ITOくんのフルブローグ製作メモ #6
どうも、週末靴職人のTomiです。
アッパーが完成したITOくんの靴。底付けのための工程に進んで参ります。
まずは木型の底面形状を写し取っていきましょう。
こんな感じで、テープを底面に貼って形を切り抜いていきます。これを型として少し大きめに中底を切り出して、濡らしてから木型の底に釘で留めてゴムバンドで巻きます。木型の底面形状の癖をつけるためですね。
中底というのは靴を履いた時に足が触れる面の部分です。自分の足の形に沈み込んでくれたり、汗を吸い取ってくれるとても重要なパーツですが、量産靴では厚みのある革(もはや革ですらないものも多いですが)は量産工程やコストの関係であまり使われません。手製靴では何とでもなりますのでここでは6ミリのたっぷりとした厚みのものを使っています。
こうやって1日干して癖をつけ、その後ゴムを外してもう数日よく乾かします。乾くと少し縮むのでその分を見越してやや大きめに切っておくという訳です。乾いたら木型と同じ大きさに切り揃えます。
ここから、この底面を加工していきます。今回、ハンドソーンウェルテッド製法という作り方で靴を作りますので、その名の通り、手でウェルトというパーツを縫い合わせていきます。そのための加工をするんですね。
加工後がこんな感じです。1周ぐるりと土手みたいなものを掘りこんで、この土手に穴を明けてアッパーと中底を縫い留めていくんです。
ここまで出来たら、先に芯(踵側の芯とつま先側の芯)を木型にあわせて癖付けしておきます。
この芯も、厚みのあるヌメ革を手で部分的に漉いて端はペラペラになるまで薄くします。量産靴はほとんど化学繊維みたいなものを使っていますが、厚みのある革の方が履く人の足に馴染んでいきます。
そうしましたら、いよいよアッパーを木型に釣り込んでいきます。
釣り込むっていうのはこういうことですね。木型にアッパーを被せてぎゅーっと引っ張って釘で留めていくことでアッパーが靴の形になっていきます。
踵側には先程癖付けした芯が乾くと硬くなる接着剤で貼り付けられていますので、乾かないうちに手早く釣り込まなくてはいけません。つま先側の芯はまだこれからです。
今日はここまで。
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