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〜作者のネタバレ感想(「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」)〜

*注意*
こちらは映画の完全なネタバレ感想となっています!!!
「まだ入村してないよ、ネタバレ、ダメ!!」という方は「~作者のひとりごと感想(「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」)~」の方を読むか、何らかの形で映画を鑑賞してからお読みください。
またネタバレを読むか読まないかは、自己責任でお願いします。

お久しぶりです、作者です。

忙しさからやっとのことで浮上できたので早速、後日と皆さんにお約束していたネタバレ感想の方進めていきたいと思います。
相変わらず時系列や箇条書き、感想数が多いので冒頭はこれぐらいにして、さっそくですが語っていくぜ!!(めっちゃ長いので注意!!)

(作者のネタバレ感想 まとめ)

・いきなりの山、廃村。ここで何が…
「明らかに何かやばいことがあっただろう!」と言わざるを得ない廃村を訪れる記者の男性から物語がはじまるのですが、鬼太郎!猫娘(スタイル良⁉)!親父さん!とおなじみの顔が出てきて若干ほっとしたのもつかの間、鬼太郎の「おかあさん」の一言とお化け屋敷感覚で鑑賞者を不安にさせる廃村の数々の違和感。
一回目の鑑賞時、いきなり妖怪が叫んだときは作者、マジびびりしました…

・物語は過去へ、運命の男。水木の登場。
さっき驚かされたと思えば、いきなり戦後にタイムトラベル。
夕日をバックに戦後の敗戦色濃い日本の風景に、悲しみを覚えることもつかの間、舞台はある銀行の一室へ。
なにやら慌ただしい上司を横目に、立ち上がる青年銀行員の姿が……そうです、彼が水木。本作の(いろんな意味での)運命の男です。
あらゆる物事に対して敏感で、貪欲で、鋭い印象をはじめは受ける水木なのですが、その理由は後程。
そして水木、最初の廃村になった村へ向かってしまいます。大丈夫か!?水木??

・鬼太郎の父、登場。漂う”死”のかおり
大きな金魚のエフェクトに「おぉ」となったのもつかの間、煙草を普通にスパスパ吸いながら列車に乗っている人たち(当時は普通だったそうです)を見て今の社会とのギャップを感じつつ、不吉な旅に旅立った水木を画面越しに眺めます。大丈夫か?(二回目)
そうしていると、不意に無〇さま?と一瞬よぎる声が聞こえたかと思えば鬼太郎に似た長身の男の姿が……(これが父です)
乗っていた列車がまるで無人列車のようになり、「死相が出ている」とう不吉な言葉と共にある幻覚?にみまわれる水木。
しかし、次の瞬間戻ってしまうので夢か現か……水木の旅の行方は果たして??

・哭倉村に到着、作者ちょっとだけ癒される。
電車で半日くらい?かけて水木が到着したのは冒頭で廃村となっていた哭倉村
緑がいっぱいあって、どうしてここが廃村に?鬼太郎と何の関係があるの?と思っていた作者ですが妙なアングル(おそらく妖怪目線)などになんとなく気配を感じつつ水木と共に村の奥へといざなわれました。
そこで、可憐な和装のお嬢さんと出会う水木。
名前を沙代さんといい、なんとも可愛らしい女の子で途中から来た小さな男の子・時弥くん、水木との仲睦まじい三人の様子にほっこりとした作者。(ただし、2回目の鑑賞ではにっこりできなくなる…)
いつまでも続け、この空気感……

・出たなcv石〇彰キャラ!からの社長~
先ほどのほのぼの会話から一転して、いきなり現れる村長・長田といかつい使用人たち。しかも、村長のcv石田さんなので、言っちゃ悪いけど胡散臭い…
「水木、いきなり格闘でもするのか…」と不安に感じていると、水木の取引先であり親交のある克典さんが助け舟を出してくれます。
社長ほんと助かる…

