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チェロ弾きのためのエッセイ〜しおり〜

フランク・ダラボン監督の「ショーシャンクの空に」という映画がとても好きです。

看守たちが見守る中で仲間たちでビールを分け合い、ヘラヘラと談笑している何気ないシーンで、思わず目が潤みました。

監督がこのシーンをどういった意図で撮ったのかはまだ分かりませんが、私がショーシャンクの空で1番印象に残っているのはそのシーンです。


クライマックスや涙を意図したシーンなどで泣かないということはないですが、本当に何気ない、静かなシーンで心が揺れることが最近増えてきた気がします。それは、ご飯を食べているといった日常生活でも。


…歳取ったんですかね?笑


音楽でも似た現象をしばしば感じます。
一つの曲の中の、テーマやモチーフでないところでもグッと来ることがあります。それこそ、長い交響曲の中のほんの一部分。そこだけ流したらクイズ「この曲な〜んだ?」にでもなりそうな。

どんな音楽でもきっとそうですが、一つとして無駄な音を配置しないという逸話が有名なブラームスも、もしかしたら同じことを思っているのでしょうか。


もちろん、受け手の好みやどんな経験をしてきたかにも依るとは思いますが、作曲者、演奏者、観客の意図が複雑に絡み合った作品は総じて後世に残る名作が多いような気がします。

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