log:004 知らん間にパーティが進化した話


・最近の若い人は凄い

最近はパーティで年上より年下の人と知り合う機会が増えてきました。

それだけ単純に自分が年をとったという事で、嘆き悲しむ一方でよくもまあこれだけ飽きっぽい自分が音楽・DJ・クラブ・パーティという文化に対して付き合えてきたよなと感心しております。

年代で雑に括るもんじゃないんでしょうけれども、今の18~25歳くらいでパーティやDJに関わっている人を見ると本当にしっかりしているなあと思います。自分が18~25の頃なんて本当に災害みたいな動きをしていた記憶しかありません。っていうか今もそうかも。

彼らの多くは「今自分は何をすべきか・何ができるか」「キャリアを積んで5年後どうなりたいか」まで考えている印象があって、これまた無計画の極みだった当時の自分を省みて「最近の若いモンは…(感涙)」と大層感動しつつも彼らのいい部分を消化吸収する酵素を全く持っていない30歳という存在として佇んでいるわけであります。


・本気でパーティをやる合間に

「30歳になっちゃったな~。今の若い子らは凄いな~」などと呑気に言ってる僕にも確かに18~25歳だった頃はあった訳で、その時全く頑張って無かったかというと別にそんな事もなく、やれることをやろうと足掻いていた頃だったのかなと思います。

俗にいうオファー乞食みたいな事を大先輩にしたことがあるし(今もしてるのでDMくれよな!)、仲間と共に力を合わせてデカいパーティやるぞと海外や遠方からゲストを呼び始めてみたり、とにかく「やるからにはめちゃくちゃ本気でやるぞ!!」と気合だけはめちゃくちゃ入ってたと思います。いやもちろん今も本気でやってるんですが。

その結果、有難いことに遠方から声をかけてもらったりして一緒に遊んでくれる人も増えて本当にありがたさの極みなのですが、ふと「マジでなんも考えずにめちゃくちゃ適当に遊べるパーティが欲しいなあ」という欲求が出てきました。常識的な人の判断だともうそれは家でやれよという事になりますが、常識的でない僕はそういう遊びをクラブで出来ないかなとずっと考えていました。

レコードでDJをしなくなった日が来た

突然の告白ですが、昔っからハッピーハードコアというジャンルが好きです。

↑詳しくは仙台のハッピーハードコア大将、GEN君のサイトをどうぞ

日銭を得てはDiscogsとPaypalの力を借りてヨーロッパ(主にイギリス)にジャパニーズマネーを流出させる代わりにレコードを得るという行為を繰り返しているのですが、自室の半分くらいを占領されたとき位にふと気づきました。

「レコード、パーティで全然使ってなくね?」

いや、確かに届いたときは喜んで聴いて、聴くついでに1~2時間自室でDJして…というのはやってはいるのですが、パーティでめっきり使わなくなったな~と。

人前でDJをやり始めた頃(2009年くらい)はまだ辛うじて現行の曲もアナログでのリリースが頻繁に会って、クラブでもCDJとタンテが両方置いてあるのは当たり前、という状況でした。

当時はCDJといえばUSBの刺せないCDJ-100SやCDJ-200やCDJ-800が基本だったので(CDJ-400というUSBを刺せるタイプもありましたが、クラブではあまり見かけなかった印象があります)CDでもアナログでも持っていく手間があんま変わらないし、それならアナログでいいかな~という人も多かったように思います。かくいう僕もCDとアナログ半々という感じでした。

しかし、ハードコアに限らずですが、2010年頃からDJユース目的でのアナログリリースがめっきりと減り、それに追い打ちをかけるようにターンテーブルの名器、SL-1200シリーズの生産終了(後に復活)のニュースが流れ、世のアナログDJ達は衝撃を受けました。

