質問箱への回答⑫『わたしたちに選択は可能なのか？ 自由意志の有無について』

昨年の秋に血液検査で膵臓の数値がとても悪く出て、それ以来ずっと脂質制限をしているのですが、その結果おかげさまで非常に体調がよくなっています。以前はしょっちゅう微熱と倦怠感がでて仕事も休み休みとなっていたんですが、ここ最近は風邪かな？ と思っても翌朝にはすっかり元気になっていて仕事も順調にできています。偉い。偉いので自分にご褒美をあげてもいいかもしれません。

ところで先日ちょっといいイヤホンを買ったことについて触れましたが、このイヤホン本当にいい音が出て、素晴らしいんですよ。ただ、想定もしていなかったのですが、これを掛けて音楽を聴いていると、インターホンが鳴っても母がわたしに声を掛けてきてもまったく気づかない（聴こえない）んですよね。これはちょっと困ったなあと思っていたんですが、そういえば本来買おうと思っていたSHUREのヘッドホンにはノイズキャンセリングだけでなく外音取り込みという機能があります。この機能をオンにしていれば、音楽を聴いているときでもインターホンや母の呼び掛けに気づくことができるのですが、ああ迂闊でした。装着感の多少の難より、こうしたことにもっと配慮して検討するべきでした。すなわち、出費はさらに嵩むとしても、やはりAONIC 50 gen2は必要なのかもしれませんね……。（つづく）

さて、今回いただいたご質問はこちらです。

いつもご質問ありがとうございます😉✨✨

とてもよい質問ですね。おなじことを疑問に感じている方も多いのではないでしょうか？ ということで張り切って回答を書いてみたら、（また）5000字を超えてしまっていました。

ちなみにわたしはWZエディターというアプリを使って文章を書いていて、そのエディターで文字数もカウントしているのですが、そちらでのカウントとこのnoteの編集画面に表示される文字数がぜんぜん違います。noteの文字数はなぜかえらい少なく表示されますね。WZの文字数は質問箱の回答欄のカウントと一致しているので、noteのカウントがおかしいと思います！

どうでもよくない？

今回は内容をわけて note のほうに追加の文章を書くという感じには収まらなかったので、いっそのこと質問箱には直接回答を書かず、このnote記事へのリンクを掲載することにします。今後もそのようにすることがあるかもしれませんので、あらかじめご了承くださいませ。

それでは回答です。

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探求の過程においては、実にさまざまな問いが生じてきます。今回は、回答のまえにひとつ、全般的なアドバイスをさせていただきます。といってもそれは非常にシンプルなもので「どんな問いも、『すべてはひとつである』という観点から考えてみる」というものです。

個別に存在しているように見えるすべては、実はひとつの意識がその中に生み出したものです。人や動物や植物や鉱物や原子・分子といったすべてのものは『見かけ上の個別性』をもってこの世界に顕れていますが、それらは意識というひとつのものによって繋がっています。人と人が心を通わせあえるのはそのためですし、テレパシーや予知・予言といったことが起きうるのもこのためです。

このことについては、わたしの他のテキストでさんざん書いてきておりますからここではこれだけにとどめておきますが、要するにわたしの話というのは全部この「すべてはひとつである」ということにまつわるエトセトラなのです。というのも、「すべてはひとつである」こと以外に真理はないからです。例えば仏陀が語ったとされる「行為者の不在」や「縁起」といった観念も「すべてはひとつである。であるから独立した行為者などいない」「すべてはひとつである。であるから、あることが因果から独立して起こることはない」というように、「すべてはひとつである」を出発点としてこの現象世界を正しく説明しているもので、これらも「すべてはひとつである」の言い換えなのです。

ですから、質問（疑問）に対してご自身で取り組むときも「すべてはひとつである」ということを前提に考えてみるとよいでしょう。また、自分自身の観念や、誰かべつの人が言っていることが真理に即しているかどうか判断したいというときも、「すべてはひとつである」の観点に照らしてみればそれが可能です。これが識別するということであり、思考に頼らず知覚のレベルで識別ができるようになるのが意識レベル600（覚醒）です。

さて、今回のご質問ですが、これはさきほどの「行為者の不在」とも関連していますね。というより、本質的にはおなじ話といえます。というのも、どちらも「すべてはひとつである」の言い換えですからね。

