無計画な生活と逆算能力

投資用不動産の営業を思いもよらずクビになって2ヶ月間無職で過ごした。
途方に暮れる間もなく各種求人サイト、転職エージェント、ハローワークに通い、藁にもすがる思いで、色んな人に連絡し、様々な人のもとを訪ね歩いた。
知らぬ間にお腹に贅肉がついていた。

求人サイト、転職エージェントから毎日10〜20社ほど応募した。200社以上は応募したと思う。そして程なくして今の会社で営業職として勤務することになった。

今現在、絶賛正社員勤務時間更新中。前の会社もその前の会社もその前の前の会社も私を3か月以上正社員として雇用することを許さなかった。今いる場所は、本社から離れた小さな支店で2±4歳ぐらいの人で構成されている。同年代であるため仕事、興味関心、趣味も共通しており、とても働きやすい環境である。そして、何よりリーダーが私を殺すのではなく、活かす方法を考えてくれている。子どもの頃思い描いていた未来像とは違うけれど、今は充実していて楽しい。何を仕事にするかではなく、誰と仕事をするかが重要なのかもしれない。

そんな今の会社で、営業マンには逆算能力が必要であると言われた。その能力がなければいつになっても契約はとれないと。

そもそも今までの人生で目標から逆算して計画を立てたことはほぼない。夏休みの宿題は、ぎりぎりまでやらないし、高校受験では漫然とただひたすらに課題をこなしていた。それでも何かに向かって努力し続けることで結果が得られることはなんとなく分かっていたから物事を投げ出すことなく継続してきた。それなりの人生だったと思う。

営業における逆算能力。
それは1時間に何件電話をかけ何件アポを取り、何件成約に結びつけるか概算することであった。そうすると成約件数の最大値、ノルマを達成するための成約率がわかる。ただ漫然と日々を送るのではなく、限界が分かると不思議と力が湧いてくるし、毎日の仕事を一生懸命やろうと思うようになる。自分が設定した限界を越えたい気持ちになる。目標を立てることは思考を整理、スッキリさせることかもしれません。

それから毎日僕は目標と毎日のスケジュールを立てるようになった。基準ができることで予測と実績の比較が日々できるようになった。毎日、雀の涙ほどではあるが自分が出した成果が可視化され、おもしろい。

ビジネスの世界ではこうした尺度で人がおおよそどのくらいの価値があるか推量されるようだ。市場価値。この人は年収300万、この人は年収600万といった具合に。ビジネスの世界では、自分にどれだけの利益があがるかという行動原理に基づいて、基本的には皆行動する。だから、僕はこんなにも会社をクビになるのだと思う笑 会社も利益を出さなきゃいけないから見切りをつけられてしまうこともあって然るべきかもしれない。一人の人生を狂わせてでも会社として前に進んでいかねばならないときもあるのかもしれない。日本の法律は雇用される側に優しい法律だが、海外ではそうでもないらしい。
一方でどんな行動に価値があるかの基準はそれぞれ違う。社長に媚を売ることに価値があると考える人もいるし、できるだけありのままでいることに価値を見出す人もいる。自分で答えが見つかるまで探し続けるか、手っ取り早く他人に聞くか。苦手を克服するか、それを捨て置いて得意に全力を傾けるか。二項対立、どっちに賭けるか、人生って毎秒命賭け。
僕はいつもありのまま生きることに賭けている。心のままに生きる。それが吉と出るのか凶と出るのか。今のところ、凶ばかり引いてる気がするけど、もう少しこのまま生きてみたい。

一方で、最近、人の価値はお金でなんて推し量れねえんだ!ばかやろう!っていう気持ちも出てきた笑 ビジネス的な思考、この人にいくら投資したらいくらリターンがあるかとかそんなことを友人に対して考え出したら途端に人間関係が虚しくなる。なんか昔よく一緒にいた人で、私をお金という尺度で勘定した人がいて、その瞬間、その人に対する興味が一瞬で消え失せて、私もその人を自分にとって価値があるかとかある種シビヤな目でしか見れなくなった。それって、もう友人じゃない。友達をお金で推し量るような人にはなりたくない。全力で向き合いたい。

でも、全力で向き合うことが必ずしも徳が高いとも限らないから人間関係は難しい笑
概して、僕が全力で人と向き合うと相手は重荷に感じてしまう場合が多々あるようだ。エレカシの宮本さんが「俺は人を愛しているのか 愛に憧れているのかわからない」みたいなことを新曲で言っていて、胸に刺さった笑
答えなんてどこにもないけど、また何か見つけられるように生きてみることにする。

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