・犬〇家か?金田〇か?不吉な後継者問題
少しさっきの三人のやり取りにほっこりした矢先、いきなり始まる不吉全開の後継者問題。
今となっては田舎ってなんとなく自然が多くていいところが多いイメージだけれど、この物語の時代的に言うとコミュニティの閉塞感?や独自の暗黙の了解?みたいなのの存在感がすごいだけあって水木のよそ者感が出るし、座敷で「龍賀一族(この村をおさめてる一族)」の関係者が集まってるシーンはなんだか不気味でちょっと怖かった。
しかも、いきなり麿みたいな風体の時麿(長男)さん出てくるし、龍賀親族はバチバチだし、うめき声と同時に屋敷揺れるし、沙代さん同様「助けて」と思う作者…
ただ、ねずみ男(若)にはちょっと癒された。

・水木の抱える戦争の生々しい記憶について
それぞれの部屋で一族の伝統らしい「おこもり」をする水木。
取引先の家とはいえこんなところに来てしまって大丈夫なのか?と不安になっていた矢先。水木の過去が悪夢という形で現れます。
というのも、それは従軍時代の記憶。
おそらく太平洋戦争のインドシナ方面っぽいジャングルで無策にも敵の銃弾の中を無我夢中で駆ける軍服の水木の姿が…
今ではこういった戦争時代のアーカイブなんかをみる機会が少ないので、衝撃を受けた方もいると思うのですが個人的にはこういった戦争をアニメとはいえ織り込んでくれていたのはすごくよかったと思いますし、鬼太郎の作者である水木しげるさんも実際に戦争時代を生き抜いた方なのでその名字を冠した水木がよい伝え手となっていたように思います。

・いきなり始まる「一族の呪い?」とある男との再会
後継者の問題から一日、いきなり事件が発生します。
というのも後継者に任命されていた時麿が謎の死を遂げたというもの。(しかもグロい死に方)
水木もその場に現れ、現場を目撃します。
そこに居合わせた皆が混乱する中、村長といかつい使用人に引っ立てられてやってきたのは水木に「死相が出ている」といったあの男で怪しいとされて斧で殺されそうになる男を水木同様、作者も( ゚Д゚)エッと狼狽しながら見ていたのですが、水木、よく止めてくれたよ…そして安定の社長。
しかし、水木は男の命を助けたことから監視を言い渡されてしまいます。大丈夫か……

・ほんわか会話からの、ゲゲ郎、脱走⁉水木の奮闘
よくわからないまま、命を助けた男の監視をすることになった水木。名前を聞いても無反応で、ここでゲゲ郎と名前を勝手につけます。終始無反応で「バディとは?」と迷走していた作者ですが、夜になって来た時弥くんに対してのゲゲ郎の圧倒的父親感。
そして、それが終わった後の水木とゲゲ郎のやり取りにまた少し胃がキリキリ…
約束を破った水木はいつの間にかちゃっかりと牢屋に入れられていて(でも扉開けてくれてるの優しいね)翌朝、失踪したゲゲ郎を探すことに。しかし、意外とすんなり見つかるゲゲ郎。
「こんな大変なのに温泉なんか入ってる場合か⁉」と内心突っ込みつつも物語はさらに悪い方向に…

・深まる一族の謎と幽霊族
ゲゲ郎と奮闘をしたかと思えば、窓際のおじさまに社長からの龍賀製薬で扱っている「M(正体不明の劇薬)」の正体を探ってくれとか、ボートに乗って浮島に向かうゲゲ郎(自由人)を見つけ、ネズミ男にお願いをして(ここのシーンかわいい)追いかければ謎の生物に襲われ、最後に丙江(次女)さんの死が…(グロ注意)
これだけでも水木、キャパオーバーじゃないのか?となるのですがさらにゲゲ郎が幽霊族と言われる一族の最後の末裔であること。
見えないけれど妖怪が存在することを聞かされ、いよいよ気絶。
しかし、互いへの理解が深まりつつある二人は互いの目的のための再び手を取りあうことを選びます。何を見ても逃げる出ないぞ…

・沙代との交渉、切ない告白。
前日に見つけた窓際のおじさま・孝三(次男)さんがどうやら浮島の秘密を知っている様子。
ここで少し打算的な気持ちを込めて沙代さんに面会の手配を依頼するのですがここの沙代さんからの「自分をこの村から連れ出してほしい」という告白がなんとも切ない…
この時、もう少し水木が沙代さんに寄り添えていたら…と後になって後悔することになるのですがすべては後の祭り………

