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狐の嫁入り

今日は雨の予報だったけど
お天気雨の不思議な空だった。




光の中から雨が降る
不可思議な1日。




ゴミを出していると
年配の黒人女性が
私に話しかけてきた。




「不思議な空ね。
晴れてるのに雨だなんて。

私は雨って落ち着くから
好きだけどね」




「私もよ」と返事を返すと
彼女はいきなりこう言った。




「あなたはとても素晴らしいエナジーを持ってるわ。
どうかそのまま突き進んで。
必ずいい展開が待っているから」




オラクルかと思うほど
彼女の雰囲気も
言葉のエネルギーも




全てが不思議だった。




この日は、私と息子が
パパちゃんが住む家に引っ越す日だった。




と言っても
パパちゃんは仕事の関係で
週末だけ帰ってくるんだけどね。





パパちゃんと私が別れたのは
7年前。




その数年後、彼は別の女性と結婚したけど
私は別れてから誰とも付き合わなかった。




特に理由はなく、単純に興味がなかったのだ。
異性と出かけるとか
パートナーを持つということに。




私はとても自己肯定感が低かったので
今まで付き合ってきた男性には全員





”愛してよ、愛してよ、
誰よりも何よりも私を選んでよ
そしたら私は自分の価値を認められるから”




と、口には出さずとも
無意識にエネルギーで
そう要求していたと思う。


(我ながらウザい)





今思うと、愛して欲しかっただけで
本当の意味では誰のことも愛してなかった。





それはパパちゃんに対しても
最初は同じだった。




でも、別れた後、
息子の親としてまた
彼と新しい関係性をスタートさせた時




私は初めてこの人を
1人の人間として愛することになった。




パパちゃんは、私が愛した
初めての男性だ。




別れてから、私たちの関係は
どんどん良くなっていった。




彼といると、尋常じゃない
安心感を感じる。




ホッとする。




愛してるけど
恋愛感情はもうないので
とても楽だったし




奥さんから取ろうなどとも
微塵も思わなかった。




むしろ、私にできないことを
やってくれる彼女に
感謝してたくらいだ。




私には、惚れたはれたの
パートナーシップよりも





目の前の息子や
宇宙仲間との学びの方が
断然、断然、面白かったのだ。




それが、1年半くらい前から
ちょくちょく




「マキちゃんはパートナーシップだね。
パートナーができてからが本格始動だよ」




と、たびたび
言われるようになった。




”パートナーシップ” というサインが
これでもかと言うほど
連続で来るようになった。




でも私は、パートナーを持つ気は
さらさらなかったし





あったとしても、それは
高次元パートナーの獅子さんだと思ってた。




それが今年の3月から
少しずつ変化が起こり始める。




まず、パパちゃんと奥さんが
離婚すると言い出した。




私は友達として、家族として
パパちゃんの話を電話でゆっくり聞いた。




人の離婚話を聞いてるのに、
なぜかわからないけど
ものすごく涙が出て




私の中でなんだかわからない
浄化と癒しが
起こっていった。





彼らの離婚は
9月には決定し




ややこしいので説明は端折るけど
奥さんが私たちの住む
コンドミニアムに引っ越し




私と息子は
パパちゃんの家に
住むことになった。




このトンデモ展開・・w
息子はまた学校を変わらないといけないし、
私だってやっと色々落ち着いてきたのに
また1からのスタートかよ💢と




正直、ムカついたし
キレ散らかしもした。





でも最後には
「ウケる😂今度はルームメートか!」と
2人で笑い飛ばした。






パパちゃんとのこの
なかなか切れない不思議な縁を




腹を決めて受け入れ
展開を楽しもうと決めたのだ。





引越し準備を始めた11月
なぜだか眠れなくなった。




毎晩、ハートに大量のエネルギーが
入ってくるのがわかる。






エネルギーの振動が激しすぎて
眠れないのだ。




それが何なのかも
さっぱりわからない。





そんな風に眠れずにいたり
早く起きてしまった時





変な時間なのに
なぜかパパちゃんから連絡が来ることが多く





2人でゆっくり
たわいもないことを話したり





付き合っていた10年前のことを
パパちゃんがよく覚えていて
懐かしく話したりした。




そしてサンクスギビングの日。
偶然が幾つも重なり
私はなぜかパパちゃんと2人だけで
その日を過ごすことになった。




その時
私のハートは完全に開いた。




今まであれだけ頑丈に閉じてたハートが
いとも簡単に開き




私とパパちゃんは
まるで冷凍保存から覚めたように




「あれ?私たち
どうして別れてたんだっけ?」




と、お互いを抱きしめながら
言った。




時空が歪んだみたいだった。




私たちの関係は
完全に戻っていた。





いや、
やっと始まったんだ。




そんなこんなを経ての
今日の引越し。




全ての搬入が終わった後
私はポーチに座り
ゆっくりと光の雨が降る空を見ていた。




引越し先のこの家には
今まで何度か
お邪魔したことがあったけど




こんなふうにゆっくりと
家とエネルギーを交流させたのは
初めてだった。




パパちゃんが来て
私の隣に座った。




「大丈夫?疲れた?」




優しい言葉をかけてくれるのだけど
そういうパパちゃんの方が
大丈夫じゃなさそうだった。




この日彼は
久しぶりにこの家に帰ってきたのだけど
(奥さんと別居してたから)




彼女のものだけ
一気に消えたこの家に




寂しさと
罪悪感と
色々な感情が湧き上がって




彼は少し辛そうだった。




私は特別エンパスな方ではないのだけど
今日のパパちゃんの気持ちだけは
ダイレクトに私の中に入ってきて




もちろん、幸せにしたくて
結婚したのだろうけど





それがどうしてもできなかったこと
何かが噛み合わなかったこと






そんなことを、この家が全て
私にエネルギーで教えてくれてるようで




私は、人に見られない場所に行っては
1人で何度も涙を流した。




その度、パパちゃんが探しに来て
「makiが泣くことないんだよ」と
私を抱きしめ何度もキスした。




不思議だなあ〜と思う。
離婚した奥さんへいろんな情を感じ
その重さを背負うパパちゃんと





それをキャッチして、まるで少しでも
荷を減らしてあげようとするかのように
泣く私。




いろんな種類の愛情が
ここに共存する




それは今日の
光の中から降ってくる
雨のように




本来はあり得ないのに
ちゃんと成立してる





一つの
愛の形なのだと思う。





















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