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『劇場版シティーハンター<新宿プライベート・アイズ>』と、街で聴けなかったミュージック

 どうしてだったか全然覚えてないけど、1人でこの映画を観に行った。
 理由は一生思い出せないと思うけど、(時間がちょうどよかったりしたんだろうな)わたしは、この映画にとても感謝している。


 少し遡ってわたしの話をすると、中学生の頃からBase Ball Bearというバンドのファン。高校生になったときくらいに、「愛はおしゃれじゃない」という楽曲が発表され、岡村靖幸の音楽に出会った。

 その衝撃たるや!これはすごくオシャレで、聴いてるあたしもオシャレすぎる!と、なんかとにかく、聴くたび機嫌が良くなって、日に日に愛が増していた。
 同級生で岡村靖幸を知っている人なんてもちろんいないし、先生だってあんまり知らないし、ほんと、最高の気分だった。これがわたしの高校時代でいちばん濃厚な時間だった気がする。NO青春高校生やね。

 ただ、リアルタイムなヒットチャートじゃないから、岡村ちゃんの音楽を聴くためには、わたしが自分で再生ボタンを押すしかなかった。街のどこかで聴けることもなく、誰かがカラオケで歌っているわけでもない。それって、少しだけ寂しい。


 『劇場版シティーハンター<新宿プライベート・アイズ>』で、モデルがスタジオで雑誌の撮影かなんかをするシーンがある。そこでは、スタジオの雰囲気を盛り上げるためのBGMとして、岡村靖幸の「SUPERGIRL」が流れる。
 はじめて、わたし以外の人が岡村ちゃんの曲の再生ボタンを押してくれた。
 予期せぬタイミングで岡村ちゃんの音楽を聴いて、泣きそうだった。本当に、こんなことで感情は昂るんだ。

 お昼の放送でボカロをリクエストする高校生をバカにしてはいけないんだ。とんでもない瞬間なんだ。突然好きな音楽が聴こえてくることって、あなたたちにはあるのか?

↑今こそ聴かせてやる

 映画の見方って人それぞれあるし、思い出も様々。映画館に映画を観に行くって、やっぱりアクティビティなんだね。
 自分だけの思い出と映画を結びつけていくたびに、苦手な映画がひとつ減る。人が一生懸命つくったもの、だいすき。

 『劇場版シティーハンター<新宿プライベート・アイズ>』はU-NEXTで見られるよ♡

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