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㉙マガジン原作大賞に向けて、第一話を分析してみた ~ランウェイで笑って~

あらすじ

《これは私 藤戸千雪がトップモデルに至るまでの物語》
《そしてーー》

藤戸千雪ふじとちゆきはパリ・コレクションで、
ランウェイを歩くことを夢見る少女だった。
時は経ち、千雪は高校3年生になっていた。
パリコレモデルに向けて順調な人生、ではなかった。
夢のために必要な身長175cm。
それには遠く及ばない158cmで成長が止まってしまった。
周りからはもう無理だと言われしまうが、
千雪自身は諦めない。
父が経営する会社「ミルネージュ」
そのモデルオーディションを受け続けている。
今回も不合格を言い渡される。
「ショーモデルの仕事はあなたを見せるんじゃないの」
「服を魅せるの」
「そのための身長 そのためのスタイル」
「あなたにできるの? その恵まれない身長で」
それでも千雪は、夢を胸に、諦めることをしなかった。

千雪は学校で、都村育人つむらいくと進路希望調査票を回収するために
被服室に出向く。そこで、都村の作った服を見る。
「ファッションデザイナーになればいいのに」
「高卒でもファッションデザイナーになれると思いますか・・・?」
「どうなんだろ 無理なんじゃないの」
「ですよね 知ってました 調べたら 厳しいって」
都村は、3人の妹達のために就職を選ぶという。
そんな都村を見て、千雪は自分を重ねる。
と同時に、安易に無理だと言ってしまったことを後悔する。
都村との会話を通して、吹っ切れた千雪は都村に、
自分が一番魅力的に見える服の作成をお願いする。
千雪は都村の服を着て、ミルネージュのオーディションを受ける。
158cmのパリコレモデル。
そんなものはあり得ないはず。
でも審査員は千雪がランウェイを歩いている景色が浮かんだ。
「1%だけ可能性を見たわ」
「後で裏に来なさい 契約の説明するわ」

契約後、千雪は事務所を通さない仕事は
しないように釘を刺される。
千雪はおそるおそる、
オーディション前にスナップ写真を取られたことを伝える。
「その服 ミルネージュの服じゃないの?」
「えっ あ うん そうそう!!」
知り合いの手作り。そう言えなかった千雪。
とっさの嘘が次の事件を起こす。
都村の作った服は、ミルネージュの新作として
SNSで拡散されてしまう。
後日、都村はミルネージュに呼び出された。
その場で、社長自ら都村にデザインの買い取りを打診する。
その上である企画に参加することを薦められる。
「うちで デザイナーをしてみないか」

《これはわたし 藤戸千雪がトップモデルに至るまでの物語》
《そしてーー》
《都村育人が トップデザイナーに至るまでの物語》

パンチライン

モデル&デザイナーのファッションマンガ

構成

第1幕:P01~20 千雪の夢
第2幕:P21~40 都村との出会い 吹っ切れ
   :P41~57 オーディション
第3幕:P58~66 2人の物語

注目点

熱っちいよ。
こんなん見せられたら、泣いちゃうよ。
しかも、隙を生じぬ二段構えって。
魅せつけられました。
この漫画に出会えた幸せと
圧倒的な彼我ひがの差とで、
もだえました。

閑話休題

注目ポイントは1点です。
①立場入れ換えからの共感

①立場入れ換えからの共感

32ページ。
ちょうど物語に爆弾が落とされるタイミング。

千雪が都村に対して安易に言った「無理じゃないの」
これがそのまま自分に帰ってきます。

このシーンだけで飯が食える破壊力です。
強烈な共感が生まれました。

千雪VS周り の構図を
都村VS千雪 に置き換えることによって
千雪自身の言葉が、
自分の心を折りに襲いかかってくる。
と同時に、初めて千雪に人間味が感じられ共感がうまれる。

立場を入れ換えるテクニック。
これはかなり大きな武器になると感じました。

次へ:㉚約束のネバーランド

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#週刊少年マガジン原作大賞にむけて、色々な漫画の第1話を分析しました。漫画原作を初めて書く方や、絵には自信があるけれども、シナリオはちょっと、という方にオススメです。

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