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ゆううつな日々とこわい夢

あーあー嫌になっちゃったなあ。何だか全部全部嫌になっちゃったなあ。もう疲れたよパトラッシュ。私の休日っていつなんだろうなあ。

毎日が嵐のように過ぎ去って、来る日も来る日も洗濯してごはん作って洗い物してお風呂洗ってごはん作って洗い物してあーあーあー。

そんな気怠さを押し殺して毎日家事と育児に奔走する。それがきっと主婦なのだ。私は専業主婦になってまだ日が浅い。新参者の中の新参者。だからきっとこんな当たり前の日々がちょっとだけ憂鬱になっているのだ。家事をやらなくては。双子にミルクをあげなくては。泣いている。抱っこしてあげなくては。次から次へと「やらなくては」があるのに、中々思うようにできない。途方もない。終わりはいつだろう。いつになったら今日の私の仕事は終わるのだろう。自分の体も大事だからちゃんと休まないと。早く寝て、早く起きて、それからまた同じことの繰り返し。

こんなに幸せなのに。こんなに可愛い子たちと、大好きな夫がいて、ちゃんとごはんが食べられて、お風呂に入れて、あったかいお布団で眠るのに、何で涙が出るんだろう。悲しくないのに、幸せ過ぎるくらいなのに、どうしてだろう。きっと疲れているんだ、早く寝よう。でも寝たいのに、眠れない。


心身ともに、どうにも調子が良くないなあと思っている最中に生理がきた。「あ、原因はこれだったたのね」、なんて今は余裕を持っていられるけれど、そろそろ燃え尽き症候群にでもなっちゃったのかしら、なんて結構心配していた私だったりする。それでなくても双極性障害を抱えている身であるから、不調が続くと不安になる。だって私は倒れてなんていられないのだ。「やらなくては」が沢山あるし、私の代わりなんてこの世には誰一人としていないのだ。夫の妻は私一人だし、双子の母も私一人。責任感なんてどこかに忘れてきた私が、今現在こんなに責任感に塗れていることを昔の私に教えてあげたいくらいだ。本当によくやってるよ、と自画自賛してあげたい。


生理の影響か、嫌な夢を見た。

双子が知らない一家に連れ攫われた。私は必死にその家を見つけ出し、持っていた鉈でその一家を殺し歩きながら、我が子たちの名前を呼んでいた。しかし双子は、私の手には戻らなかった。

はっと目が覚めて、恐ろしい気持ちになった。でもすぐ傍に双子が眠っているのを見て、「ああよかった、ちゃんといる」と安堵した。よくよく考えて、双子を攫った見知らぬ一家を惨殺して回っていた私自身も十分恐ろしいな、と思ったのだけれど、でもやっぱり現実で同じことが起きたとしても、私は夢の内容と同様に相手を殺しに行くだろうなと思った。それが至極当たり前のように、自然の摂理のように、その行動が何よりも正しいように、私には感じられるから。ちなみに母と夫にこの夢のことを話したのだが、ただ笑われて終わったのだった。意外でも何でもないしね、私だったらやりそうだものね。

きっと親ってそういうものなのだろうな。子どもに危害が加えられたとすれば、後先考えずに全力で守ろうとするものなのだろうな。新参者の私だってそうなのだもの。どの親もそうに違いない。

そうに違いないのにね。どうして最近のニュースには、親が子を虐待したとか、殺したとか、そういうものが毎日のように流れてくるのだろう。こんない可愛いのに、何も悪いことなんてしていないのに、どうしてなのだろう。どれくらい性根が腐っていたら、子どもに手を上げられるのか教えてほしいくらいだ。

あやしても止まない泣き声に、耳を塞ぎたくなることだってある。毎日のお世話を、少しだけ休憩させてほしいと思うときだってある。しんどくて仕方ないとき、それでも頑張れるのはやっぱり子どものお陰なのに。子どもに笑顔でいてほしいから、一生懸命になるのに。

なのに、どうしてなんだろうね。

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