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生身の地球(2/4)

1/4からの続きです。



私は、もしこれがメールだったなら、
絶対に引っ掛からなかった。




でも、生身の人間に
電話の向こう側で静かに話されてしまうと




私の奉仕体質のスイッチが
入ってしまう。




腹の底では
”怪しい・・怪しい・”と
警報が出ていたのに




目の前の相手を優先し、
理解することに全力を注いでしまう。




また私はなぜか以前から、
お上(法的機関)に対して
極端に強い、恐れのようなものを持っていて




彼らの言うことを聞かないと酷い目に遭う
という刷り込みがあった。




警察も、市民を助けてくれる存在ではなく
ほんのちょっとのミスでも
大罪のように仕立て上げ、




善良な市民に
罰金を課す




そういうスキルに
長けた人たちの集まりだと思っていた。


(すみません)




だから、もちろん
そのコカインの車は
私のものではないけれど




法を巧みに操作して
私を罪人にすることくらい
彼らには朝飯前なんだと思っていた。




言うことを聞かなければ
罪人にされてしまう。




”息子と一緒に
いられなくなる!”




そう思った瞬間、私の感覚センサーは
全て恐怖に乗っ取られてしまった。




ガイドたちから
どれだけ警報を鳴らされても、
恐怖の方が優って聞けなかった。




この詐欺師は
私の電話と8時間繋がり続け
決して切ることを許さず




「あなたが容疑をかけられている車は
全てあなたのソーシャルセキュリティー番号と
連携しているから




資金洗浄の疑いをかけられないためにも
今のソーシャルセキュリティー番号で作っている
金融機関のものは、一度全部クリアにしなければいけない。




明日、担当者がそちらに行って、
新しいソーシャルセキュリティー番号を
発行する」




そう言って、
声ひとつで私を操った。




銀行からほとんどのお金を下ろさせ
それでギフトカードを買わされた。




ギフトカードは
彼が政府のマネーオーダーに換金し
担当者が新しいソーシャルセキュリティー番号を
発行する時、返金するから
番号を渡すように言われた。




もちろん、
それが返って来ることはない。




読んでくださってる方には
手に取るように
彼の手口がわかるだろう。




でも私は
完全にパニックしていて




最悪、命を奪われるんじゃないかという
恐怖で体が震えていた。




だって相手は警察か、
それ同等の人なのだ。
いつどこに潜んでいたっておかしくない。




私の電話だって
トラッキングしてるに違いない。




その時、手が滑って
なぜかパパちゃんにフェイスタイム
してしまったけど、すぐに切った。




思えばそれは
ガイドたちからの
サインだったんだと思う。




パパちゃんに助けを
求めなさいっていう。




普段は「かけ間違えたんだな」って
折り返してこないパパちゃんも
なぜか折り返してきた。




でも私は
彼を巻き込みたくなくて
取らなかった。




ひとりぼっちだった。




誰にも頼れなくて、
突然、言葉も自由意志も通じない
負のパラレルワールドに
迷い込んでしまったような気がした。




どうしてこんなとこに
来てしまったんだろう?




なんで私なの?




早くここから出たい!
だから言うことを聞いて、早く出よう!




そんな気持ちになっていた・・




(3/4に続きます)


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