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ヘビー用レース&ヒラヒラフリルニット

30年前、長女を妊娠し退職した秋、
私がまずやり始めたのは生まれてくる赤ちゃんへの編み物だった。

当時は、子どもができる=退職が世間の常識で、
私も特に疑問に思っていなかった。

手掛けていたプロジェクトは出張が多く、体力的に厳しく結婚して以来、ブッ倒れて夜中に病院へ駆け込み点滴を打ってもらうことが2度ほど続き、自分でも限界を感じていた。
仕事も家事も手を抜きたくなかった。
気を張っていた。

新しい部門のリーダーの候補になっていたが、私にはそこまでの上昇志向はなかった。

陽のあたる静かなリビングで時計を見ると午後3時。
ああ、今頃みんなコーヒーを入れているなぁ。
お土産や戴き物のお菓子を机に配ったりしてるかしら。
昔の話なので、お茶出しは女子社員の仕事だった。

終業までの後2時間でこの資料をまとめきれるか、
制作中の原稿にOKをもらえるか、
そんなことにあくせくしていた感覚が甦り、一人自宅にいることが不思議な気持ちになってくる。

そんな頃、編んだのがこのベビーニット。

まだ性別がわからなかったので白×淡い黄色を選んだ。

私の趣味全開のレース&フリルヒラヒラ…!!
手編みの本に載っている中で一番可愛い作品だった。

満足のいく出来だったが、実際これは子どもにあまり着せる機会がなかった。
というのも、赤ちゃん服はよだれなどで汚れるので洗濯しやすい綿が一番!
ウールのニットは扱いにくい。

そんなわけで、きれいなまま保存されてしまっていたのだが、30年ぶりにまた着せる機会を得た…!
そう、孫ちゃんに着せてみたい…!!

ギャンきゃわ〜〜〜💓
…思わず、理性を失うわ。。。

…ああ、黄色で編んでて良かった〜。
男の子の孫ちゃんにも着せることができた。

…ん?
ニットに…何かキラキラ光る細い糸が……
よだれか…!!
うん、写真も撮れたし満足よ。
持ち帰って洗うわ。
またうちに来た時に着せてあげる!




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