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バレー界のレジェンド松本慶彦選手の400試合達成に思う彼の素顔と魅力〜マネージャーからみた景色〜

バレー界には、【松本慶彦】という「レジェンド」がいることをご存知だろうか。

野球界の「レジェンド」といえば、イチロー選手や松井秀喜選手、サッカー界の「レジェンド」といえば、三浦知良選手や中田英寿選手であろうか。
そんな、球界を代表するスーパーな選手が、堺ブレイザーズにいる。

彼の出身は長野県。言わずと知れた長野県の強豪、岡谷工業高校で日本一。
筆者(レオン)も長野県出身であるが、岡谷工業高校のバレーは長野県内でも知らない人はいない、憧れと畏敬の念を抱く対象である。

(写真向かって右が松本選手、左が岡谷工業高校時代の彼の恩師、壬生義文監督)

現在はV1リーグという、日本バレー界の最高峰のリーグで、40歳という年齢で一戦で活躍している。バレー選手の選手寿命は短く、その多くが20代後半で引退を余儀なくされていく中で、今なおコートに立ち続けることがいかにすごいことか。言葉で説明し尽くすことは出来ない。

そんな彼の所属するチームで、私は幸運にもマネージャーをさせてもらっており、彼の偉業達成を間近で見せてもらっている。
そして今日、Vリーグ通算400試合出場を達成した。
冒頭の写真は、今日のものだ。
2021年2月21日(日)

以下、本人コメント

「本日は応援ありがとうございました。40歳で400試合を迎えることが出来ました。今日の試合で勝利できればより嬉しかったのですが、FC東京の強さに押されて勝つことが出来ませんでした。今後もまだまだ現役として頑張って行きたいと思いますし、中学の頃からバレーボールを始めてお世話になった先生方や、所属したチームの監督やコーチ・仲間、そして今所属している堺ブレイザーズの事務所スタッフや監督・コーチと選手皆さん、そして何よりファンの皆さんに感謝しながら、これからもバレーボールを頑張りたいと思います。」

私は試合を終えた彼らとともに、東京からの帰りの新幹線で、この記事を書いている。

マネージャーの私が感じた、彼の本当の凄さをここに記すことによって、心よりの祝福を示したいと思う。

【淡々と、黙々と継続することの尊さ】

まずなんといっても、これである
日々の練習でもトレーニング期でもオフの期間でも、淡々と自分のするべきことを積み重ねる

当たり前なようで、結局この『継続』ということが出来る人は本当に少ない。

彼はオフシーズンでも、1人、トレーニング室に来て、黙々と自分で考えたメニューをこなしている

一度、「すごいですね…ほんとに!」
と彼に言ったところ、
「いや普通だよ、普通。
こういうのはほんと、やっとかないと、若い奴らについていけなくなるからね、ハハハ。」
と言って笑っていた。
彼の中で努力が努力として意識されていないし、当たり前のレベルが高い。

イチロー選手も、

「自分のできることをとことんやってきたという意識があるかないか。
それを実践してきた自分がいること、継続できたこと、そこに誇りを持つべき」

と話しているが、成功してきた偉人はどの分野でも、継続をこともなげにやってのける。

【驕らず・見下さず】

彼は実力者でありながら、驕るようなところがなく、また色々な人に対する対応も紳士そのものである。

私は現在のマネージャー業の前職は、大学教員、という異色?の経歴を持っている。
24歳頃から大学の非常勤講師として教壇に立っており、28で専任講師になるわけだが、その際の社会的地位は多少は高かったと思う。
しかし、バレーボールにより深く関わりたいという想いから、様々な経緯を経て、マネージャーという仕事を今はしている。
華やかな世界のマネージャーではあるが、現実はやはり、社会的な地位が低く、また立場的にも低く見積もられがちである。

そんな私の「立場」の変化は、
人の本質をより色濃く視ることが出来る機会となった

簡単に言えば、「大学教員」のときにはなかったような当たり方を、マネージャーになってからされることが増えた、ということである

権力のある人間にヘコヘコして、下だと見るや粗野な態度で接する

そんな人間のいかに多いことか

前振りが長くなったが、松本選手には、そうした差別的な対応が一切ない
そういったところに、人としての大きさ、器を感じる
我々が想像も出来ないほど、すごいすごいと言われてきてなお、あの謙虚さを持ち続けられる松本選手に、改めて畏敬の念を抱かざるを得ない

【独自の感覚領域】

これに関しては、言語化したところで、一般化出来ず常人には辿り着き得ない境地であろう

ただ、やはり言葉の端々に、独特の感覚垣間見ることが出来る

これに関しては、何度かゆっくり話をしてもらったことがあるので、いつかまとめてみたいと思う

いずれにしても、トップアスリートの体験という経験知には、暗黙知の領域も含めた価値があると思う


あくまで彼にとって、400試合は通過点ではないと思うし、我々としては、いつまでも彼のプレーを見ていたい

今後の彼の活躍に、是非注目してもらいたい

以下は監督コメント

松本選手の400試合達成という記念すべき日を勝利で飾れなかったことは残念でしたが、関わった人達に感謝の気持ちを丁寧に述べる彼の誠実な人柄に、日本バレー界を代表する人物の1人であることを再認識することができました。Congratulations!!

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