探求者、なかでも非二元を学んでいる人たちがおそらく最初に取り組むであろう教えに「エゴは幻想である」というものがありますね。これについてもここでは踏み込みませんが、エゴが幻想であるのなら、その肉体精神機構に思考を与え、行為をさせているのは誰なのでしょう？ それはハイヤーセルフと呼ばれる高次の自己（魂=コーザル体）なのですが、このハイヤーセルフもロウワーセルフであるエゴと同様、幻想の一部です。ハイヤーセルフを含む自己の構造については in SPIRE に書いていますが、無限に連なる自己の多次元構造に果てはなく、ただそのすべてが神（全体性）であるところの一なる意識に包摂されています。

すこし脱線してしまいましたが、つまるところエゴが幻想であり行為者ではないのであるなら、あなたのどんな行為も実は「あなたがしているのではない」ということになります。これがいわゆる「自由意志はない」という話ですね。そうです、以前にわたしはこれについても書いています。また、自由意志がない以上、思考も自分の意志でやっているのではないということも書いています。

たとえばこの記事を参考にしてください

多くの探求者は「エゴは幻想である」については「なるほど、たしかにそう……かもしれない」程度には納得しているのですが、「自由意志はない」とか「思考はただやってくるものであり、自由に思考することなどできない」と言われると「いやいや、それはないでしょう。だってほら、いまこうしてわたしは自分の意志で考えて喋っていますから！」と早口で否定しますね😆

でも考えてみてください。幻想のエゴがどうやって自由に思考したり行為したりできるんですか？ これらはどちらもおなじことなんです。そうつまり、すべてはひとつであるの言い換えです。

ラメッシ・バルセカールは「わたしたちには見かけ上の選択が可能です」と言っていました。つまり、わたしたちがなにかについてあれこれ考え（あるいは特に考えることもなく）なにかを選択しているのは、そのような内容の思考が肉体精神機構にただやってきて、その思考にあった言動が肉体精神機構に起きているだけなのです。

その肉体精神機構にどんな思考がやってくるかは、その肉体精神機構の意識レベル次第です。その肉体精神機構の意識レベルがどれくらいであるかは生まれてきた時点のカルマと、生まれてからその時点までに経験したカルマとの対峙によって決まってきますが、自由意志がない以上、これらもすべて運命という形で最初から決まっていると考えることができます。もっとも、この物質次元におけるリニアな時空間のなかでわたしたちが考えている運命という概念は非常に限定的です。ほんとうの運命とは（わたしにもそれを正確に言い表すことはできませんが）決定的でありながら、同時に無限の可能性を持っているもの、と言っておきましょう。

トランサーフィンにであってよりよい人生ラインを選んでみようとするとします。ここには見かけ上の選択があるわけですね。実際、そこで選んだ人生ラインに移動することは可能です。もちろん失敗することもあるわけですが、いずれにしても、選択しようとして選択する、ということは起きるわけです。しかし、そのときに本当に起きているのは「トランサーフィンを使ってよりよい人生ラインを選択しよう」という思考が（神から無限のハイヤーセルフ構造を経て）あなたの肉体精神機構にやってきて、その思考に即した行動が起こった、というものです。

ご質問の最後のところですが、「意識レベルが高まる」ということがその肉体精神機構に起きるかどうかは、ここまで述べてきた通りで「決まっています」。実際に、ある場合にはそのための努力もなにもしていなかった肉体精神機構が突然悟るということがあり、ある場合には長年の修行にも関わらず覚醒には至らずということがあります。いずれにしても、どのようなストーリーでそれが起こるか（あるいは起こらないか）は運命に定められていますが、その運命をわたしたちが知ることはできません。

こういう話をすると、じゃあ努力したところで結局は運命なのだから……と考えてしまう肉体精神機構は努力をやめるかもしれません。しかし、報われないかもしれないが探求と修行をやめずにはいられない肉体精神機構もいることでしょう。意識レベルの上昇を経験するかしないかが運命に定められているのと同様、そのために努力をするかどうかも運命の書に書かれています。

けっきょく、それがカルマというものです。ですから、努力に意味があるのかないのかという問いには意味がありません。努力すべきだという思考があなたにやってきているなら努力がその肉体精神機構に起こるでしょうし、いやもうこんなん続けてても無駄や！やめよ！という思考がやってきたなら努力は放棄されるでしょう。どちらの思考が（あるいはどちらでもない別の思考が）やってくるかは運命=カルマですから、あなたにそれを「選択する」ことはできないのです😌

回答は以上になります。お読みいただいてありがとうございます。参考になりましたら幸いに思います🙂