・墓場で酒盛り、いいね…
色々なことを乗り越え、少しずつ親密度が上がってきたゲゲ郎と水木。
つるべ火と呼ばれる妖怪の明かりにともされながら、天狗の酒を飲むのですがこのシーンがまたすごくいいんですよね。
ずっと探している妻との出会いを回想するゲゲ郎。
人間を信じ、その世界で生きていた妻がいたからこそ、人間との交わりに少しずつ心を許したことを語り、そんな妻に出会い、大切なものに気づけた自分と同じようにいずれ大切な人が現れ、守りたいものができると水木に優しく語りかけます。(まさに親父)
戦後、なんとか帰国したものの家も何もかもを母親同様、奪われた水木。「弱いものはいつも馬鹿を見る」と理不尽な世の中にやり場のない怒りをぶつける姿をみていると今のように「平凡に、ただ幸せに生きる」というのが当たり前でないことがよくわかります…

・妻の手がかり!裏鬼道!狂骨!、情報てんこ盛り
沙代さんの手配で浮島の秘密を知る孝三さんと顔を合わせる水木とゲゲ郎。常に何かにおびえていて、終始正気ではないように見える孝三さんですが彼の描いた絵がスケッチブックからはらりはらりと落ち、そこにはなんとゲゲ郎の妻の姿が⁉
妻の所在を必死になって問い詰めるゲゲ郎ですが、孝三さんは知らないの一点張り。これもあとでわかりますが、孝三さんはかつてゲゲ郎の妻を助け出そうとしてくれたのですが、その罰として精神を病まされてしまったんです…
そしてしれっと現れた長田と裏鬼道(陰陽道を外れたやべーやつ)とゲゲ郎の戦いが始まります。(ここの作画がほんと凄い)
しかし、長田が操る特大狂骨(井戸に捨てられた人の魂の怨念の妖怪)によってゲゲ郎は倒されてしまい、その後、捕らえられた先で妻の所在について、龍賀の秘密や因習について知らされるゲゲ郎と水木なのですがどちらも悲惨の一言。どうなる、バディ………

・どうする水木…どうなる水木…
さっきからどうする水木?的なことしか言っていない気がしていますが、マジでこの話はある意味、水木の選択にすべてがかかっています。(さすが運命の男)
ゲゲ郎が捕らえられ、一族の一人で時弥くんの母であった庚子(三女)さんも死亡し、沙代さんに提案されたように逃げることもできたがそれをせずにゲゲ郎を助けにいく決断をする水木。これもある意味、物語の大きな分岐点ですよね。

・沙代の秘密と一族の崩壊
いきなり大ピンチのゲゲ郎なのですが、水木によってまたもや救われます。(水木~~)
しかし、そこで乙米さんから聞かされた沙代さんの秘密に一同驚愕。とはいえ、水木は妖怪と交わりを持ったことで妖怪が見えるようになっており、沙代さんの背後にある闇にこの頃ようやく気が付くんですね。(遅いよ!!!)
信じた水木にも受け入れられず、自身の操る狂骨(妖怪)を暴走させる沙代さんにそれに襲われて死亡する乙米さんに長田に裏鬼道etc…これも本当に可哀想で、誰が悪いわけではないのですがいたたまれないシーンが続きます。
(この時少し思ったんですが、龍賀の人が死ぬ時って基本的に左目を貫かれたり、えぐられたりして死んでいて鬼太郎も左目は隠しているしなにか関係があるのかしら?と不意に思ったりしました。)

・「行こうぜ」、呪いの元凶との対峙
沙代さんも死んでしまい、いよいよ龍賀一族が終わりを迎えようとする中。ゲゲ郎と水木は最後の元凶を断つため、真実を求めて浮島の最深部に向かいます。
と、ここで待っていたのは何と時弥くん⁉
「なんで?」と作者も最初は思ったんですが、みるみる内に顔だけ変わりおじいさんの姿に(ギャーー!!!)
実は亡くなった時貞(龍賀の元凶)が時弥くんの体を乗っ取ったことが判明するんですね。
なんてオジジだ!!けしからん!

