【米国市場】ダウ平均は上昇、大手ハイテク企業の好決算を好感も拡大する新型コロナで上値重い

米国株式市場は上昇し、ダウ平均株価(.DJI)は114ドル高で取引を終えた。大手ハイテク企業の好決算を手掛かりに買いが先行。ただ、新型コロナウイルス追加対策法案の行方を巡り、不透明感が根強い中、上値の重い展開になった。

大手ハイテク企業の好決算

企業決算では、アップル(AAPL.O)、ネット通販大手アマゾン・ドットコム(AMZN.O)、交流サイト大手フェイスブック(FB.O)などの決算が好感され、それぞれ株価が値上がりした。
インバーネス・カウンセル(ニューヨーク)のチーフ投資ストラテジスト、ティム・グリスキー氏は「決算内容は非常に底堅い。これらの企業は非常にもうかっており、人々が欲しがる製品を作っている」と述べた。
米国で失業者に対する週600ドルの特別給付措置が7月末で失効を迎える中、新型コロナ追加対策法案を巡る与野党協議は31日も平行線をたどり、物別れに終わった。
月間ではダウ平均が2.4%、ナスダックは6.8%、S&Pが5.5%値上がりした。
株価指数は、今年2月に付けた最高値まで約3.4%の水準に迫っている。しかし、さえないマクロ経済指標や新型コロナ感染者数の増加を受け、投資家は再び慎重姿勢に転じている。
アップル(AAPL.O)は10.5%高。第3・四半期(4─6月)決算は、売上高と利益が市場予想を上回った。新型コロナ感染拡大の影響で在宅での勤務や学習が増え、同社製品やサービスへの需要が拡大した結果、すべての製品群と地域で前年同期比の売上高が伸びた。
アップルは、この日の値上がりで時価総額が1兆8200億ドルに膨らみ、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコ(2222.SE)の1兆7600億ドルを抜いて世界一となった。
アマゾン・ドット・コム(AMZN.O)は3.7%高。第2・四半期決算は、新型コロナ感染拡大を受けインターネット販売や出店業者向けサービス事業が伸びたことで、利益は四半期として1994年の創業以来最高になった。
フェイスブック(FB.O)は8.2%高。第2・四半期決算は売上高がアナリスト予想を上回った。新型コロナ流行でオンラインサービス利用が増える中、企業がマーケティング予算をデジタル広告に振り向けた。

一方、アルファベット(GOOGL.O)は3.3%安。第2・四半期決算は、売上高が16年前の上場以来初めて減少した。ただ、新型コロナ感染拡大の中、同社のウェブ検索、動画閲覧、テレビ会議などの無料サービスに需要が高まり、広告主を維持したことから、市場予想ほどは落ち込まなかった。
ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.40対1の比率で上回った。ナスダックでも1.94対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は110億1000万株。直近20営業日の平均は105億3000万株。

バイデン氏の副大統領候補選び大詰め

11月の米大統領選の民主党候補指名を確実にしているバイデン前副大統領は今後数日間に、副大統領候補と面談する見通しだ。候補選びに詳しい複数の関係者が明らかにした。

副大統領候補は8月17─20日の民主党大会までに発表される見通し。ただ8月第1週には発表されない公算という。
現在、候補としてカレン・バス下院議員、カマラ・ハリス上院議員、スーザン・ライス元大統領補佐官を含む10人弱の女性の名前が挙っている。
各候補の支持者は盛んにバイデン氏にロビー活動しているという。

今日の私見

今の失業率では大統領の再選は難しいとされている。
よくトランプ氏が大統領に再選すれば株価は上昇すると言われている。スーパーチューズデーでも株価が上昇したのはトランプ氏が有利なときだ。
では、バイデン氏が大統領となった場合は株価が下落するのか。
バイデン氏の掲げる経済対策の規模も大きいため、一概に下落するともいえない。
また、アノマリー的には大統領選があった年は、株価は上昇している。

懸念すべきは、トランプ氏が有事に進まないかどうかだ。
大統領選に勝つために戦争する可能性はゼロではない。
今年一番のイベントの動向に注目である。

出展

ロイター 8/1 米国株114ドル高、大手ハイテク企業の好決算で 上値重く

ロイター 8/2 バイデン氏の副大統領候補選び大詰め、候補らと面談へ=関係筋