見出し画像

海外留学体験記 #2イタリア カフェその他は?

私はイタリアにトータルで約6年滞在していたのですが、その間に完全に変わってしまった事があります。
それはイタリアに行くまではコーヒーが飲めなかったのに、飲めるようになった事です。
結論から言うと、イタリアのコーヒーは美味しかった。
そして苦手であった理由として、日本のコーヒーは昔は全体的に酸味が強かったというのが大きな理由であった事にも気づきました。
日本でコーヒーを飲む時砂糖を入れないのが大人というイメージがあったのですが、飲むとしたら砂糖もミルクもたっぷり入れて酸味を隠して飲んでいました。
ブラックで飲む人に憧れていたのかも知れません。いえ憧れていました。
なので飲まない、飲めないで通していました。
今でこそ深煎りや豆の芳醇さを選べた時代ではなかったので無理もないかも。

それでもイタリアに行った当初はもちろんコーヒーは飲んでいませんでした。
それが、いつの間にか毎朝飲むようになっていました。

イタリアでは、まずコーヒーと言えばエスプレッソ(カフェ)で、大の大人でもあの小さいカップに砂糖をドバッと入れるのが普通でそれを見てひとまず安心したのかも知れません。
私が滞在している間に知り合ったイタリア人、見かけたイタリア人の行動、これらをひっくるめて砂糖なしでブラックのままでカフェを飲むイタリア人をほぼ見た事がありませんでした。
極々稀に砂糖無し派がいてすごくビックリしたのを覚えています。でも今落ち着いて考えてみると、コーヒーには多少の甘さがある方が一段と美味しくなると私は思っています。そして食通のイタリア人はそれをわかっている気がします。
何せ色んな料理の食べ方において、これはこうでなければというイタリア流が色々あったりするから。きっとカフェ+砂糖が基準の味。砂糖(ズッケロ)の種類としてはグラニュー糖またはいわゆるブラウンシュガー(ズッケロディカンナ)かクレマ(砂糖と出だしのエスプレッソを少量混ぜたもの)の3択から選ぶ事になります。老舗のバールでは言わない限り元々砂糖入りのカフェが提供される店もありました。
そしてあの稀に見た砂糖を入れないイタリア人はダイエット中だからと言っておりました。だから本当は砂糖入りを飲みたいけど我慢しているといった感が。
また、普通のカフェではなく、カフェインなし(デカフェナート)を選ぶ人も結構いましたが、やはり砂糖は普通に入れていましたので、大人=ブラックといった風潮は感じられませんでした。そもそも15歳以上でないとカフェ(アメリカンコーヒー等も)は飲まないです。これは日本と同じく子供にカフェインは、、という考えからですが、もっと徹底しているようで子供はコソッと飲むこともないようです。イタリア人の友達も言ってましたが、カフェそのものが=大人。
余談ですが、イタリア人はイチゴを食べる時、レモン汁、砂糖をかけて食べます。日本より甘くないから砂糖をかけたいのはわかりますが、どの家庭でもみんな当たり前のようにこんな食べ方をしていたのでびっくりしました。それはまるで日本人が冷奴を食べる時に醤油をかけるような、そんな、イタリア人の、当たり前な日常でした。一つの料理に対してこれはこうというルールのような暗黙の了解が色々とあるのです。
話はそれましたが、さらにこだわりは深まります。
あるレストランで二人組がランチの後にカプチーノを注文しました。そしてその注文を受けたイタリア人達は全員、そのお客が外国人であると悟るのです。一体なぜでしょう?それはイタリア人がコーヒーにミルクの入った飲み物を飲むのは寒い、冬の、朝、だけだからです。(カフェマキアートというカフェに一滴程ミルクの入ったものは別です)条件が揃わないとコーヒーにミルクのたっぷり入ったものは飲みません。(私の知っているイタリア人中心にお話しています。私は出会った事ないですが、もしかしたらそれ以外の方はいるかも知れません)しかも彼らに言わせると、それは信じられない行為のようです。深い理由は分かりません。ちょっと重く感じるのだろうと推測します。更に、紅茶の場合の作法は紅茶を飲みたい=クッキーを食べたい!となっているようで、クッキーを紅茶に浸しながら食べるのが通常のようでした。紅茶を飲む事自体がとても稀なのであまり見る機会はないのですが、私は病気のイタリア人が辛そうに紅茶にビスケット、クッキーを浸しながら食べるのを見た事があります。但し、紅茶にクッキーはあってもコーヒーに何かを浸して飲む事はありません。他にもいろいろあるのですが、何でもありそうで実はすごくルールというか、流があるのです。私は体調不良で横になっていると、イタリア人に「紅茶入れようか?」と当たり前のように聞かれました。
そして病気というわけではないけれどなんだか調子が悪い、ストレスが溜まった、リラックスしたい、となるとすぐさまカモミールティー。だいたいどこの家にもカモミールは常備されています。目の調子が悪い時は出がらしのカモミールティー、ティーバックを目にあてている人も見た事があります。カモミールは万能と言ってました。私は大学でテストを受けた時、上がって焦ってしどろもどろになり、(イタリアの試験は口頭が基本)ものすごく簡単な問題に答えられず、顔面蒼白すると教授は私に一言、「落ち着いて、次回、もう一度受けなさい、とりあえず今夜はカモミールを飲んでゆっくりして。」と言いましたとさ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?