・悲しき再開、特大狂骨再び
さぁ、最終決戦となるのですがここでも悲劇が…
なんとMを製造するために幽霊族が生贄として桜の木の下に埋められていて、その中にゲゲ郎の妻である岩子さんもいたこと、そして鬼太郎を妊娠してずっと守っていたことが判明。
顔色も悪く、昔の面影も無くしてしまった岩子さんを前に作者も涙、涙でそこに追い打ちをかけて狂骨にゲゲ郎がボコられるのでほんとにつらい。(許さんぞ、オジジ!)

・鬼太郎ちゃんパワーと噂のツケハラ
ここでもかなり大ピンチなのですが、やっぱりいつの時代も子供の力ってすごい。どんな状況下でも、自分より小さい子が泣いてたら「しっかりしないと」って冷静になって自分を鼓舞し、「やったるで!」と奮い立つことができるよね。
鬼太郎ちゃんパワーほんと凄い、ご先祖様にもしっかり届いたよ(泣)
そして最後にやっぱりやってくれる運命の男・水木。「ツケは払わねぇとなぁ!!(ツケハラ)」とオジジの操る狂骨のどくろを破壊し、言葉通りオジジはツケハラさせられます。
これがほんとの、ク〇ジジイ…

・涙の別れ、また合う日まで
やっとのことで一件落着かと思いきや、依り代を失った狂骨たちが大暴れします。ここで、哭倉村が廃村となった理由がようやくわかるのですがある意味「自業自得」だね…(そして可哀想な死を遂げる社長と孝三さん)
しかし、そんな状況でも人間を見捨てないゲゲ郎は自分の肉体を使って狂骨の怨念を引き受けると言います。
「そんなこと、お前がしなくていいだろう」と水木に全同意の作者だったのですがあんな顔で、あんな優しい顔で言われたら納得せざるを得ないじゃないですか………
呪いを受け、みるみる内に腐敗していくゲゲ郎と託された岩子さんを抱えて走る水木。しかもその後、水木は記憶を失ってしまいます。
二人が再び会えるのはいつになるのか……

・現在へ回帰、未来への願い
めっちゃ気になるところで現在へ帰ってくるのですが、そこでも狂骨の襲撃を受ける鬼太郎たち。
しかし、目玉おやじが何かに気づき、攻撃を止めるよう言います。というのもその狂骨は時弥くんでここでも作者泣かせの一言が…
「忘れないで」
確かに人は忘れられて初めて死んでしまうという説がありますが、ほんとにそうなんでしょうね。そして、このことを語り継ぐと言ってくれた記者のお兄さんには感謝しかない。

・切なさが押し寄せるエンドロール
ここまでいって、「あー、終わっちゃった」と思って油断していたらエンドロールで特大の爆弾が。
なんと、記憶を失ってからの水木がゲゲ郎夫婦と再会し、その最後を見届ける様子がもの悲しくも優しい「カランコロンの歌」のBGMと共に流れます。(涙腺崩壊)
そして最後、墓場でゲゲ郎のように髪を真っ白になった水木が鬼太郎を不気味だと落とそうとするのですが記憶の断片がそれを阻止。
雨の中、鬼太郎を抱きしめる水木にそれを見つめる目玉おやじの姿…
再び二人は再開したのでした………

と、めっちゃくちゃ長くなってしまって大変申し訳ないのですがこれにて終了です。(長いわ!!)
2回鑑賞しに行ったこともあってか、かなり記憶が鮮明なだけあって色々書いてしまいましたが、それだけ本当に良かった映画だったとしてご理解いただければ嬉しいです。

さて、皆さんもお疲れでしょうからこの辺で終了しましょう。
最後に、作者がこの映画を観た後で知って感動した言葉で締めたいと思います。それではさようなら👋

鬼太郎のチャンチャンコは、鬼太郎を守ろうという何万人もの祖先の思いのかたまりなのだ
それは一人の人間が生きているということは、その背後におどろくほど永い祖先というものがあるのだという考え方から来ている

『ねぼけ人生』


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