伊坂幸太郎が好きだ

本を買うのは好きだが、本を読むことには抵抗がある。
というか、本をあまり読まない。
というか、唐突に読み出す。
この間も、伊坂のペッパーズ・ゴーストを自分の中では短期間で読み切った。
ニーチェの言葉を多角的な解釈であれだけ考えつくことが凄い。
伊坂さんの本はいつもいつも事件が起きる。
そして、大事なのは渦の中ですんげぇ考える主人公。
それと主人公に影響を与える周りの人。
何が言いたいか、人それぞれの考え方感じ方、捉え方、を巧みにぶつけ合い、
人間ってある一定の状況に立つとこんな感じになることがあるんだぜという、ある種の人間臭さを教えてくれるということ。
でも、その人間臭さというのは、やけに演出に凝った壮大そうでどっかで見たことのある
直感で感じるというものではなく、
優しい数学の先生が数学の苦手な生徒に順立てて、丁寧に教えてくれるような感じだ。
その理屈がとても気持ちいいと思う。
人間てこんな感じじゃないかな。というのを優しく教えてくれる。
だから、ちゃんと腑に落ちて、ちゃんとすっきりする。

話は戻るが、私は本をあまり読まない。
ある作家さんの本を読んだとき、すごく素朴でかわいくて、その本、読み切った。
しばらくして、同じ作家さんの別の本を読んだ。
同じような雰囲気の本だったからいけると思った。
ダメだった。
恋愛もので妙に冒頭が生々しくてダメだった。
何杯も行ける定食ではなかった。
でも、伊坂さんは何杯でも行ける。
それは言葉を装飾的に使うのではなく、しっかりと意味を持って活用している感じがするから。
なんといえばいいのか。
甘ったるい文章を一切排除して、意味だけを持たせた文章を書くというか、
言い方は変かもしれないけれど、学者の論文を読んでる気分になる。
理論、というところに重きを置いたかんじ。
そこを出す場がたまたま物語の中みたいな。
その組み合わせがとてつもなく好き。

とにかく、伊坂幸太郎の小説がすごく好きだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?