ストリートピアノ・フェス2023

 昨夜はストリート・フェスに行ってきた。印象に残った(いいと思った)演奏だけを書いておこう。

ヒビキpiano
彼の代名詞であるショパン「英雄ポロネーズ」とリスト「半音階的大ギャロップ」を両方弾いてくれた! 2曲とも、一度リアルで聴きたいと願っていたので、それがかなって飛び上がる思いだった。双眼鏡を持っていったので演奏している手(指や腕)を見たけれど、リストは跳躍が本当にすごかった。改めて、確実なテクニックを「聴かせて」くれるピアニストだと思った。今後ツアーにも行ってみたい。

ヒビキpiano+松永裕平
2台ピアノでショパン9-2「ノクターン」。こういう曲は1台で弾いたほうがしっとり聴こえてよいのではないか、2台ピアノでどんな風になるのかと思ったが、音が重なって豪華な雰囲気となった。今日聴いたなかでベストの演奏だった。

みやけん
オープニングのオリジナル曲「朝のパレード」。これはよかった。他のピアニストもオープニングに自作曲を持ってきた人は多かったが、ファンでもないのに、オリジナル曲を得意げに延々と聴かされてもなぁ……と思った。しかし、これだけは別である。「ネピサマ 」で知ったみやけんが、もっと好きになった。自己紹介がわりに(長いものではなく)短い自作曲をポンと弾く、という作戦はいいかもしれない。

 素晴らしいと思ったのはこの3曲。

 最後に、こういう演奏者数の多いフェスに参加するピアニストに対して2つ言いたいことがある。
 ひとつめ。聴衆は自分のファンというわけではないのだから、CDやコンサートの宣伝を延々としないでほしい。推しでもない人のセールストークを聴いても時間の無駄としか思わない。
 もうひとつ、ピアニストは一般にトークが下手である。笑わせたり盛り上げるトークをしたいならば、何百回も練習して「お金のとれる」トークにしてからステージに上ってほしい。そうでないなら、トークは曲紹介だけでよい。ひとりの持ち時間はソロと2台ピアノ合計で20~25分程度しかないのだから、1曲でも多く「ピアノ」を演奏してほしい。聴衆はピアニストのトークではなく「演奏」を聴きにきているのである。
 もちろん、ソロコンサートや数人のジョイントコンサートであれば、多数の聴衆が自分のファンなのだから、トークでもセールスでもいくらでも展開すればよい。上記はあくまで、演奏者数の多い「フェス」限定の話である。
 これを読んだピアニストの方、ぜひ考えてほしいと思う。なお、7月末に開催された「ネピサマ」では、さすが全員が配信ピアニストというだけあって、セールストークも最小限、トークが結構上手いなと思う人も「自分のフォロワー」でない人を意識してあまりトークを展開しなかったことを付け加えておく。あの姿勢を見習ってほしい。

https://note.com/merlin_witch/n/nf65c9437c8b3https://note.com/merlin_witch/n/nf65c9437c8b3


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