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会社員からフリーランスへ

 2013年末に翻訳会社を病気退職したわたしは、3か月休養した後に編プロの契約社員となり、2015年9月の契約満了まで勤めた。そこからフリーランス生活が始まったが、最初の数年間は無我夢中。翻訳のトライアルを探しては受け、知り合いから紹介される仕事をすべてイエスといって受注していた。毎日ただ必死でノルマをこなすだけ。
 フリーランス生活にも慣れて、目の前の仕事以外のことが考えられるようになってきたのは2019年。「学び」を生活に取り入れようと決めた。

獨協大学で英語漬け

 まず獨協大学の門を叩いて聴講生となった。英語と英語学の学習が目的である。聴講生では受けられないがオープンキャンパス生ならOKという授業があったので、同時にオープンキャンパスも受講することにした。こうして、仕事の合間に英語史、言語学、翻訳、英語のライティングとスピーキングの課題に追われる毎日となった。その一方でリベラルアーツを学びはじめ、環境問題や哲学などを受講した。
 10代~20代の若い学生たちにひとり混じっているおばさんは目立ったに違いないが、周りの学生も、先生方も、とてもよくしてくださった。若い友人もできて、学内のカフェでラテを飲んだりもした。
 翌2020年にはコロナ禍で授業はオンラインとなったが、内向型のわたしにはまったく苦ではなかった。先生には、メールやフォームで自在に質問できたし、不自由は感じなかった。若い人たちの顔が見えない寂しさも少しはあった。けれども、仕事をしながら学ぶのがずうっと楽になる、オンライン授業の便利さを享受できる嬉しさがまさった。
 しかしその翌年の2021年、コロナ禍により、獨協大学は聴講生受け入れを停止すると発表した。

学びの場を放送大学にもとめて

 衝撃を受けたが仕方がない。すぐに気持ちを切り替えて放送大学へ入学する手続きをとった。
 2年のあいだ。西洋哲学や西洋美術、日本語リテラシーを中心として、ちょっと「面白い」科目も受講してきた。2021年の「錯覚の科学」や2022年「色と形を探究する」がそれだ。息抜きにもなる授業で、視聴しているだけでとても楽しい。

今年のコアはクリティカル・シンキング

 今年は何を受けようかと考えていたら、「錯覚の科学」の菊池聡先生が新科目を開講されることがわかった。「より良い思考の技法――クリティカル・シンキングへの招待――」だ。
 これからの人生を破綻せずに生きていくためにも、とくにメタ認知をきちんと身に着けたかったわたしは、「これだ!」と飛びつくように受講手続きをとった。
 いま、受講を始めて1か月。15回まで視聴したが、知識として脳に入れるだけではこの授業は意味がない、実践しなければ。今日からもう一度、第1回から視聴し直して、日常のモノの考え方を変えていこう。

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