が多いナスダックは序盤に最高値を更新し、1万1108.07で取引を終えた。
S&P総合とダウ平均は2月の最高値からそれぞれ1%と7%安い水準にある。
インデックスIQの最高投資責任者、サル・ブルーノ氏は「市場には信じられないほどの回復力があり、機会を逃すことへの大きな恐怖もある」とし、テクノロジー株が市場をけん引していると述べた。
米労働省が6日発表した8月1日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は118万6000件と、前週から24万9000件減少した。申請件数は3月中旬以降で最低水準となったものの、高止まりが続いている。また、米民間雇用調査会社のチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスが発表した統計によると、7月は雇用削減が54%増の26万2649件だった。
市場はトランプ政権と民主党指導部による新型コロナ追加経済対策法案を巡る協議を注視しているが、共和党上院トップのマコネル院内総務は両党の意見にはなお大きな開きがあると述べた。
共和党のブラント上院議員は5日、「7日までに合意を見なければ、合意はない」と述べた。
コロナ追加対策の期限が迫る中、市場では7日に発表される7月の米雇用統計に注目が移っている。非農業部門雇用者数の前月比158万人増、失業率は10.5%に改善すると予想されている。
S&P主要セクターでは通信サービス(.SPLRCL)と情報技術(.SPLRCT)の上昇率が大きかった。
個別銘柄では、医療機器メーカーのベクトン・ディッキンソン(BDX.N)が8.4%下落。新型コロナの影響で手術が遅延したことで関連機器の需要が縮小し、四半期決算の売上高が予想を下回った。
ウエスタンデジタル(WDC.O)は16.12%安。4─6月期の売上高が予想を下回ったほか、今四半期の見通しもさえなかった。
メディア大手のバイアコムCBS(VIACA.O)は3.35%高。第2・四半期決算は、売上高と利益が市場予想を上回った。

ニューヨーク証券取引所では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.06対1の比率で上回った。ナスダックは1.15対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は約96億9000万株。直近20営業日の平均は103億9000万株。

今日の私見

明日の雇用統計の注目度、重要度は非常に大きい。
この数字が大統領選挙に影響するからだ。
9月からは大統領選挙が本格化し、米国市場は大統領選挙のニュースに一喜一憂することになると予想する。
雇用統計が予想通りか、下回るかで市場は一気に動く可能性が高い。

だからと言って、むやみに動くことのほうがリスクが高い。
予想を下回ったとしても、米国の追加経済刺激策が控えている。
トランプ大統領は大統領選挙に向けてなんとかする必要があるため、一層追加刺激策に力が入るだろう。
そうなると市場はポジティブに働くことになる。
逆に、雇用統計が予想を上回ったとして市場がポジティブに働いたとして、追加刺激策が対したことのない結果になると市場は一気にネガティブに働く。

要は上下どちらにも動く要素はあり、むやみに動くと市場の思惑に放浪されるだけだ。
大統領選に向けて利益確定するなり、上昇を待つなり、冷静な判断が必要だ。

出展

ロイター 8/7 米株続伸、ナスダック終値初の1万1000台 コロナ追加対策に期待