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~作者の推し本(「沈黙」)~

「踏むがいい。踏むがいい。
 お前たちに踏まれるために、私は存在しているのだ。」

遠藤周作 「沈黙」より引用 

おはようございます、皆さん。

今回は「作者の推し本」と称して、作者が「これ読んで~!!」と声を大にしてオススメしたい本を紹介していきたいと思います!
さてさて記念すべき第1回目は、作者の人生のバイブス本の一つである遠藤周作さんの「沈黙」についてです。
ここで少し「作者の推し本」紹介するにあたり今後、皆さんにご承知いただきたいことがあるので簡単に説明させてください。
よろしくお願いいたします( _´ω`)_ペコ

目次の基本構成は主に2つ
①大まかな作品内容と主要人物
②作者の感想

①については作者が簡単にまとめた相関図や公式さまのお力をお借りしたあらすじの引用など、事前知識・振り返りとしての役割を持たせています。
次に②は作者の個人的なネタバレなしの感想なので「ふーん」くらいで流してください。

ご承知いただけましたでしょうか?
それでは早速、「沈黙」語りをはじめましょう(^_-)-Go!


①大まかな作品内容と主要人物

・作品内容
さてさて、本を紹介する上で一番大切な作品内容の紹介なのですが作者一人で紹介すると知らぬ間にネタバレなんてことになりそうな危険を感じたので、作者が購入した新潮文庫様のお力を引用という形で使わせていただこうと思います(o_ _)o))ペコリ

島原の乱が弾圧されて間もないころ、キリシタン禁制のあくまで厳しい日本に潜入したポルトガル司祭ロドリゴは、日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と悲惨な殉教のうめき声に接して苦悩し、ついに背教の淵に立たされる……。

(新潮文庫 遠藤周作「沈黙」より一部引用)

一応、分類としては歴史小説として分類できるのですが、実名と仮名などが混ざっている+史実の空白部分の創作が混じっているので歴史創作ともいえる作品となっていて、うーん、分類するって難しい……

・主要人物
さて、人物に関しては一人一人語ると長くなってしまうので、作者が作った相関図で簡単にイラストでサクッと見ていこうと思います。
(注意していますが、分かりにくい、
ちょっと違う等あったらごめんなさい…)

作者が個人的にまとめたものです、あしからず…

もちろん、ここで紹介した主要人物以外にも物語を彩る登場人物はたくさんいるのでその人たちとの出会いは是非、物語の中で…
(ちなみにしれっと書いてますが棄教というのは、キリスト教を捨てることで皆さんも小学校の時に学んだ「踏み絵」などを通して信仰心の放棄を示すことです。作中では「ころび」といわれています←ここ大事!
しかも、ロドリゴにはモデルが存在するのだとか…)

神が沈黙する中、主人公・ロドリゴの選択はいかに……

②作者の感想

久しぶりにこの本を開いて、その物語に触れたのですが、やっぱり遠藤周作さんはすごかった。感動。
年齢が上がっていく過程で違う本を読んでみるのも楽しいものですが、過去に読んでいた本を読み返すというのも自分の作品に対するとらえ方の変化を知れてまた違った面白さがあるなと思いました。(新発見!)
と、その話は一旦置いておいて、感想なのですが作者としては遠藤作品の中で常に問われる「信仰」と「神」のとらえ方を海外と日本の視点で知り、自身のとらえ方にも影響を与えた最初の作品になったと思います。
まず、「神」や「信仰」の海外と日本の視点の違いについてですが、物語の中間で出てくる主人公・ロドリゴとある人物の対話シーンがとても印象的で、ロドリゴも様々な日本人信徒と触れ合ううちにその”差異”について気づいているような気もするんですが、それに気づいてしまうと彼らの信仰を、死を否定するような気がして「う~ん、ジレンマだな」と作者もロドリゴ同様に悩みました。その辺の解釈って難しいですよね。
あと、自身の「信仰」と「神」についてのとらえ方なんですが今の日本は多宗教ですし、八百万の神々などの考えかたもあるので一神教の方々とかキリスト教onlyの方々の気持ちってあんまりわからない部分が多くて(すみません)…
でも、遠藤周作さんが描かれる「弱いもののために寄り添う神の存在」というのにとても衝撃を受け、この年になって見返してみると、ただ弱い者のために寄り添うだけでなく重要なのは「その人に寄り添う」というそれぞれの中に独自に出来上がる神の存在でありそれに対して寄せる個々の思いが「信仰」なのだと思い至りました。(あくまでも一個人の感想です)
そこで不意に思い出したのは、昔から人が死後の世界や輪廻を信じるのは心の安らぎを得るための行為であって、そういった精神的な支えが人を生かすのだというお話。いつ、どこで聞いたかなどはあまり思い出せないのですが、個人的には結構、理にかなっている考え方かなとも思いましたし、ある意味「沈黙」を読んだ後ではつながりが見えるような見えないような…
どこまでもDeepな作品だぜ……

と、大体の感想はここまでなのですがこの本と合わせてもう一つ皆さんにご紹介したいのは「沈黙」の映画について!
世界観の把握のためにも是非是非、観ていただきたいです。

マーティン・スコセッシ監督版の「沈黙-サイレンス-」
→こちらを作者は先に観たんですが、ほんと凄かった。
外国の方が作る日本の映画って申し訳ないのですがお世辞にも日本の文化背景を理解して作っているのか?と疑うのが多いんですが(あくまで個人の意見です)流石は「沈黙」にのめりこんだ方なだけあって表現が作品とまんまで感動しました(´-ω-`)スバラシイ…

・篠田正浩監督版の「沈黙-SILENCE-」
→こちらはスコセッシ監督版とテイストがまた違った良さがあるのですが、なんといっても遠藤周作さんご本人が合同で脚本されてるというのが凄い。
結末が若干、作品と異なるので分岐ストーリのような感覚もして、少し新たな「沈黙」を観たような心地もする作品となっていて、遠藤周作さんも携わってるので本当はこっちを描きたかったのかな?なんて思ったり……

今回はここまで!
次回も遠藤作品をご紹介しますので乞うご期待!!
それでは皆さん、さようなら~👋


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