↑写真は誇らしげなSL-1200MK 3Dくん。シンプルイズベストの体現者です。

更に、兼ねてよりCDJ・ミキサー部門でクラブ側より圧倒的支持を得ていたPioneerより画期的ソフトが誕生しました。そうです、Rekordboxですね。

「Rekordboxって何?」という方も居るでしょうが詳しく説明するには時間と知識が足りなさすぎるので割愛します。めちゃざっくり言うと、こいつとCDJ-2000のお陰で世のDJはUSB一本さえあればマジで世界中どこでもDJが出来るようになってしまいました。

かくいう僕もその恩恵にあやかり、デジタル音源を購入してはrekordbox経由でUSBに転送してそのままパーティへ臨む、というルーチンが完成してしまいました。Pioneer DJさんありがとうございます。お世話になってます。

しかし、「便利になったねえ。いい世の中だねえ」という喜びと同時に、「このままじゃ人前でレコードをかける機会って、下手すると一生無いのでは?」と部屋に溜まり続けるレコードに対して若干の申し訳なさと後ろめたさを感じる日々を送っていました。


・レコードでDJをする日を作った

時は流れ、2016年。ブッキングしてもらった名古屋のパーティ終わりに、名古屋飯のアンセムこと味仙店内で同じGRINDCIRCUSのクルーであるB45H(名義をバッシュと読む彼も、実はハッピーハードコア狂いである)にふと尋ねる。

僕「B45Hって昔レコード結構使ってたよね?最近使ってる?」

B45H「いや~全然。持ってはいるけど」

僕「そういうパーティやらん?」

B45H「やるか~」

というIQ1くらいの会話を経て、同じく神戸のレコード狂いであるRevengeさんに「これは客ゼロでも我々が楽しいのでやりましょう。ねっ!?!?」と半ば脅迫する形で無理やりレジデントとして参加してもらうことに。

After Skoolというパーティ名を秒速で考えた後に、フライヤーデザインはどうする?となったので、ハッピーハードコアといえばこれでしょと、ハッピーハードコアのコンピシリーズであるBonkersを縁があって名古屋で知り合ったイラストレーターのJAIBONさんに再解釈してもらう形で描いてもらいました。

これがオリジナルで、

これもんですわ。最高!

記念すべき初回には札幌のハードコアをアイコンとも言うべきRoughSketchさんと、東京でRAVE MCといえばと真っ先に名前の挙がった石君ことMC STONEをゲストに据えて、個人的にいつもお世話になってるTriangleの屋上で開催いたしました。

なんで屋上で開催かというと「ハッピーハードコアは解放感あるところで聴きたいから」という完全なるわがままです。

当日は楽しくなりすぎてバーサク状態になったまま終わりました。まあ毎回そうなってるんですけど。

一緒に遊んでくれた人達ほんまありがとうございますやで(嘘関西弁)

・レコードと一緒に海を渡る日が来た

不定期ながらも発作的に回数を重ねてきたAfter Skoolなんですが、「2019年の夏くらいにまたやりたいね~~~~~~どうしようね~~~~~~」とクソ呑気に構えていたら、第二回より完全にレジデントになってもらったNMDBさんより衝撃的な連絡が。

「UK行ける事になってんけど、After Skoolの皆で向こうでDJやらん?」

「はい?」

よくよく聞くと、「UKで開催されるバンドもDJも入り乱れてのBOOMTOWNというフェスがあるんだけど、JAPANから面白い奴が居たら出演しなよ」というお誘いに、よかったらAfter Skoolのメンバーでどうですかというお話でした。

Boomtownのダイジェスト動画です。多分僕の住んでる町より人口多い。

そんな事あるか?って話ですが、あるものはしょうがない。行くしかないしやるしかない。

たまたま「レコードで遊ぶだけっていう自己満足だけのパーティやるか~!」と思い立って実行したら、何故か海を渡ってそのレコードの生産地に一緒に行くという不思議なお話でした。

いまDJやパーティをやってたり、これからやりたいな~という人にとって「めっちゃ好きなことを好きな風にやると、それが急に世界と繋がるときもある」というサンプルになればいいな~と思います。

なんて、偉そうな事言ったけど結局は

好きなことやったもん勝ちだし、好きな事やろうな!!!

って話です。どっかで会えたら、良かったら一緒に遊んでね。

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