なーんにもない!
自分にはなんにもない。これはもう見事に何もない。
皆さんには何かありますか?何かあるのであれば教えてください。自分にはこれがあるという何かでいいので。例えば小さい頃から大切にしているぬいぐるみがあるとか、例えば歌うことがすごく好きとか、例えば寝ようとしてから睡眠に入るまですごく短時間で済むとか。
わたしにはそういうものがなんにもない!すごい!
ある意味で何かあるのかもしれないが。
何もないと言ったが本当に何もないわけじゃない。先に述べた様な大切にしているぬいぐるみがわたしにはある。ぬいぐるみを大切にできることが、わたしにはある。でも、それが自分を確固と確立させる自信にはならない。
どうしてか。わたしには自分がぬいぐるみを大切にできる様なこと以外の才を望んでいるからだ。
誰かが持っている何かを否定するわけではない。ぬいぐるみを大切にしています、という人に向かってそれは何でもないあなたは何もないと言いたいのではない。だが、それがわたしに置き換わってしまえば何もない。わたしはそういうのが欲しいんじゃない。隣の芝生が青く見えている。
演劇が好きだ。でも自分にその才があるとは思わない。むしろ全くない方だと思う。始めてもいないのになんだかという話だが。
文章を書くのが好きだ。でも人を惹きつける様なものは書いてないと思う。冗長で単純でなんの知恵も知識もない言葉の羅列がそこにあるだけだ。
わたしはこの両者において人から認められる才が欲しい。持っている人が羨ましい。それだけに留めておけばいいものの、ここから派生して自分には何もないと落胆する。浅ましくて若くて可愛いとすら思う。自分に何があるかなんてこれから探していけばいいものをもう諦めているのは、可愛くて一般的な死までのモラトリアムにままならないと思う。
とにかく自分にあってほしいものがないから、何もない人間が形成されていると感じている。あーあいいなわたしも何か欲しいよ。これはほんとになんでもいいんだ。何かがあって自身を認められる様になりたい。特別な才じゃなくてもいい。芝生は青いし花は赤いよ。
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