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【エッセイ】胡散臭いおじさん。

こんにちは。

今日は、前回の続き。ブライダル業界で出会ったおかした人たちについての2回目です。



前回のN氏が退職した後、新たにスタッフの募集をすることになりました。募集人数は2名。

そこで入社したのが、I氏でした。年齢は、私よりひと回りくらい上の小太りの男性です。

イベント系の仕事は経験があるものの、音響照明に関しては殆ど素人でした。

年齢的にも、所長候補として入社した為、半年である程度の結果を出さなければいけないということで、私たち平社員とは最初からスタンスが違いました。

勿論、全ての仕事を網羅してもらわなければならなかったので、次長からの圧力も半端なかったと思います。

しかし、あまり成長は見られず、覚えられないことも多く、また勝手に判断してしまうこともあり、私から見たら正直所長には向いていないと思いました。

ある日、事務所にI氏宛に電話が来ました。たまたま休みでいなかったので、その旨を伝えて電話を切りました。

ただ、その電話って言うのが変で相手の名前を聞いても決して名乗らないのです。

数回その電話がありましたが、いずれも同じような感じでした。

半年が経過し、I氏は結果が出せなかったので、解雇になりました。

当然ですよね、オペレーションも出来ないし、事務作業もこなせなければ、業者さんとの関係も良好に築けない。

辞めてから少し経ち、また電話が来ました。

もう、辞めたので、居ないと伝えると…相手は名乗りはしないものの、何故I氏と連絡を取りたいかを伝えてきたのです。

“I氏が以前住んでいた地で、家賃を滞納していたから、それを支払って欲しい。人探しサイトで、探している書き込みをし、ここで働いていることを知った。住んでいた場所も突き止めたが、今はもう住んでいないようで、探している。”

と。

しかし、私たちも辞めた後、どうしたかは知らないので、力になれないと伝えました。

そこで、その人探しサイトを検索してみました。確かに、I氏のフルネームと共に写真も掲載されていました。

さらに驚いたのが、I氏が犯罪者だったことです。

罪状は偽造有印公文書行使などの罪です。要するに、運転免許証を偽造して、それを売り利益を得ていたそうです。

会社は、それを知っていて雇ったのか…上司に確認しました。

知っていたんだそうです。衝撃ですよね(笑)でも、ちゃんと罪を償って真っ当に生きると言ったから採用したらしいのですが、結局家賃を滞納して逃げているんですから、まともな人間ではありませんよね。

それから、度々I氏のFacebookが更新されて、新しい会社を立ち上げたり、移住したなどの情報は見ましたが、とにかく関わりたくなくて、それ以降のことは知りません。

犯罪を犯した人が、それ以降、普通に生活してはいけないのかについては、そうではないと思います。

ちゃんとしている人だって沢山いると思うので。ただ、I氏の場合はそうではなかっただけの話です。

どこで道を間違えてしまったのかは分かりませんが、人って滲み出てる胡散臭さみたいなものは、消せないんだなぁと思います。

誠実でない人は、きっとどこまでいっても不誠実なんだと学んだ出来事でした。

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