不利な契約書を書き換えてもらう

 わたしはフリーランスとして、まったく契約を交わしていない会社もある一方で、業務委託契約を結んでいる取引先もある。
 ある会社から、先日契約書が送られてきた。署名して送り返してほしいというので契約書を仔細に検討した。
 すると、「(フリーランス側のミスによって当該企業に)損害が生じた場合には、(フリーランスである当方が)損害を賠償する責任を負う」という一文があった。
 これは署名できない。たとえば、わたしが担当した校正業務の指摘漏れによって、ある書籍が刷り直しになったとする。その費用について先方は当方に全額負担を求めることができるという内容だ。そんなことできるわけがない。ただでさえ弱い立場なのに、こちらが不利すぎる。
 というわけで、これを「業務委託料を上限として損害を賠償する責任を負う」と変更してほしいと申し入れていた。
 メールに対する返事はすぐに来て「当社の顧問弁護士に相談してから改めてご連絡します」だった。
 それから1か月経った。そして昨日、新しい契約書が送られてきた。ここには「損害賠償に関する条項を削除し、何らかの問題が生じた場合は、 法律に則って解決するようにし、特約的な内容は盛り込まないように」するとあった。
 契約書を書き換えてもらえたのである。
 やはり契約書はきちんと読んで、不利な内容の契約を結ばないようにしないといけない。切られるのを恐れて言われるがままにサインするのは自分の首を締めることなのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?