【3/1】中国と米国、2国の製造業指数からみた労働市場の力の差

おはようございます。

桜が咲きそうと思ってたら、部屋の底冷えに凍えている米田です。


中国の2月製造業購買担当者景気指数(PMI)と米国の米供給管理協会(ISM)製造業景気指数が発表されました。

同じ製造業指数ですが、その内容は2国の労働市場の力強さの差が浮きでるかたちとなりました。


■中国は予想を下回る

中国国家統計局と財新/マークイットが1日にそれぞれ発表した2月の中国製造業PMIは、いずれも景況改善と悪化の分かれ目となる50を下回り、予想以上の落ち込みとなりました。

大規模の国有企業に焦点を当てている国家統計局が発表した製造業PMIは49.0と1月の49.4から低下し、2011年11月以来の低水準となりました。

市場の予想は49.3でした。

調査対象に中小企業が多く含まれる財新の製造業PMIは48.0と前月の48.4から低下し、12カ月連続で50を下回りました。

市場の予想は48.3でした。

どちらのPMIも労働市場が引き続き悪化していることを示しています。

国家統計局のPMIでは雇用指数が過去3年半低下しています。

財新のPMIは雇用の状況を示す指数が47.0から46.0に低下し

2009年1月以来の低水準となりました。

中国人民銀行(中央銀行)が前日、予想外の預金準備率引き下げに踏み切ったことから、一部ではPMIが弱い内容になるのではないかとの見方が出ていましたが、景気をさらに冷え込ませないために刺激策が必要との見方が強まっています。


■サービス部門も減速

統計局が発表した非製造業PMIは52.7で、50は上回ったものの1月の53.5から低下し、2008年終盤以来の水準となりました。

これまでサービス業は製造業の余剰を吸収してきましたが、製造業の不振が続き失業者が増える中で、アナリストの間ではどこまで強さを保てるか懸念する声が高まっています。

ANZのエコノミストは今回の統計について、顧客向けリポートで「2016年に6.5─7%の成長率目標を達成するために、今週末開幕する中国全国人民代表大会(全人代)で一段の措置が打ち出されるだろう」と指摘しています。


■米国は予想を上回る

米供給管理協会(ISM)が発表した2月の製造業景気指数は49.5と、前月の48.2から上昇しました。

景況拡大と悪化の分かれ目となる50を引き続き下回ったが、悪化ペースは緩まりました。

市場予想の48.5も上回りました。

内訳の雇用指数は45.9から48.5に上昇。

市場予想の46.4も上回りました。

新規受注指数は横ばいの51.5。

価格指数は33.5から38.5に上昇、

市場予想の34.5も上回りました。


■米建設支出も高水準

米商務省が1日に発表した1月の米建設支出(季節調整済み)は前月比1.5%増の1兆1400億ドルと金額ベースで2007年10月以来8年3カ月ぶりの高水準となりました。

民間、公共部門がともに伸びました。

米経済が昨年第4・四半期に減速した後、勢いを取り戻してきたことを示す最新の兆しとなりました。


■全人代での措置と米利上げ

中国はこの結果を受けて、今週末に開かれる全人代で景気対策が発表されるでしょう。

G20では構造問題を指摘されている中国ですから全人代の内容に一層注目が集まります。

サービス業の勢いも落ち始めているということで中国経済減速が一層鮮明化されていますので全人代があるからといって楽観はできません。

一方米国は好調な経済指標に基づき、予定通りの利上げペースとなるでしょう。

米ドル売り円買いから米ドル買い円売りを後押しするでしょう。

今後発表される経済指標すべてが高水準とは行かないと思いますが、全体的に好調であることは変わらないと思われますので、利上げペースは予定通りが濃厚でしょう。

2つの経済大国の今後に注目です。

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