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石井琢磨✕菊池亮太 2台ピアノコンサート@十日町

 11月5日(日)15:00から、新潟県十日町の段十ろうにて開催されたコンサートに行ってきた。旅慣れている人にとっては埼玉から新潟なんて「近い、近い」かもしれないけれど、わたしにとっては人生初の新潟だた。
 セットリストは、先立って開催された2人の岡山コンサートともほぼ同じだったみたい。何よりも、このあと焼津で2人のコンサートがあることを考えて、書くのは控えた方がよいかな。
 けれど少しだけ感想を書こう。超朝型で夜に弱いわたしは、Youtubeライブをリアルタイムで聴いたこともない、ライトな菊リスト(菊池亮太のファンをこう呼ぶらしい)にすぎない。いつも21:00からだから仕方ない。さらにリアルの「推し友」もいないから、ここを読む人もあまりいないだろう。というわけで、少しだけならいいかなと。
 まず、この秋に2人の2台ピアノコンサートは岡山、十日町(新潟)、焼津(静岡)と3回あるんだけど、その全体テーマは「クロスオーバー」のようだ。
 というのは、この語がコンサート中何度も繰り返されたから。正統クラシックの石井琢磨と、ネオクラシックの菊池亮太。その2人が掛け合わされてこんな音楽が生まれました! みたいな感じだった。これまでのクラシック音楽人生で、あまりピアノアンサンブルを聴いてこなかったんだけど、なぜか7月の勝浦(「ござ✕菊池亮太」)に続き、11月は新潟まで来てしまった。
 さて、コンサートでは連弾もあった。ファリャ「火祭りの踊り」、バーンスタイン「キャンディード序曲」など。ストリートピアノや配信でなされた2人の連弾を、これまで何度も何度も聞いた大好きな2曲をリアルで聴けて、ほんとに嬉しかった。
 そして、少し変拍子が入っているとか、ぎりぎりで不協和音にならない程度、調性を保ちつつも予想不可能な和音とか、そういうのが自分はほんとに好きなのだと改めて思った。いや、だからこそ「菊リスト」なんだなぁとわかった日にもなった。
 そうそう、このコンサートのために8月に買ったVixen(8✕32の双眼鏡)が良い仕事をしてくれた。8列目だからふつうに見ても表情はわかるんだけど、Vixenをとおすと、連弾のときの呼吸の合わせ方、目線の送り方がすごくよく伝わってきて楽しさ8倍! これだけで、新潟まではるばる来た甲斐があったと思った。
 演奏そのものが圧巻だったのは、2台ピアノでのサン=サーンス「死の舞踏」。ハロウィンが終わったばかりで季節的にもぴったりだった。管弦楽の演奏は(CDで)聞いたことがあったが、2台ピアノ版を聞いたのは初めて。管弦楽版ではシロフォンが担当する「骸骨の音のぶつかる」ところとか、ピアノで聴くとどうかなぁと思ったが、おどろおどろしく、最後は魂を抜くようにて、まさにハロウィンの雰囲気ぴったりだった。
 アンコールは3曲とサービス満点。とくに最後のショパン「革命のエチュード」を2台ピアノで弾くというのがよかった。クラシック畑一本の人は邪道というかもしれないけど、わたしはこういうのが好きなのだ。
 最後に、名入りうちわや手作りぬいぐるみを振ってるファンがいたのには驚いた。ガチのファンはこんなことまでするのだ。
 自分はやっぱり、ライトな菊リストにすぎない。今回ははるばる十日町までがんばったけど、今後遠征まではそうそうできないだろうなぁ。とはいえ、次はソロコンだ。12月の紀尾井ホールが控えている。これもVixenを携えて行かなくては!

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