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トップアスリートなのに会社員を続ける理由とは?【新川明子さんを取材!part1】

※新川明子さんは、プロのロードレース選手でありながら、メリックス㈱の学校給食事業部でも副責任者として活躍するマルチプレーヤー。


この記事は「新川明子さんがトップアスリートでありながら会社員で居続ける理由」についてまとめたインタビュー記事です。


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▲表彰台に上がる新川さん(写真右、黒ベースのスーツを着用)


はじめに

トップアスリートとして日々過酷なトレーニングをこなしながら、会社員としても働いている選手がいます。

その中の一人が何年間も競技と仕事を両立させている新川さん。

「選手」と「副責任者」の二足の草鞋を履きこなす新川さんに、働きながらスポーツを続ける理由や喜びについて、入社2年目社員がお話を伺いました。


「アスリート×会社員」その心は?

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---トップアスリートとして活動しながらも会社員を続けている新川さんには、以前からお話を伺ってみたかったんです。本当ならアスリートとしての時間をフルに使って、トレーニングや戦術の研究をしたり、しっかりと休養を取ったりした方が、試合に勝つという面では良いんだろうなと思っていました。その時間をメリックスで働くことに置き換えているのには、何か理由があるんですか?

新川さん:確かに、アスリートだけをやっていれば1日中時間があるから、朝起きて練習して、お昼は休養したり二部練(二部練習)したりと、自由に使える時間が多いですよね。
チームからは、週2日の勤務だけで普通の会社員と同じ給料を出してくれるというスポンサー企業様の紹介もありました。そこで働けばまとまった時間を作ることはできたと思います。だけど私は「今の仕事を続けたい」と言って断りました。
元々私は食べるのが好きだったということもあり、料理の腕を上げたくて、仕込みから携われる“食”の仕事がしたかったんです。今の仕事にやりがいを感じている部分もあるし。
それに、私の性格上、自由な時間ができるとだらけてしまいそうだなって。
今は限られた時間で切り詰めて生活しているから頑張れていると思うんです。“2時間3時間という限られた時間でしかトレーニングできない”という状態でいるからこそ続けられるんだと思います。

---弱い自分を知っているからこそ、自分を縛っている面もあるのですね。ところで、やりがいを感じていると仰いましたが、今の仕事のどういったところにやりがいを感じるんですか?

新川さん:小学校給食の現場では、ワゴンの受け渡しをする時や校内で子どもとすれ違う時、「おいしかったよ」という風に言ってもらえて、とても嬉しくなるんです。
子どもとの関わり以外にも、「何時までに給食を提供しなきゃいけないから、いつまでにあれをしよう」とか、限られた時間でいかに効率よくきれいに終わらすかというのが、ゲームのような感じがして好きで。他にも仕事をする中で「以前より早くできた」というものがあったり、そういうことに達成感を得られるんです。レースでも同じように「このコースを以前より早く回れた」といったことに達成感を得ています。そういうことがやりがいになっています。

---達成感を得る過程に似ている部分があったという事ですか。意外でした。

まだまだ若くて、あれもこれもしてみたい事が多いはずですし、「これだ!」って思って1つに絞り切るのって中々難しいと思うんです。でも新川さんは、「これだ!」って思って、普通の会社員にとってのプライベートタイムを競技のために充てていますよね。自転車のどこにそこまでの魅力を感じているんですか?

新川:私は元々弓道をしていたんです。でもそれを辞めてまでロードレース1本に絞りました。その理由としては、「自分の足で、人力で、こんなにも速く走れるのか」という感動を味わったことに加え、友人にたまたま誘われて初めて出場した大会で優勝した嬉しさがあります。そこからどんどんはまって行きました。弓道では考えられなかった、心拍の上がる辛い練習を超えて大会で得られる達成感がとても大きい。私にとって、“初めて大きな達成感に出合った競技”でした。

---練習の過酷さは想像を絶するものなのでしょうね…。その練習の辛さが報われるのって、やっぱり良い結果を残した時じゃないですか。普通の人だったら、「友達と喧嘩した」とか、そういった私生活での落ち込みですら仕事にひびいてしまうのに、力を入れている競技で良い結果が残せなかった時の落ち込みは相当だろうなと思います。そういった時はどんな風にストレスをコントロールしているんですか?

新川:職場で全く関係ない普段の生活のことを話したり、自転車で失敗したことを競技と直接関係のない人に話したりできて、そういったことでとっても楽になるんです。
それに、どうしても大会のために休まなくてはいけない時があって、迷惑をかけてしまっても職場の人は温かく見守ってくれるんです。職場の人が差し入れをくれたり、励ましてくれたりということがとても温かくて。
“競技の結果が良かろうが悪かろうが、職場の人はスポンサーではない”ということがとても救われます。
もし仮にアスリートとしての活動しかしてなかったら、それこそ競技しかできないから、逆に自分を追い込んでいたんだろうなって。職場の人の応援があったからこそ私はアスリートとして頑張れるんです。

---いろんな立場の人からの応援があることに加えて、一歩離れて自分を俯瞰して見る時間があるおかげで気持ちを切り替えられるということですね!ありがとうございます。


まとめ

自分の時間を切り詰めてまで努力している人が身近にいると勇気が出ます。しかも、時間を切り詰めていることを言い訳にしていないというのは本当にすごいことですよね。そんな新川さんの強さや人柄が、応援したくなる秘訣なのだと思います。

新川さんの働いている現場はポジティブな雰囲気がある職場だとわかり、とてもいいチームワークが作られているのだと感じました。そんな新川さんの実践する、周りの人から応援してもらうコツや、チームワークの高め方についてもっと深堀していきたいです!

…Part2へ続く( https://note.com/meryx/n/nb15574fb75ad )


取材・文 平井龍大朗

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