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即興系ピアノYouTuberライブin勝浦 その1

 昨年9月にコロナに罹患してから、「遊び目的での外出」をしなくなってしまった。たまに、通院後の帰宅途中で少しだけ寄り道する程度のことはしていたが、それも6月までのことだった。
 わたしは元々夏に弱いので、とくに今年は「7月から9月までは、通院以外で電車に乗る外出をしない」と決めていた。
 連日猛暑が続くところへ、先日書いたように詐欺にひっかかりかけたという事情もある。「やっぱり暑いときは自分の注意力も落ちている。どこへも行かず家に籠もろう」と気持ちを新たにした。 
 そんなときに、どうしても行きたいコンサートがあると知った。最近よくYouTubeでピアノを聴いているが、わたしが大好きなツートップ、菊池亮太とござの両氏が2台ピアノで演奏会を開くという。

 わたしは連弾を聴くのが特に好き。ストリートピアノで数々のピアノYouTuberが連弾する動画を数百回見たが、いちばん好きなのがこの2人のものである。

 猛暑が続く7月下旬。夏が苦手なので体力の不安はかなりある。最寄り駅から徒歩20分とあるが、タクシーは望み薄だろうし、焦げ付くような太陽に照らされて歩く中、方向音痴で地図が読めない自分が迷ってたどり着けない可能性だって充分ある。それに加えてコンサートは自由席。席はちゃんととれるのだろうか。
 「行く」と決めはしたものの、不安は募るばかり。
 ピアノのソロコンサートはいくつもある。ひとりのピアニストの「今回の」コンサートに固執しなくても、次の機会、アクセスのよいホールで演奏するときに行けばよい。
 だが、いちばん好きな2人が2台ピアノで共演することは、そうそうあることではない。この機会を逃したらいつになるかわからない。次があったとしても、何年も経ってから、自宅から気軽に行ける範囲内ではない地域での開催になるかもしれない。
 今回は勝浦。遠出が苦手なわたしにとっても、ぎりぎり日帰り圏内だ。次を待っている場合ではない、今しかない!と思い切って腰を上げた。
 特急を奮発して勝浦の駅にたどり着いたが、タクシーは予想通り長蛇の列。歩き出したが案の定道がわからなくなり、迷って近くのお店に駆け込み道をきく。江戸屋さんというせんべい屋さんは、地図を書いて親切に教えてくれた。ほんとうにありがたい。
 急斜面を含み45分ばかり歩いて、なんとかホールに到着。13:15と会場15分前だった。
 「ガチ組」(後で知ったが朝9時から並んでいたという)を先頭に、200人ほどがすでに列を作っている。
 最後尾について20分後。なんとか会場に入って、中央付近のシートに座ることができて安堵のため息。
ステージには2台のグランド。どうもCFX(YAMAHAのコンサートグランドピアノ)と、市内の小学校から借りてきたグランドピアノということだ。小学校ピアノの屋根は取り外してあった。(つづく)

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